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足がつるのはなぜ?冷えや運動不足、食生活は関係あるの?もしかして重病の可能性も!?詳しい原因や10の予防法を解説!

足がつるのはなぜ?

足がつることは「こむら返り」とも言われますが、専門的には「腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)」と呼ばれてています。足がつるという症状は、ふくらはぎのひふく筋や神経が異常に緊張して、筋肉が収縮したまま緩まなくなってしまう状態になることで、激しい痛みがあります。運動中の他にも、立ち仕事の多い人や、妊娠中、年齢とともに睡眠中などにも多く見られます。

足がつるのは、普段使っていないひふく筋の運動神経が何かをきっかけに急激に高ぶるために起こります。運動不足でも足がつりますが、運動を長時間続けて疲れていたり、体力が落ちていたりする時にも起こりやすくなります。

特に高齢者の場合は、どうしても慢性的な運動不足になりがちなので、常にひふく筋が緊張した状態で、少し足を伸ばしただけでも足がつってしまうこともあるそうです。また、腰が曲がるなど腰椎の変形があると、脊髄神経を圧迫するために神経に異常が起こりやすいので、足がつることもあるそうです。

足がつるとは?

筋肉の強い収縮する現象

私たちの身体は、筋肉の伸び縮みを調節することでバランスの良い動きが出来るようになっています。この筋肉の調節のメカニズムは、脳や脊髄などの中枢から送られる信号が、神経を通って筋肉に伝わって、筋肉は収縮します。そして次に筋肉や腱のセンサーから中枢に信号が送られて、どのくらい収縮するか弛緩するかが決められています。

足がつるというのは、このメカニズムの中で何かしらの異常が起こり、筋肉が非常に強く収縮してしまう現象になります。この筋肉の強い収縮が起こるのは、次の二つの理由が考えられます。

1.神経伝達の不調

理由の一つは、筋肉や腱のセンサーがうまく作動しなくなって、神経伝達に不調をきたしていることが挙げられます。立ち仕事のあとや、ひさしぶりに運動したとき、加齢とともに夜に足がつりやすくなるのは、この神経伝達の不調によるものと考えられます。

立ち仕事や運動などで、足の筋肉が緊張した状態が長時間続くと、筋肉や腱のセンサーが常に刺激された状態になって、センサーの働きが悪くなってしまうそうです。この状態でふくらはぎに余計な力が加わると、センサーは過剰反応を示し、筋肉が異常に収縮してしまうために足がつるとのことです。

また、睡眠中は足の温度が下がるので、センサーの感度が鈍くなるのだそうです。布団の重みがかかって足先がのびた状態になっているのも足をつりやすくしています。寝ている姿勢で伸びをするときには、かかとを前に出すようにすると足のつりも少なくなるとのことです。

2.体内の電解質バランスのくずれ

運動などで多量の汗をかいた時には、血液中のナトリウムやカリウムなどの「電解質」のバランスが崩れて、神経や筋肉が刺激を受けやすく、興奮しやすい状態になります。汗をかいたときには、水分とともにナトリウムやカリウムという電解質も補わなくてはなりません。

熱中症の症状のひとつに「熱けいれん」と言うものがありますが、これは多量の汗と一緒に電解質もたくさん失われたにも関わらず、水だけ飲んでいたために血液がどんどん薄められてしまうために起こる筋肉の痙攣です。発熱時や熱中症の軽い脱水状態には、経口補水液が推奨されており、これは水分とともに電解質と糖質のバランスが考慮された飲み物です。

足がつる4つの原因

1.筋肉を動かすためのエネルギー不足

運動をしたときに筋肉を使うと、体内のカルシウムやナトリウムなどのミネラルが急速に消費されます。そのまま運動を続けていると、筋肉が正しく働くために必要なエネルギーの補給が間に合わなくなるので、筋肉疲労を起こりやすくなるために、足がつることが多く見受けられます。

特に中高年になって運動を始めた場合、自分では軽めの運動と思っていても、汗をかいたり疲労の影響で予想以上にミネラルが消費されていることもあるそうです。運動時にはスポーツドリンクなどでミネラルを補給することも、足がつることを予防する一つの方法になるとのことです。

2.水分不足による電解質バランスの崩れ

運動でたくさん汗をかいたり、ひどい下痢や嘔吐などで軽い脱水症状になることもあります。

脱水症状というのは、水と電解質でできている体液が汗などで失われ、その補給ができていない時に起こります。脱水症状に陥ると血液量が減り、血圧が下がりますので、必要な栄養素が身体に行き渡らなくなります。骨や筋肉から電解質が失われることになるので、足がつったりしびれたりなどの症状が起こりやすくなるそうです。

睡眠中でも約500mlの水分が失われるといいます。自分でも気付かないうちに体内の電解質バランスが崩れていることもあるので注意しましょう。

3.体の冷えによる筋肉の緊張

冬の急激な気温低下によって冷え症気味になることもありますが、夏場のクーラーのきき過ぎにも注意が必要です。身体、とくに足元を冷やし過ぎると血管が収縮してしまうので、血液の循環が悪くなります。こうした血行不良によって電解質や、筋肉を動かすエネルギー・栄養素が不足してしまうために、足がつりやすくなるとのことです。

また、血行が悪くなるだけでなく、身体が冷えると筋肉を収縮させて熱を作り出そうとするので、筋肉が不必要に緊張することも加わりますので、なおさら足がつりやすくなるのだそうです。

4.加齢による筋肉の衰え

足の筋肉は「第二の心臓」とも言われる通り、伸縮することでポンプのように血液を循環させる働きをしています。しかし定期的に運動をしていない場合には、筋肉量は徐々に低下し、20代を100%とすると60代では約60%にまで低下するそうです。

足の筋肉量が低下すると、下半身の血液の流れが悪くなり、ミネラルやビタミンなどの栄養補給もうまくいかなくなります。その結果、特別に運動などをしていなくても、日常の家事や外出で筋肉疲労が起こりやすくなるとのことです。

筋肉量の低下に加えて、中高年になると血行不良や冷え、脱水傾向といった様々な面での要因が重なりやすくなるので、年齢を重ねるとともに足がつりやすい状態になると言われています。

足がつりやすいタイミング

運動中

運動によって大量に汗をかくため、水分やミネラルが失われます。しかも運動によって筋肉が疲労したり、さらに刺激を受けたりするので、運動中は足がつるたくさんの原因が考えられます。特に運動不足の人は、筋肉が衰えているので、余計に足がつりやすいと言えます。

種目で言うと、マラソン・サッカー・水泳・サイクリングなどは足の筋肉を酷使するので、足がつりやすいそうです。また、ジャンプすることが多いバレーボールやバスケットボールもふくらはぎに負担の多いスポーツと言えるでしょう。

このように運動すること自体が足がつりやすいと言えるのですが、運動前にストレッチなどの準備をしないことで、さらにそのリスクが高まります。ストレッチで筋肉を柔らかくしないと、必要以上に負担がかかって、より一層筋肉疲労が蓄積するとのことです。正しいウォームアップとクールダウンがとても大切になります。

睡眠中

睡眠中も汗をかくので水分が失われているのですが、夜中にトイレが心配で寝る前に水分を控え過ぎてしまうことで、水分不足と共にミネラル不足になることも睡眠中に足がつる原因と言えます。さらに睡眠中に足が冷えていることも多く、冷えた足を急に伸ばそうとすると足がつってしまうそうです。日中の激しい運動による筋肉疲労も原因の一つです。

睡眠中に足がつることは年齢に関係なく起こりますが、特に中高年の方に多く見られ、慢性化・重症化することもあるそうです。中高年にあなると、筋肉量の減少を始めとする様々なマイナス要因が重なるので、足がつりやすいと考えられています。

また、中高年の場合は高血圧や動脈硬化、薬の副作用によるものも考えられます。病気が原因ならば病気の治療が必要になりますが、水分不足や冷えなどの日常の注意で予防できることもありますので、少し自分の生活を見直してみましょう。

生理前の「月経前症候群」

女性の場合、生理前に起こる月経前症候群(PMS)の症状として、頭痛などと共に足がつることがあります。PMSとは、生理の始まる10日くらい前から、神経質・イライラ・頭痛・浮腫・乳房痛などからだの不調や精神症状で、生理が始まると同時にこれらの症状が消失するのが特徴です。

これは女性の生理サイクルによるホルモンの変化が原因と考えられています。生理前になると女性ホルモンのうち、「プロゲステロン」が体内に増加します。このプロゲステロンは水分を貯め込もうとする働きがあり、生理前にむくみや体重増加などが起こるのも、このプロゲステロンの働きによるものです。

つまり、生理前は体内の水分がうまく循環していない状態になるので、血行が悪くなって足がむくむ原因となり、結果、足がつりやすくなるとのことです。

妊娠後期

妊娠中期から後期になると、お腹が大きくせり出して赤ちゃんも大きくなってくるのでお腹がとても重くなります。バランスが悪く不安定になりますので、それを支えるために足にかなりの負担がかかっているそうです。ふくらはぎの筋肉に疲労がたまるので足がつりやすくなります。

また、妊娠後期にもなると身体を動かすのも大変で運動不足になったり、足が冷えて浮腫むことも足がつるリスクとなるそうです。さらに、お腹の赤ちゃんに優先的に栄養素が行くので、お母さんの身体はカルシウムやマグネシウムが不足しがちになることも要因になります。妊娠中は食事でミネラルを十分に摂取するよう心がけましょう。

足に急に力を入れたとき・運転中

いつもと同じように筋肉を使ったつもりでも、急に力を入れた時に足がつってしまうこともあります。

足がつる原因は主に筋肉疲労、水分不足、電解質の不足で、一時的に足がつるのはこれらのいずれかが原因と考えられます。普段とは違う筋肉の動かし方をしたり、急に力を入れたりすると、筋肉に強い刺激を加えることになるので、足の血液が足りない状態になります。その影響で筋肉が収縮して足がつってしまうこともあるとのことです。

例えば運転中の、アクセルやブレーキを踏むという一瞬の足に力を入れる動作で足がつることもあります。足に力を入れる瞬間に足の血管が縮み、血行不良を起こすのだそうです。長時間の運転や高速道路の運転などで足の筋肉が緊張した状態が続くと起こることが多いようです。トイレを避けるため水分を控えるたり、冷房がきき過ぎて冷えていることも理由のひとつと考えられます。

足がつったときの対処法

力を抜く

足がつったときには強張ってしまいがちですが、まず身体の力を抜いて足の筋肉をリラックスさせましょう。無理に動かすと他の部分を痛めてしまうことにもなりますので、無理に動かさずに楽な姿勢を探して、突っ張った足の緊張を和らげるようにします。

ストレッチをする

痛みが和らいで少し足が動かせるようになったら、じわじわとストレッチをしましょう。このストレッチが神経伝達機能を向上させて、急に起こった筋肉の収縮を止めてくれるとのことです。

膝を伸ばして座った状態で(寝たままでも可)、足首を立てます。そのまま足の指をつかんで身体の方に引くと縮んでいた筋肉が伸びて、足のつりが治りやすくなるそうです。

日頃からストレッチをして足の筋肉をほぐしておくと足がつりにくくなるようです。過度な運動で筋肉を使い過ぎてもいけませんが、座りっぱなしや立ちっぱなしといった同じ姿勢を続けることも、足の血行が悪くなるので、足がつる原因になります。

足首を回す・反らす

足が動かせるようになったら、ストレッチの他にも徐々に足首を動かす方法もおすすめです。決して突然動かさないようにしてください。

ひざを伸ばした状態で足首をゆっくり反らして20秒ほど保つか、ひざの裏を押さえながら足首を反らしてひざをゆっくり伸ばすという方法が無理がなくていいでしょう。

足首は意識しないと日頃は動かすことが少ない部位ですが、足首を回したり反らせたりすることで足裏やふくらはぎの筋肉を柔らかくしておくと予防にもつながるそうです。血行不良や冷え症にも効果的とのことdす。

マッサージをする

症状が治まっても、つった後に痛みが残っていたり、筋肉がこわばっている感じがするようであれば、軽く温めてマッサージをするのがいいでしょう。足湯などをしながら太ももから足首に向かって優しく筋肉を押していくといいそうです。

足がつるのを防ぐには?

筋肉量を増やす

運動によって足の筋肉量を増やすことも予防につながります。特にスクワット運動は、足の筋肉を効率よく鍛えることができ、血流が良くなることから疲労回復の効果も期待できます。膝を曲げたり伸ばしたりするだけで器具などもいらないので、すぐにでも実践できますね。

両足を肩幅くらいに開いて立ち、両手を前に伸ばして、ゆっくり膝を曲げ伸ばししましょう。からだが前に傾くとと腰に負担がかかるので、両手の水平を保つように行います。数回に分けても良いので、1日の合計が100回程度を目標に続けてください。

但し疲れが残ってしまうと逆効果なので無理はせず、疲れを貯め過ぎない程度に実施ましょう。

食生活の改善

足がつる原因の一つに、栄養不足が挙げられます。特にカルシウム・カリウム・マグネシウムといったミネラルや、ビタミンB1などを含んだバランスのいい食事を心がけましょう。

最近の日本人の食生活は、脂質や糖質が多く、ミネラルが不足している傾向にあるそうです。乳製品や小魚類、大豆にはミネラルが多く含まれているので、予防にピッタリです。ビタミンは卵・豚肉などに豊富ですし、カリウムは果物や生野菜に多く、中でもバナナにはたくさん含まれます。

水分補給

身体の水分が足りなくなると、血行が悪くなって冷えや足がつるといった症状を引き起こしやすくなります。そして血行が良くなれば、体温も上がって免疫力アップにもつながるのです。

日頃から水分不足を防ぐために、意識して水分を摂るようにしましょう。1日1リットル以上が目安と言われ、できれば常温のミネラルウォーターや白湯がいいですね。睡眠中に足がつることが多い場合には、寝る前に水分を補給しておくことで予防できるそうです。

体を冷やさない

冬場はもちろんですが、夏も冷房や冷たい食べ物や飲み物の摂り過ぎにより、身体を冷やすことも多いものです。入浴をシャワーで済ませている方も多いと思いますが、身体を温めるためにはしっかり湯船につかった方がいいようです。全身の血行が良くなり、疲労回復効果とともに足がつることの予防にもなるとのことです。

足を効果的に温めるには「足湯」も効果的です。わざわざ温泉などに行かなくても、洗面器やタライにお湯を張って足をつけるだけでも効果があると言います。温度が下がらないよう途中でお湯を足したり、アロマオイルを数滴いれるとリラックス効果も高まります。

・正しい足湯のやり方
1.40~42度くらいのお湯を大きいバケツかタライに用意します。
2.足のくるぶしより上、ふくらはぎの下くらいまでお湯につけます。
3.お湯が冷めないようにタオルをかぶせたり、足し湯を用意しておき、冷めてきたら継ぎ足します。
4.15分~30分ほどで身体が芯から温まり、少し汗ばむ程度で終了します。
5.足をしっかり拭いて、冷やさないようにしましょう。

サプリメント

食事でなかなか補えないこともありますので、サプリメントを上手に活用する方法もあります。カルシウムはマグネシウムといったミネラルが含まれているものや、抗酸化作用のあるビタミンB群やビタミンEもおすすめです。

カルシウムは、筋肉の働きを正常に保つ働きがあり、脳に信号を送る役割も果たしています。また、マグネシウムは、エネルギー代謝を促進して疲労回復を助けたり、筋肉の働きを調整するという作用があります。しかもマグネシウムが不足すると血液が固まりやすくなるので、血栓の危険も高まるそうです。

漢方薬「芍薬甘草湯」

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、芍薬(シャクヤク)と甘草(カンゾウ)の2つの生薬で作られた漢方薬で、2つの生薬がお互いの作用を高めあうことで、すぐれた効果を発揮すると言われており、足のつりなどの筋肉の痛みに広く用いられています。

芍薬に含まれるペオニフロリン、甘草に含まれるグリチルリチン酸という成分が、神経伝達に関わっているアセチルコリン受容体に働きかけて筋肉を緩めるので、足のつりや痛み、こわばりを治してくれるといわれています。

足がつる症状と病気

頻繁に足がつる場合は注意

足がつるのは筋肉疲労・栄養不足などが原因であることが多いのですが、疲れていないのによく足がつったり、短期間で頻繁に足がつるなどのケースは、何か病気が隠れているかもしれません。例えば、足がつるというのは糖尿病や肝機能障害の初期症状でもあるのです。

特に肝臓の病気は、よほど悪くならないと症状が出ないのですが、肝臓が悪いと身体の解毒作用がうまくいかず、ミネラルバランスを崩してしまうそうです足がつる以外にも、以前より疲れやすくなったなどの症状があれば、なるべく早く医師の診察を受けることをおすすめします。

それでは、足がつるという症状が起こりがちな病気をいくつかご紹介いたします。

糖尿病

糖尿病は生活習慣病の一つで、身体の中のインスリンが不足して、エネルギーとなるブドウ糖を身体の各所に上手に運ぶことが出来なってしまう病気です。

糖尿病が進行すると、足先や手先がしびれたり、麻痺した感じがしたり、痛い、足が冷たい、ほてる、力が抜ける、立ちくらみがする、額や顔に汗をかきやすいなどの身体の機能がうまく働かないため、全身の神経の働きが鈍り、様々な神経症状が出てきます。足がつるのもその神経症状の一つで、神経伝達が不調をきたすために足がつるのだそうです。

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)

背骨(脊柱)は、24個の骨が連なって1本の柱のほうになっています。この連なった骨は空洞があり、24個も連なるとトンネル状になり、これを「脊柱管」と呼びます。この脊柱管が脊髄神経の通り道になっているのです。

腰部脊柱管狭窄症は、背骨の腰にあたる部分(腰椎部)の脊柱管が狭くなる病気です。その原因のほとんどが加齢によるものと言われています。脊柱管が狭いと、その中の脊髄神経が圧迫されて、神経が損傷や炎症を起こししまうので、坐骨神経痛や腰痛が現れます。

立ったり歩いたりという腰を反らした状態だと脊柱管が狭まりやすいため、普段は痛みがなくても歩き始めると腰から足にかけての痛みや痺れ、ふくらはぎに張って足がつるという症状が多く、前かがみになって休むと回復して再び歩けるようになることが多いそうです。20分以上歩けなければ、症状は進行してると思われますので、早期に治療や対策をとることをおすすめします。

閉塞性動脈硬化症

足がつるのは様々な要因により神経の伝達が不調をきたしていることが主な原因ですが、中には血管の病気が隠れていることもあります。それは、全身血管病の一つである「閉塞性動脈硬化症」です。生活習慣などが原因で動脈硬化が起こり、足の血管が狭くなったり詰まったりしてしまうことにより、足を動かすために必要な酸素が十分に運べなくなってしまう病気です。

動脈硬化が進むと、脊柱管狭窄症と同じように歩き始めた時にふくらはぎがつるような痛みが出ますが、しばらく休んでいると治まります。更に進行するとじっとしていても痛みが出たり、皮膚がただれるなど重症化することもある病気です。

椎間板ヘルニア

背骨は24個の骨が連なっていると前述しましたが、その骨と骨の間にクッションの役割をしている軟骨があります。その軟骨組織の一部が飛び出してしまうのが「椎間板ヘルニア」です。この飛び出した椎間板の一部が、周辺の神経を圧迫しているために腰や足に激しい痛みやしびれ、足がつるといった症状を起こすそうです。

椎間板ヘルニアは、姿勢や動作などの環境的な要因や遺伝的要因もありますが、加齢も関係しています。椎間板には座る・立ったまま前かがみになるといった動作で、体重の約2.5倍もの圧力がかかっており、これを長年繰り返していると、椎間板が変性して椎間板ヘルニアを発症すると考えられています。

腎疾患

腎臓は血液を濾過して老廃物や塩分を尿として排出する役割があります。また、体に必要なものは再吸収し、体内に留める働きをしています。腎臓の働きが悪くなると尿が出なくなり、老廃物や毒素が体に蓄積してしまいます。

また、腎臓は体内の体液量や電解質バランスを調節したり、体に必要なミネラルを体内に取り込む役割も担っています。腎臓が悪くなると体液量の調節がうまくいかないため、体がむくんでしまいます。 また、電解質バランスがくずれると、疲れやめまいなど、体にさまざまな不調が現れます。

このように腎疾患は、身体に老廃物がたまったり、電解質バランスのくずれを起こすことになりますので、足がつりやすくなるといった症状がみられるそうです。頻繁に足がつったり、尿の出に今までとの違いを感じたら、早めに内科を受診しましょう。

脳梗塞

脳梗塞は脳の血管が詰まったり、脳の血流が低下して脳の組織が酸素欠乏や栄養不足に陥り、その状態がある程度続いた結果、その部位の脳組織が壊死(梗塞)してしまったものをいいます。

脳梗塞の原因のひとつに、比較的太い血管で動脈硬化が起こって血管が詰まってしまったり、血流が悪くなったり、またはそこにできた血栓がはがれて流れていき、さらに先端の脳の血管の一部に詰まってしまうということがあります。

つまり足がつるといった症状がどこかに血栓ができて血行が悪くなっているために起こっているならば、脳梗塞の前兆である場合もあるのだそうです。足がつる以外にも、手足のしびれ・視野が狭くなる・ろれつが回らなくなる・身体に力が入らなくなる・持っていたものをポロッと落としてしまうなどの症状が見られたら、早めに最善の処置を施す必要があります。

まとめ

足がつるというのは筋肉の強い収縮(けいれん)です。それは筋肉疲労や栄養不足などで電解質のバランスを崩したり、冷えや加齢による筋肉の衰えが、神経伝達に異常が起こるために引き起こされることが多いということが分かりました。

一度足がつると、何度も繰り返してクセになってしまうこともあるので、普段から足が冷えないように注意するとともに、筋肉の十分なマッサージやストレッチを行って予防をすることも大切になります。他にも食生活や水分補給など、生活を見直すことで防げる場合もあるそうです。

但し、特に疲れてもいないのに頻繁に足がつるというときには、重大な病気が隠れていることもあります。あまりによく足がつるという場合には、早めに病院を受診しましょう。

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