[夫婦連載18回]「夫婦喧嘩は犬も喰わない」なんて軽く流していい?!
ちょっとした喧嘩を大バトルに発展させると家庭生活が成り立たなくなるので、お互い折り合いをつけるのです。これが他者であれば「二度と会わない」ということで忘れ去ってゆく。しかし夫婦喧嘩はやっかいです。もともと愛し合っていて、お互いのことを好きだ、”一生”添い遂げると断言しています。お役所の書類にハンコを押して契約しているという法的事実もあります。夫婦喧嘩くらいで「もう会わない!セックスなんかするもんか!」と斬り捨てることは…ない、と考えたい。
女性が家を出られなかった時代
以前は専業主婦率が高く、喧嘩して妻が家を出ると経済的に困るという状況がありました。この連載でも書いていますが、現在はワーキング主婦が増え、喧嘩を100回、200回、365回しているうちに「こんなストレスがたまる相手と一緒に暮らせない」と不満を爆発させる妻がいてもおかしくない時代です。
2015年の人口動態統計調査で離婚件数が約21万件と発表されました。理由は性格の不一致、浮気、生活費を渡さない、暴力、モラハラなど。離婚に至るまでのプロセスを考えるに、最初はどちらかが不満をぶつけることから始まっています。つまり「夫婦喧嘩」の開始です。夫婦喧嘩も小から特大までのレベルがあるので、最初はささいなことが原因だったかもしれません。
きっかけは些細なこと
妻 「掃除の分担してるのに、さぼってるよね。リビングと廊下の掃除機かけるのはあなただよ」
夫 「やってるよ。汚れてたら。汚れてなかったからかけてないだけだ」
妻 「目に見えないほこりがあるんだから、掃除してよ。達也が喘息持ちなの知ってるでしょ」
夫「はいはい」
妻「聞いてるの?」
夫「はいはい」
妻「何それ。私のほうが家事の負担多いんだよ。買い物、食事作り、洗濯・・。6時に走って帰ってきてそれ全部やってんだよ」
夫「買い物はネット宅配しろって言ったじゃん。楽だし」
妻「全部、通販じゃ無理だよ。割高になるし。スーパーの閉店前セールとかすごく安いんだよ。家計のこと考えて言ってる?今、きついんだよ」
夫「まるで俺の稼ぎが少ないっていうような言い方だな」
というぐあいに、夫婦間の言い争いは、エスカレートすると、とてつもなく広範囲に広がり、今いったい何の喧嘩をしていたのかわからなくなる場合すらあります。浮気で責められていた夫が、そこは反省していたのに、過去の不満までチビチビほじくり出され、全人格を否定されたので離婚したという話も聞きました。
意味のある喧嘩、ない喧嘩
犬も喰わないようなかわいい喧嘩なら、何度でもやって、より愛情を深めればよいでしょう。夫婦喧嘩はガス抜きという意味で必要なことです。ただ、次年度の離婚調査の数字に自分たちが入ってしまうような重大案件に発展するような夫婦喧嘩は回避しなければならない。ということで、「するべき夫喧嘩」「夫婦喧嘩の作法」「やっちまった場合の解決策」を次回からお伝えします。