アマゾンの植物にうつ症状8割削減の効果、煎じて飲む「アヤワスカ」
「アヤワスカ」と呼ばれるアマゾンの飲み物にうつ症状を大幅に抑える効果があるようだ。解決の難しいうつ症状を軽くするヒントに?
現地に伝わる煎じた飲み物
ブラジルのサンパウロ大学の研究グループが、同国の精神分野の専門誌であるレビスタ・ブラジレイラ・デ・シキアトリアに2015年1-3月版に報告した。アヤワスカは、アマゾンの植物を煎じて作る飲み物。現地では宗教的、医療的な目的で数十年にわたって飲まれているという。自然由来の幻覚を起こす作用を持っていると知られている。「ジメチルトリプタミン」と「ハルミン」と呼ばれる薬用成分を多く含んでおり、幸福感を感じさせる効果を生じて、うつを抑えるような効果を持つと考えられている。研究グループは、うつ症状を持つ6人を対象として、アヤワスカを飲んでもらい、うつに対する効果を調べている。うつ症状の点数化には、「ハミルトンうつ病評価尺度」をはじめとした国際的な方法を使っている。
そう状態にはしない
結果として、アヤワスカを飲んでから、当初のうつの症状、1日後、7日後、21日後と追っていくとうつ症状の点数を82%低減できると分かった。統計学的な意味のある差と確認できた。アヤワスカの投与はうつ症状を改善させる一方で、逆に気分が高まる症状については変化がなく、そう状態を起こすような副作用を生じさせなかったと見られた。辺境の地から解決の道が開かれないとも言えない。
●訂正(2015/5/22)・本文中、「飲み物」を「読み物」と誤記していました。お詫びして訂正いたします。
文献情報
Osrio Fde L et al. Antidepressant effects of a single dose of ayahuasca in patients with recurrent depression: a preliminary report. Rev Bras Psiquiatr. 2015 Jan-Mar
Rev Bras Psiquiatr. 2015 Jan-Mar;37(1):13-20. doi: 10.1590/1516-4446-2014-1496. Research Support, Non-U.S. Gov’t