10代の向精神薬の乱用問題、米国でADHDなどの薬を思いのほか早く、女性で2倍
米国では10代の向精神薬の乱用が問題になっているようだ。注意欠如・多動症(ADHD)薬およびほかの精神の興奮を引き起こすような薬を想像以上に早く使い始めているという報告が出ている。米国ミシガン大学の研究グループが、薬剤依存の専門誌ドラッグ・アンド・アルコール・ディペンデンス誌2015年7月号で報告する。
24万人のデータを分析
研究グループによると、もともと米国では不正に手に入れたリタリンをはじめとした向精神薬の乱用は問題となっていたようだ。詰め込み勉強のために学生が医療目的もなく飲む場合があると説明する。研究グループは実態を検証している。薬物使用と健康について国の調査からのデータを解析。米国連邦薬物乱用衛生管理局が2004年から2012年の間に収集した24万人以上のデータ。年齢の分布は12歳から21歳の若者。
早期の防止教育が必要
16歳と19歳の間の10代で1%に満たない割合ではあるものの、本来は医療用に使われる薬を使い始めている場合があると分かった。薬は通常、注意欠如・多動症を治療するために使われるリタリン、処方せんで使われるダイエット薬、覚せい剤のメタンフェタミンを含む薬を使う場合が存在していた。乱用には男女差があり、女性では男性よりも2倍となっていた。研究グループは副作用の危険性を指摘、不法入手に依存し、幻覚、自殺、突然死を起こす可能性もあると警告する。使う前に予防するのが大切と強調する。日本でも精神に効果を示すような薬の乱用は問題となり得る。予防が大切なのは変わらないだろう。
文献情報
Teens start misusing ADHD drugs and other stimulants earlier than you might think, U-M study finds. U-M Health Systm 2015 June 02.
Despite stereotypes about college students resorting to black-market Ritalin to help them cram for exams, young people are actually most likely to start misusing prescription stimulant drugs in their high school years, according to new U-M research.