「意識高い系」って意識が高い人と何が違うの?イタがられる理由について徹底解説!
意識高い系ってどういう人?
「そのスキームでコミットできるわけ?エビデンスは?ゼロベースで考えなおしたほうがいいんじゃないかな?」と、なぜかいつも上から目線でモノを言う同僚。
「アタシ、今日セミナーに行くから先に出るね。○子は?あっ、またデート?男もいいけどさ、そろそろ自分磨きも考えたほうがいいよ。マジで」と、よけいなお世話な友人。
「天気が良かったから、ロードバイクで湘南まで行ってきました!往復100キロ!初心者にはちょっとキツいかな」と自撮り写真をFBにアップする先輩。そりゃ、自転車で100キロはきついわね…。
別に悪いことを言ってるわけじゃないんだけど、何となくウザい、イタい、イラつく「オレ(私)って意識高いでしょ」アピール。あなたの周りにはいませんか?こんな「意識高い系」の人々。
ドラマネタになるほど話題になっているという「意識高い系」ですが、口先だけの「意識高い系」と、本当に「意識が高い人」の違いって、どこにあるのでしょうか?周囲から「ウザい」「イタい」と言われてしまうのは、何故なんでしょう?その理由を探ってみました。
あなたはただの「意識高い系」?それとも本当に「意識が高い人」?
意識高い系とは
意識高い系とは、「自分はデキる男(女)」「自分磨きに余念がない」という雰囲気を醸し出しているものの、あくまでもそれは雰囲気だけであって、実際には大した努力もしておらず、自分が思っているほど周囲からの評価されていない人のことを言います。良く言えば「セルフ・ブランディングの一環」なのでしょうが、他人から見ると「中二病を拗らせているだけ」のようにも見えます。
「意識高い系」という言葉は、もともと自己アピールが激しすぎる就活生を揶揄するネットスラングとして生まれました。
就活イベントなどのうたい文句で「意識の高い学生が集まるイベントです」なんて言葉がよく使われていましたよね。そんなイベントに片っ端から参加しまくり、「就職」より「就活」が目的になってしまっているような、前のめりで勘違い系の就活生を指して「意識の高い学生www」なんて使われたのが始まりのようです。
最近ではいいトシをしたオジサマ族からスタバ系ビジネスマン、美容・健康の研究に余念がない女子たち、さらには食べ物・飲み物にまで幅広く使われるようになりました。
この「意識高い系」の人々には共通する特徴があります。
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特徴①話しを盛りすぎ!過剰な自己演出
意識高い系の人たちは、とにかく自分を大きく見せたがります。SNSのプロフィール欄に書かれているのは学歴・職業・経歴・趣味に留まらず、資格、これからのビジョン、座右の銘などなど、別に知りたくもない、知らせる必要もない情報が満載です。
「自分をよく見せたい」という自己顕示欲や「認められたい」「注目されたい」という承認欲求が強いため、リアルな自分に満足できずに、つい話を盛ってしまいます。
本で読んだことや人から聞いた話を、あたかも自分が考えたかのように話したり、数人しかいないサークルの代表なのに、何十人もの学生を束ねてたかのように話したり…。それはまさにヤンキーが語る武勇伝と同じで誇大妄想の領域に達しています。
「頑張っている自分」が大好きで、社会貢献やボランティア活動にも積極的に参加しますが、SNSに投稿するいい写真が撮れたらそれで終了。一転、興味がなくなって途中退場してしまいます。結局のところ「努力している自分」「社会貢献している自分」に酔いしれているだけなのです。
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特徴②上から目線で発言する
「まだ○○してないの?絶対やっておいたほうが有利だよ」と聞いてもいないのに、いかもに「特別な情報」であるかのように話したり、
「結局、君の言いたいことってこうゆうことだよね?」と、人の話をまとめたがったり、
「なるほどね、そういう考えもあるんだ。でもね…」と同調するように見せかけて反論してきたり、
と、同僚や友人に対しても何故かいつも上から目線の発言が多いのが意識高い系の人たちです。
内心では人を見下しているものの、「いい人」のスタンスは保ちたいので、啓蒙的、教え・諭すような発言になるのでしょう。
また、twitterやFBなどでやたら長文のコメントを書いたりしますが、「独自の意見」に固執するあまり、論旨がまとまらず意味不明な文章になってたりします。
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特徴③人脈の広さを自慢する
目立ちたがりでミーハーな意識高い系の人は、人脈の広さも自慢の一つ。ネット上でつながった人は、すべて「友だち」です。
ちょっとした有名人や企業家などが自分のコメントに反応してくれたらしめたもの!その有名人はもう「知り合い」になってしまいます。
twitterのフォロワー数やFBの友だちの数が人を判断する尺度になっているので、その数を増やすことにはとても熱心です。ちょっとした知り合いを見つけては、すぐにフォロワー申請してきたり、やたらとコメントで絡んできたりして、ウザがられたり不審がられたりしていることには気づきません。
もちろん、リアルな世界でも人脈作りには余念がありません。セミナーや交流会などでやたらと名刺を配りまくったり、偉い人に媚をうったりするのもお得意です。
口癖は「オレ○○にルート持ってるから」です。
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特徴④自己啓発してますアピール
「自己投資」「自分磨き」が大好き!「学び」に対して貪欲な姿勢を見せますが、実はまったく身についていないことも…。
セミナーやレッスンには参加することに意義があるので、それだけでレベルアップした気になってしまいます。「資格の勉強してるんだ~」といつも言っているわりには、実際に取得したという話は聞いたことがありません。
ビジネス書やハウツー本、自己啓発本などを読むことも自己投資の一環です。読んだ内容を実践できなけば意味がないのですが、「これ読んでモノの見方変わったわ」とつぶやければ満足なのです。それも読んでいればまだよいほうで、ファッション感覚で持ち歩くだけという人もいるようです。
特徴⑤あきれるほどポジティブ思考
ポジティブ思考は良いのですが、空気がよめないポジティブ思考は困りもの。
上司から怒られてもどこ吹く風。自分のせいで人に迷惑をかけていたとしても、「そんな時もあるよね。まだ○○があるって、ポジティブに考えようよ!」なんてノー天気に言われると、イラつくどころか殺意まで湧いてきます。
彼らのポジティブ思考は、常に自分中心に物事を捉えているだけでその先がないのです。
砂漠で「水筒にはまだ半分も水が残ってるじゃん!」と思うだけで、水場を探すことまでは考えられないようです。
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特徴⑥話の中心になろうと躍気になる
上でも触れましたが、意識高い系の人は自分に注目を集めたくてしょうがない所があります。そのため、常に相手からの注目を集められるように、自分から積極的に行動を取る傾向があります。そして、その傾向は人が多く集まるところで遺憾なく発揮されるのです。
例えば、多くの人と話をしている時は、意識高い系の人は求められてもいないのに率先して、話の流れをコントロールしたりしようとする癖があります。そして、その中で自分に注目が行くような話を盛大に語ろうとするのです。
このような態度に周りの人達は心底辟易するのです。
意識高い系の大学生
意識高い系の大学生の特徴
意識高い系の大学生の特徴と言えば、「自分を過大評価する」「人を見下す」「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)作りに注力する」の3つが上げられるでしょう。
○自分を過大評価する
自己認知と他者認知には大きなギャップがあり、「自分はこんなにすごいことが出来る!」と思っていても他人からはそれほど評価されていません。「将来は起業したい」とか「次世代リーダーを目指す」と口では言うものの、実際にそれに向けて何か努力をしているのか?と言えば、まったくしていない。身の丈に合わない発言をして、周囲をドン引きさせています。
○人を見下す
基本的に、自分と同じレベルやそれ以下の人を見下す傾向があります。グループディスカッションなどでは、あえてリーダー役はせずにグループの外側から達観したような意見を出すことで「君たちとは視点が違うから…」と、レベルの違いをアピールします。
また、「尊敬できる人としか話したくないんだよね」などと言って、一般の人とのコミュニケーションをとりたがらなかったりしますが、当の尊敬している人からは軽くあしらわれていて、「広い視野を持ちたい」と言いながらも、「自分で視野を狭める」という矛盾が生じてしまいます。
○ガクチカ作りに力を入れる
就職面接でよく聞かれる「学生時代に力を入れたこと=ガクチカ」。やたらとイベントを主催したがったり、東南アジアの秘境にバックパック(実は3泊4日とか)などの派手な行動や人と違う行動をしたがるのは、そのガクチカ作りのためです。「団体代表」の肩書きもその一つ。
意識高い系大学生の好きな言葉
専門家やコメンテーターなどが良く使う専門用語やビジネス用語など、覚えたばかりの難しい言葉を使いたがるのも意識高い系の特徴です。
スケジュールの変更や延期を表す「リスケ」、意見の一致や合意を表す「コンセンサス」などは、ビジネスの場ではよく使われる言葉ですが、遊びの予定を決めるのに「それ、リスケしたから」とか「コンセンサスとれてる?」なんて言われたら、ちょっとイラッとしますよね。
他にも、「ゼロベース」や「コミットメント」など学生が使うにはちょっと大げさすぎる言葉や、「アウトプット」を自分の成果や実績を表現するのに使うのも流行っているようです。
「頭よさげ」アピールなのかもしれませんが、残念なことに使い方を間違えていたり、あやふやなまま使っていることも多く、返って「赤っ恥」になっていることがほとんどです。
意識高い系大学生は就活で現れる!?
「意識高い系」の発祥とも言うべき「就活」の現場。そこで見られる意識高い系の残念な行動とは…。
○激しすぎる自己アピール
説明会など、企業側の話を聞く場なのに激しく自己アピールをしてしまう人がいます。
質問をする時に「御社の○○については以前から興味を持っていて、本を読んで勉強しました。開発時のご苦労が、このような製品開発に繋がっているのだなと思うと…(中略)▲▲も好きで愛用しています。で、質問なんですけど…」と、質問にかこつけての自己アピール。
必死さは伝わりますが、説明会は「話を聞く場」。しゃべりすぎは「人の話を聞けない人」という悪印象を与える結果になりかねません。
○頑張る方向がズレてる?
「将来は英語を使う職につきたいので、毎日CNNを見て英会話と世界情勢について勉強しています!」という学生。聞けば英検3級で、キャスターの話しはほとんど聞き取れていないといいます。「英語に慣れる」という目的はわかるけど、まずは日本の新聞を読むことからスタートしたら?と言いたくなりますね。
○「団体代表」で鼻高々
就活生の中には、「団体代表」が山のようにいるそうです。それが就職に有利に働くか?というと「あまりと関係ない」というのが、企業側の意見。「何をやったか」ということよりも「どうやったのか」「誰とやったのか」のほうが重要だと言います。逆質問や掘り下げられて困るぐらいなら、言わないほうがマシかもしれません。
要注意のSNS
「ソー活」という言葉があるように、SNSを就活に活用する企業や大学生が増えていますね。
ただし、twitterやFBでの意識高い系アピールは墓穴を掘る可能性もあるので要注意です。
有名人の格言をリツィートしまくっていたり、大して中身のない長文の自分語りや他人の意見の受け売りは、底が浅くペラッペラな人格であることが、すぐに見破られてしまいます。
友人に冷笑されるだけならまだよいのですが、万が一採用担当者の目に留まったら…。面接で大参事になるやもしれませんよ。
意識高い系大学生が心がけること
年上の人から見た場合、ちょっとぐらいの背伸びは可愛いものですが、ポンピングジャンプは滑稽に見えるものです。
意識高い系大学生が、社会に出て失敗しないために心がけたい点は3つ。
○謙虚な姿勢を持ち、人を見下さないこと。
社会に出て自分一人で出来ることは限られています。支える組織やチームがあるからこそ、活躍ができるのです。支えてくれる人へ感謝、謙虚な気持ちを忘れずに。
○本当の仲間を作る
利害関係がない、本当の意味での友人は学生時代にしか作ることができません。ネット上の友人ではなく、リアルな友だちは何人いますか?本音で語り合え、弱いところもさらけ出せるような仲間を作りましょう。
○目標に拘りを持つ
「意識が高くなる」ことが目標ではありません。本当に意識が高い人は、他人と比較してどうこうではなく、現実的な目標を設定して計画的に行動しています。目標を達成するためのルートは1つとは限らないので、1回の失敗に一喜一憂したり、行動がブレることがありません。
勝ち負けじゃない、自分の目標を考えてみましょう。
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意識高い系大学生あるある
Facebookに投稿するため行動
Facebookは彼らが自分を他者にさらすうえでうってつけのサービスであり、目立ちたがり屋な彼らはこのサービスを通して、意識の高い自己を思いっきり満たそうとするのです。そして、自分のアピールをするうえで、しっかり前準備をするのも彼らにはよくある特徴と言えます。
例えば、自分の画像を投稿する際にしっかりと髪型を整えたり、ファッションをわざと奇抜にして周りに大きな印象を与えようとするのです。
クロスバイクで通学
意識高い系の大学生は常に自分が見られている事を意識する傾向があり、それは学内にいないときも同じことなのです。それ故、大学に通うまでの姿や大学を出て家に着くまで、常に自分に対して見られているという意識を強く保つ傾向があるのです。
例えば、大学に通うための自転車は本格的なクロスバイクである事が非常に多いのも彼らにはよく当てはまることです。このような自転車は普通の安っぽく、乗りやすい大衆的なものとは違い、少々こだわりのある人しか乗らないものという認識が世間で強いので、そういった世間の目に反応するかのようにあえてこのような性能の高い自転車を好きでもないのに乗ろうとして、周りに見栄を張りたがるのです。
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忙しい自分がとにかく好き
意識高い系の人はできるサラリーマンを意識しすぎるあまり、できるサラリーマンに良くある特徴を真似る傾向があります。例えば忙しいというできるサラリーマンによくあるディティールを自分にも適合させようとして、あえて自分のスケジュールをかつかつに追い込んで満たそうとするのです。
そして、そういった自分に酔いしれるのが彼らの趣向なのです。
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すぐに外人と絡む
意識高い系の人は、できる人間と認められたくて仕方ないのですが、そのうえで、人から認められるために様々なスキルを磨こうとストイックになる傾向があります。その一つとして外国語があります。外国語を使いこなして、グローバルな感覚を持つことが多くの人に認められると彼らは強く思っているのです。
そして、その外国語ができることを証明するために、外国人がいるや否やその人に積極的に話しかけ、外国語を大声で他人に聞こえるように話そうとするのです。
スタバでmac
意識高い系の人は、典型的な仕事人間のスタイルを真似る傾向があるのですが、その中でも一番多いのが、スタバでmacを操作しようとするというものです。このスタイルは実際の社会人にはよくあるもので、漠然と社会人に憧れを持っている意識の高い大学生がとても憧れる物なのです。
それ故、特にパソコンで仕事、勉強する必要のないのに、目立つようにマックの最先端のパソコンをこれ見よがしにカフェを片手に操作しようとするのです。
カタカナ用語連発
意識高い系の人は普通の人があまりなじみのない用語を多用しようとする癖があります。というのも、普通の人が知らない言葉を知っている自分は素敵だと周りに見せつけたいからです。特に彼らは仕事などで使われるような大学生にはまだ馴染みのない物を選択し多用しようとしてきて、自分をどこか進んだ大学生に見せようとするのです。
しかし、使うは良いものの、その言葉の本当の意味をはっきりとわかっていない状態で使っていることが多いので、突っ込まれると当惑をしてしまう事もしばしばあるのです。
ツイッターで経営者の名言をリツイート
ツイッターも自己の存在を他者に思いっきりアピールするうえではうってつけのツールと言えます。そのため、ツイッターで自分を注目させるような、または良い風に見せるようなツイートを頻繁に投稿しようとします。
彼らのツイートで一番多いのが社会で成功したような大企業の経営者が語るような名言のリツイートです。彼らは本当にこのような名言に同調しているのではなく、このようなできる人の名言を受け入れている自分は正にエリートだという事を周りに主張したいという心理で、このようなリツイートをしていることが多いのは言うまでもないでしょう。
インドに行って価値観変わる
人生に対して人一倍深い意識を自分は持っていると、周りに認めてもらい、自分は真の意味で深い人間だというステータスを持ちたがる傾向が意識高い系の人に良く見かけられます。こういったタイプの意識高い系の人は、突発的に人が全く行わない事をしようとして、周りを唖然とさせる事があります。
例えば、行くことで人生が変わると言われている、インドなどに一人で行ったりして、帰国後今までの人生観を強く否定し、自分は生まれ変わったんだと言わんばかりに、身なりや態度をあざとく変えて周りの人にアピールしようとしてくる人は意識高い系の人には多いと言えます。
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意識高い系の社会人
意識高い系社会人の特徴
さて、こんな意識高い系大学生が、まんま社会人になってしまうとどうなるのでしょうか?
意識高い系社会人の特徴は、「忙しい・寝てないアピール」「理屈っぽい(けど中身がない)言動」「休日もフルコミット(全力投球)」の3つです。
○忙しい・寝ていないアピール
「平均睡眠時間2時間!」とか「レッドブルじゃ効かねーんだけど」なんていう寝てないアピールを頻繁にしているのは、「寝ていない」=「仕事が出来る人」という認識だから。
本当に仕事ができる人は、タイムマネジメントがきちんとできているので、それほどの残業はないはずなんですがねぇ…。就活と同じで頑張る方向がちょっとズレてるのかもしれません。
○理屈っぽい(けど中身がない)言動
ビジネス本をサラッと読んだだけの中身のない知識で「今のウチ(会社)に足りないのはさ~」と会社の体制を非難したり、「欧米ではね~」などと自社とはまったく関係ないビジネスモデルの話を滔々と語りだしたりしますが、長いだけで中身がなく聞かされるほうはウンザリ。逆に「まぁ、会社ってそんなもんだからさ」と、「すべてを悟ってそれを受け入れるオレ、かっけー」的な悦に入っている人もいます。
○休日もフルコミット(全力投球)!
意識高い系の人の休日は、セミナーやボランティア活動に参加したり、身体を鍛えるためにロードバイクで出掛けたりと大忙し。「止まっていると死んでしまう」とでも言いたげなぐらいアクティブに行動し、その模様を逐一SNSにアップします。
健康に対しても意識が高く、「ワタシ、マーガリンはNGだから」とか「今日は手作りピクルスを肴に飲んでまーす」と食に対するこだわりもかなり強いようです。
意識高い系社会人がよく使う言葉
意識高い系社会人が良く使う言葉は、マジョリティ、マイノリティ、ジェンダーレス、ダイバーシティ、スキーム、カテゴライズなどのカタカタ用語の他、「じゃ、それリリースしておいて」とか「○○さん、アサインしてくれた?」のような業界用語を巧みに会話に取り入れてきます。相手がキョトンとした顔をすると「あっごめん、つい出ちゃった」と、あたかも自分が業界人であるかのように振る舞います。
SNSサイトの投稿でよく使われるのは、
「すべての出会いに感謝!」(はい、はい、いつも前向きですね)
「シェアさせて頂きます」(黙ってシェアするのは失礼だよね~)
定型句と化しているので、周囲も特に驚きません。
職場における意識高い系社会人
新入社員の頃から頭でっかちで実力が伴わない意識高い系社会人。見守る先輩たちの気持ちは?というと…。
何か仕事を頼むと「それは○○ってことですよね」とイチイチ自分の言葉に言い換え、「最終形が見えないとアウトプットはどうればいいかわからないですよね~」「この仕事の意義って何なんですか?」なんて質問攻めにされると、「いいから黙ってヤレ!」と言いたくなります。
出来もしない仕事を「私、やります!」と手をあげて、納期伸ばして時間をかけたあげくに、結局できなくて先輩に尻拭いさせておきながら「やっぱそうでしたよね~」と最初からわかってました的な顔をされると、本当に頭が悪いのかと思ってしまいます。
意識高い系社会人は、ポジティブ思考が仇となり、失敗を素直に認めない傾向があります。現実を指摘すると、言い訳ばかり。最終的には人のせいにして話が終わってしまいます。
意識高い系社会人が気を付けること
意識を高く持つのは良いことですが、目の前の仕事を着実にこなすこと、周囲の人と良好な信頼関係を築くことが仕事のスキルを上げることに繋がります。実績もないままに、大きなことを言っても誰も振り向いてくれません。自分磨きの前にやるべきことを考えてみましょう。
また、有名人や知識人の言葉、ビジネス本に書かれている内容をそっくりそのまま真似しても上手くいかないことはたくさんあります。歴史や背景、環境が変われば、結果だっておのずと変わってくるものです。自分の置かれた立場や状況をきちんと把握してから行動を起こしましょう。
「意識が高い人」はお手本にできる
本来はイイ意味
「意識が高い」とは、”ある事柄について強く意識している。ある理念に対して深く理解している”という意味で、本来はとてもイイ意味で使われる言葉です。
例えば、
・何かに強いこだわりがあって、それを突き詰めようとする姿
・仕事にお金以外のものを求める姿。「やりがい」「自己実現」「社会貢献」など人生の意味を見出そうとする姿
・「理想の自分」になるために、ストイックに努力する姿
などが「意識が高い人」と言われるのではないでしょうか?
意識高い系も”系”が付く通り、この流れを受けた人のはずですが、叩かれたり、疎まれるのは何故なんでしょう?
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なぜ疎まれるか
意識が高い人と意識高い系の人との違いは、「デキる人になりたい」のか「デキる人と思われたい」のかの違いです。「デキる人になりたい」意識が高い人は、理想に向かって黙々と努力し結果を出します。「デキる人と思われたい」意識高い系の人は、結果よりもその経過を人にアピールしてしまいます。
実態が伴わない「やってます」アピールは、周囲から見れば、イタい、ウザい以外の何物でもありません。
意識高い系の人の行動は、「意識が高い人」の模倣でしかありません。
真似をするのは悪いことではありませんが、困るのは、理想像を知ったり語ったりすることで「自分もそれに同化した」と錯覚してしまうことです。上っ面だけを知って、すべてを悟ったような上目線の言葉に、周囲はウンザリさせられます。
さらに言えば、自己認知と他者認知のギャップに気づいていないことも理由の1つです。本当に自分は「デキる人」だと思い込んでいるので、叩かれると「出る杭は打たれるんだよね」と、ポジティブ(?)に受け止め、本当の自分を顧みようとしないので周囲の冷笑をかう結果になるのでしょう。
意識高い系と揶揄されないために
自分なりに頑張っているつもりなんだけど、もしかして「意識高い系」って思われている?とちょっと不安に思ったあなた。
仮に今は意識高い系だとしても、「理想の自分がイメージ出来ている」というのは、一つの強みです。
本当の「意識が高い人」になるために、普段の言動をちょっと変えてみましょう。
改善項目①価値観を押し付けない
自己啓発、自分磨き、社会貢献…これは確かにイイことだし、周囲から尊敬の目で見られることもあるでしょう。でも、それを人に押し付けるのはやめましょう。あなたにとって為になることが、他の人にも為になるとは限りません。価値観は人それぞれ違うものです。
改善項目②有言実行より不言実行
「有言実行」できれば良いのですが、今のところ「有言不実行」になっていませんか?これが一番カッコ悪いですよね。
何かをやろと思ったら、人に言わずに黙って努力してみましょう。ある程度カタチになったところで友人に打ち明けたら、「なかなかヤルな」と一目置かれるかもしれません。
SNSに投稿するヒマがあったら、その時間を有効に使いましょう!
改善項目③目的を見失わない
猪突猛進型の意識高い系にありがちなのが、目的と手段がごちゃごちゃになってしまうことです。
自分磨きやセミナーにせっせと参加するのは、何のためでしょう?
磨いた自分で何かやりたいことがあるからですよね。
「自己投資」や「自分磨き」はあくまでも手段であり、それが目的ではないはずです。自分にとって一番大切なことは何なのか?よく考えて行動するようにしましょう。
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意識高い系の人から学ぶこと
揶揄されることが多い「意識高い系」ですが、その生態には学ぶべき点もあります。
少し素直な視点から意識高い系の人を見てみましょう。
良い習慣
健康志向の高さや時間を有効活用しようとする点は、学ぶべきポイントですね。
朝活、夕活、休日は体力づくりのためのジムに通いやロードバイクで遠出。こんな良い習慣は真似する価値があるでしょう。
また、新しいコトや変わったコトに敏感な意識高い系の人たちは、常に四方にアンテナを張っています。そして人と違うコトをやるために、視点を変えてみるクセがついています。柔軟で固定観点にとらわれない考え方ができるということでしょう。
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高い目標
セレブや有名人に憧れる意識高い系は、理想像と同化するために目標設定も高いようです。
夢や目的もなく、ただ流されるように毎日を過ごす人たちが多い中、「目標を持っている」というだけで希少な存在と言えるかもしれません。
彼らの問題は、「目標を掲げているだけで終わっている」点なのですが、目標を持てるだけでもマシですよね。
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努力
「実は努力していない」という点が非難されている意識高い系ですが、向上心はあるようです。
自己啓発にいそしむのは、その表れです。彼らの向上心をくすぐることが出来れば、大化けする可能性だってあるのです。
服装・ファッションアイテム
最先端の服装やファッションアイテムにこだわる意識高い系。身だしなみに気をつけているという点は、評価に値すると思います。身だしなみは第一印象を決める重要な要素ですから、人と付き合う上で、ある程度のファッションセンスは必要なものでしょう。
「本物志向」である点も、真似したい点の一つ。ブランド品と聞くと、「チャラい」とか「高いだけ」というネガティブな感覚を持つ人もいますが、長く使いこむほどに味が出る、本物には本物の良さがあるものです。時計や万年筆など、1つぐらいは多少高くても本物を身につけるのも良いものだと思います。
仕事のスタンス
起業を目指していたり、「やりたい仕事をするためには今の組織に拘らない」というのが意識高い系の人。若干フワフワした感じがするのは否めませんが、自己実現に向けて頑張れるのは素晴らしいことですよね。
また、新しい仕事に積極的に参加しようとするところも、学ぶべきポイント。受け身の姿勢では、社会で成長することはできませんから。
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意識低い系について
意識低い系とは
意識高い系があるならば、当然意識低い系も存在します。
意識低い系とは、”向上心やこだわりがなく現状に甘んじている人。世の中の出来事にも無関心で、すべてにおいてやる気がない人”です。
特徴としては、
・頑張るのはカッコ悪いと思っている。
・自分に自信がない。
・自分だけの世界や、同類だけの狭いコミュニティに閉じこもっている。
などが上げられます。
意識高い系とは対極なポジションですが、「何もしないので意識高い系より害がない」という意見もあります。
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意識低い系大学生の就活
何ごとにもゆるい対応をする意識低い系は、就活もゆるい省エネスタイルです。
・とりあえず何社か回っているうちに志望業界も定まってくるので、あえて最初にから業界を絞らない。業界研究に時間を割くのはムダ。
・リクルートスーツは買わない。成人式で着たスーツで十分。
・履歴書やエントリーシートは基本パソコンで作成。手書きが求められる場合は、フリクションボールペンを使用する。
・就活塾やノウハウ本は買わない。WEBの情報を有効活用。
「最終的に1社決まればよいだけで、ダメならニートでも仕方ない」と、就職という人生の一大事においてもガッツかないのが意識低い系大学生です。
意識低い系社会人の日常
意識低い系の社会人の日常は?というと…。
ギリギリまで朝寝坊して、コンビニのパンをかじりながら出社。仕事は手慣れたルーティンワークしかせず、新たな仕事や面倒な作業が持ち込まれると露骨にイヤな顔をします。
昼休みは近所のラーメン屋さんで昼食。もちろんラーメンのスープは残さず飲み干します。その後はデスクで昼寝。仕事の納期はゆるめに設定しているので、空いた時間はネットサーフィンなどをして過ごします。
「残業はしない」が原則ですが、急な仕事の場合は仕方なく残業。その場合は、周囲にベラベラ話しかけたりして、集中している人の邪魔をします。
憧れは「社内ニート」。よく使う言葉は「それやらないと怒られる?」です。
そんな意識低い系を題材にしたWEB漫画が、サレンダー橋本さんの「恥をかくのが死ぬほど怖いんだ」の中の一話「新卒よ窓際を目指せ」です。さらなる「低み」を目指す?意識低い系社会人の生態に触れてみたい人はぜひ、ご一読ください。
食べ物にもある意識低い系
健康志向の意識高い系の人たちは、オーガニックや手作りを好み、ビーガンカフェやサードウェーブ系のカフェに足しげく通い、水は硬水のミネラルウォーター、ビールを飲むならクラフト系、お肉を食べるなら熟成肉と、食に対する強いこだわりを見せます。
その意識高い系が、絶対手を出さなそうな「意識低い系」と言われる食べ物があります。
お酒で言えば、「大五郎」に代表されるような紙パックや5Lの巨大ペットボトルで売られているような焼酎。飲み物で言えば、着色料・甘味料がたっぷり入っていそうな炭酸系飲料。
パンで言うなら大きなコロッケパンや丸ごとソーセージパン。ラーメンなら、フライ麺を使った巨大なカップヌードルなどがこれにあたるでしょう。
要は、質より量!食品添加物満載でも「美味しければいいじゃん」というスタンスなのが意識低い系食べ物です。
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まとめ
派手な自己演出と、身の丈に合わない言動で、周囲をドン引きさせる「意識高い系」の人々。
色々調べてみると、「会社に依存せず自分自身の成長を優先する」というゆとり世代の特徴とオーバーラップしてきますね。
子どもの頃から携帯やPCといった情報発信ツールを持たされ、発信しなければ存在が認められないという世の中、ナンバーワンよりオンリーワンの独創性が求めらる教育、長引く不況で会社に依存できないという危機感、こんな状況の中で育ってきたのが、ゆとり世代です。彼らが自己実現を目指したり、自分アピールを発信し続けるのは、当然の流れなのかもしれません。
周囲の大人たちは「意識高い系」と揶揄するだけではなく、「意識が高い人」になれるよう導いてあげないといけませんね。「意識低い系」よりは、ずっと期待できる存在なのですから。
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