パニック障害は実は心臓の病気かも?!心臓病の危険性は47%高く、心臓発作の危険性も36%高くなっている

パニック障害は実は心臓の病気かもしれないという見方が出ているようだ。心臓病の危険性は47%高く、心臓発作の危険性も36%高いという結果が出ている。精神の病気というよりは、むしろ心臓の病気を精神の病気と受け取っている可能性さえあるのかもしれない。オーストラリアのアデレード大学の研究グループが、精神医学の専門誌であるサイコロジカル・メディシン誌のオンライン版に2015年6月1日に報告した。
心疾患のリスクが47%増加
厚生労働省によると、パニック障害とは、「突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態」と言う。心臓の血流を供給する冠動脈が、狭くなったり詰まったりする冠動脈疾患との関係は良く分かっていないところもある。今回、研究グループはパニック障害と冠動脈疾患との間の関係を検証した。
12の研究を検討している
研究グループは12の研究についてレビューを行った。対象は約5万8000人の心臓の病気となった人を含む100万人以上の人である。研究グループによれば、パニック発作と心臓の病気の関連性については、胸の痛み、動悸、息切れなどの症状が重複。一部の人々ではパニック発作の症状は誤診された心臓の病気である可能性も否定できないと見られているという。今回のレビューは、心臓に対するパニック発作の影響を検証するためにさらなる研究が必要と示しているという。
パニック発作があれば心臓検査も
調査によると、パニック障害があると、心臓病の危険性を47%、心臓発作の危険性を36%高めると分かった。研究グループは、パニック障害があるときに、心臓の症状が精神の問題ばかりと考えるのは問題と指摘。そのほかの心臓の原因を探るのは大切と見る。一方で、パニック障害で心臓の症状に苦しんでいる人の中で、心臓の病気が潜んでいる可能性もあると推定。心臓の問題を探る意義は大きいと考えている。精神の問題があるときに、精神的な病気ばかりに目が言っているとすれば、少し気にした方が良いのかもしれない。
文献情報
New study: panic attacks can lead to heart disease. University of Adelaide News & Events, 18 June 2015
Psychol Med. 2015 Oct;45(14):2909-20. doi: 10.1017/S0033291715000963. Epub 2015 Jun 1. Research Support, Non-U.S. Gov’t