笑顔が大切、人はネガティブな感情を見せる人には親近感を抱かない
人はネガティブな感情を見せる人には、とりわけ初対面のような場面では親近感を抱かないようだ。関係を築いていくときには、「よりポジティブに」「より笑顔に」が大切であるようだ。米国カリフォルニア大学アーバイン校の研究グループが、心理学と行動科学の専門誌モチベーション・アンド・エモーションのオンライン版で2015年5月26日に報告した。
パートナーの気持ちをどう受け止めるか
研究グループでは、他者のポジティブな感情をどの程度察知できるか、新しい関係を作るチャンスにどのように反応するかについて実験を行った。第1の実験は、4つの会話のシナリオに沿って、交際をしているカップルが過去の経験をたどりながらお互いの感情の軌跡をたどっていき、感情の上下についてどう受け止めていたかをテストしていくというもの。参加したのは66組の男女。第2の研究は、91人の女性に参加してもった。ルームメイトまたは見知らぬ人のどちらかと一緒に、短いビデオを見てもらうというもの。ビデオには、ポジティブな感情を刺激するものと、ネガティブな感情を刺激するものとがあった。
見知らぬ人の場合はポジティブのみ
結果として、1つ目の研究では、男女ともに相手のポジティブな感情について正確に受け止めることができていた。追加の分析では、ネガティブな感情よりもポジティブな感情の方をより正確につかめていると分かった。2つ目の研究によると見知らぬ人と組になった場合に、相手がポジティブな感情を示している場合に限って親近感を抱く傾向があった。人は、他人のネガティブな感情よりもポジティブな感情に共感できるわけだ。新しい関係が作られる可能性があるとき、人は本能的にポジティブな感情に同調する。意識的にポジティブな発言、笑顔を見せるのが大切。そういうこと?
文献情報
Belinda Campos et al.Attuned to the positive? Awareness and responsiveness to others’ positive emotion experience and display.2015 May 26.[Epub ahead of print]