両親の年齢差が大きいと子どもの自閉症率が高い、570万人以上を検証
両親の年齢差が大きいと子どもが自閉症になる率が高くなると分かった。
5カ国の子どもを調査
スウェーデン、カロリンスカ研究所のスウェン・サンディン氏らの研究グループが、精神分野の国際誌、モレキュラー・サイカイアトリー誌において2015年6月9日に報告している。これまでの研究でも、両親の年齢と子どもの自閉症リスクについて明らかにされてきた。 研究グループは、デンマーク、イスラエル、ノルウェー、スウェーデン、オーストラリアの5カ国において1985年から2004年の間に生まれた子ども576万6794人を対象として、検証を行った。うち3万人以上が自閉症だった。2004年から2009年にかけて、保健記録から自閉症の診断について調べた。
10歳以上の年の差が特に注意
その結果、次の事実が明らかになった。・50代の父親から生まれた子どもは、20代の父親から生まれた子どもより自閉症率が66%高い。 ・40代の母親から生まれた子どもは、20代の母親から生まれた子どもより自閉症率が15%高い。 ・10代の母親から生まれた子どもは、20代の母親から生まれた子どもより自閉症率が18%高い。 ・両親共に年齢が高いと、自閉症率が高い。 ・両親の年齢差が大きいと、自閉症率が高い。この率は、父親が35歳から44歳で、母親が10歳以上年下のときに最も高い。母親が30代で、父親が10歳以上年下のときにも率は高い。親の年齢と自閉症のリスクにはいくつものメカニズムが寄与している可能性があるという。 気にしても良さそうだ。
文献情報
Large age-gaps between parents increase risk of autism in children
A new multinational study of parental age and autism risk, published in the journal Molecular Psychiatry, found increased autism rates among children whose parents have relatively large gaps between their ages. The study also confirmed that older parents are at higher risk of having children with autism. The analysis, which is the largest-ever, included more than 5.7 million children in five countries.
Mol Psychiatry. 2015 Jun 9. doi: 10.1038/mp.2015.70. [Epub ahead of print]