実は腎臓の病気かも?背中が痛いときの対処法とセルフチェック

背中の痛みの陰には外傷から内臓の病気までさまざま
「背中が痛い」というのは、日常でも比較的感じやすいからだの痛みのひとつではないでしょうか。しかし、単に背中の痛みといっても、痛みのつよさや原因はさまざまなものがあるといいます。胸の痛みやお腹の痛みと一緒にあらわれたり、あるいは胸やお腹の痛みが背中の痛みと間違えられたりすることもあって、痛みはより複雑になることもあるといわれます。
そのため背中の痛みは、専門機関でもより詳細にしらべることが大切だといわれます。ではなぜ背中が痛くなるのでしょうか。一般に痛みが出る原因としは、ケガや手術などの治療、ウイルスや細菌などへの感染といったこともあるといわれますが、仕事や家庭環境といった生活に関んするストレスなども痛みの原因になると考えられているといいます。
皮ふ、骨、関節、筋肉がダメージを受けてしまうこと、あるいは食道、胃、小腸、大腸などの内臓などの病気によるもの、さらに神経が原因になっていることもあれば、心のストレスが背中の痛みとなってあらわれることもあるというのです。
今回は、背中の痛みのあらわれる原因についていろんな角度からみていき、できる限りの対処法をまとめてみたいと思います。
ガイドライン|日本緩和医療学会 – Japanese Society for Palliative Medicine
がん医療を中心としたPalliative Medicineの専門性を確立するための学際的かつ学術的研究とその実践、その教育を行う学会2章 背景知識
背中が痛い原因とは?
1、筋肉疲労
背中の痛みのことを、専門的には「背部痛(はいぶつう)」とよんでいるようですが、このなかには、原因がはっきりとわからないものも多いそうです。つまりレントゲンなどの画像検査をしても異常がわからないこともあるといわれているのです。そんななか、肉体労働などに疲労は原因のひとつになるといわれています。
これには、筋肉がかかわっているといわれているようです。背中の筋肉に負担や、緊張といったストレスがつづくと、筋肉が疲労して肩こりなどとして知られる、筋肉の「こり」が生じるといいます。そしてこれが筋肉痛となってあらわれるそうです。
こりの状態が長くつづくと、筋肉はかたくなり、感覚も鈍くなってくるといいます。また、筋力が弱い場合や姿勢がわるい場合も筋肉の疲労に影響があるとされ、血行が悪くなり肩や背中の痛みが出やすくなるのだそうです。
2、ケガや骨の異常
背中にケガをしている場合にも背中の痛みがでることがあるとされます。例えば、骨粗しょう症という骨がもろくなる状態では、ころんだり、あるいは重たい荷物などを背負ったり、からだに衝撃が加わったりすると、背骨が折れて背中から胸のあたりにかけて痛みがでるといわれています。
また、背中の痛みにかかわる骨のがんとして、胸椎腫瘍(きょうついしゅよう)という病気があるといわれます。ほかの臓器などにあるがんが胸椎(胸の高さの位置にある背骨)に移ったりすると、背中の痛みがでたり、あるいは骨がもろくなっているため、衝撃が加わると背骨が折れたりして背中の痛みがでるといいます。
3、PCやスマホの使いすぎ
PC(パソコン)やスマホなどの携帯電話の使いすぎも背中の痛みに関係があるようです。近年では多くの仕事でコンピュータなどを使用する機会がふえています。パソコンなどを使う作業のことをVisual Display Terminalsを使った作業といわれ、VDTと略されることから、このようにパソコンなどを長時間使うことで健康の被害が出ることを「VDT症候群」とよばれるそうです。
肉体的な疲労だけでなく、精神的な疲労もおこすことから、厚生労働省も「VDT作業における労働衛生環境管理のためのガイドライン」を定めて、被害に注意をよびかけているのです。長時間のパソコンや携帯などの機器の使用によって、腕や指のしびれ、肩のこりや痛み、背中の痛み、腰の痛みなどがおこるといわれています。
ここには、眼精疲労(がんせいひろう)といって、目の疲れが背中のいたみとなってあらわれるとも考えられているようです。長時間のパソコン操作などは、眼精疲労をおこすことがあるといわれ、目の痛みやかすみだけでなく背中の痛み、腰の痛み、吐き気や頭痛などを引きおこすといわれているのです。
4、猫背
猫背は円背(えんぱい)といったりもするそうですが、背中がまるくなって、いわゆる姿勢がわるくなっている状態のことといわれています。こうなると関節や筋肉の痛み、しびれなどがあらわれることがあるといいます。
場合によっては背中がまるくなることで、お腹の部分が圧迫されるようになるので、内臓も圧迫されることがあるそうです。この円背によっても肩の痛み、首の痛み、背中の痛みなどがあらわれることがあるといいます。
5、寝違え
交通事故でよく耳にする「むち打ち」、あるいは「寝違え」といったものは、医学的には頚椎捻挫(けいついねんざ)とよばれる病気にふくまれるそうです。どちらも首の捻挫(ねんざ)のことをいうようですが、長い時間不自然な姿勢で寝ていたり、急に首を動かしたりして首に負担がかかったときなどにおこるといわれます。
一般に首が回らない、上が向けない、首が痛くてだるいといった症状があらわれるとされます。さらに首だけの症状だけでなく、肩や腕、背中の痛みなどに広がって痛みがあらわれるといわれています。このように首から痛みが広がるのは、からだが広い範囲に痛みを感じさせる物質を送るためなのだといわれています。
6、ストレス
現代の社会には多くのストレスがあるといわれています。からだはストレスを受けるとさまざまな反応がおきるといわれます。例えば、自律神経という神経はストレスに反応する神経といわれています。自律神経のはたらきが過剰になると、胃の痛み、眠れない、頭が痛い、背中が痛いといったさまざまな症状がみられるといいます。
そして、ストレスや生活習慣などが原因でおこる痛みには、胸の痛みや背中の痛みに関係し、神経性の痛み、あるいは手足のしびれや関節の痛みを引きおこすといわれています。心の状態は、からだにもつよく影響をあたえるようです。
医学の分野でも痛みに対しては、からだだけでなく心にも治療を行うことが大切であるといわれ、心とからだの両方を考えることは必要なことだとされています。特に痛みがつづく期間が長くなればなるほど心に関わる問題は大きくなるのだそうです。つまり痛みは長くつづくほど心の問題となってくるといわれているのです。
ストレス社会といわれている現代社会ですが、腰痛や背部痛などの痛みに悩む人がふえている傾向にあるそうで、アメリカでは慢性的につづく痛みが、心疾患ががんに次いで、3番目に多いともいわれているそうです。
背中の左側が痛いときに考えられる病気
病気によっては背中のある部分に局所的にあらわれることもあるそうです。背中の特定の場所にあらわれる痛みの特徴をみていきましょう。
1、膵臓癌
膵臓(すいぞう)に病気があると、食べ過ぎたり、飲み過ぎたりした後に、みぞおちや左のわき腹、左の腰、背中の左側、左の肩甲骨付近などが痛かったり、なんとなく重だるい感じがあらわれることがあるといいます。
膵臓は、15cmほどの大きさの臓器で、胃の後ろにあるため、痛みはお腹から背中にかけておこりやすいのだそうです。このうち膵臓癌では、初期の症状として、腹痛や背中の重苦しい感じ、あるいは食欲が出ないといった症状がみられるといいます。また便が出たりでなかったりといった不安定な排便になるのも特徴的なのだそうです。
病状が進行していけば、お腹や背中の痛みがずっとつづくようになり、吐き気があったり、実際に吐いてしまったり、あるいは体重が落ちる、お腹に水が溜まるといった症状までみられるようになるといいます。
2、膵炎
膵炎(すいえん)とは、先ほどの膵臓癌でも出た膵臓の炎症とされます。膵炎には急性の膵炎と慢性の膵炎があるようです。どちらもアルコールが原因であることが多いのだそうです。アルコールなどを原因に急性膵炎がおこり、それが2回、3回とくり返しているうちに、慢性化してくといわれます。
急性膵炎のうちに治療を適切におこない、アルコールをやめることで慢性化は防げるそうですが、慢性膵炎になってしまうと、やがては膵臓癌になってしまうといいます。急性の膵炎では、激痛といわれるような突き抜けるような鋭い痛みがお腹や背中の痛みとしてあらわれるようです。
膵臓から分泌される消化液が自分自身の膵臓の細胞を消化してしまうのが原因といわれ、膵臓のまわりには神経が多いため、その分痛みもつよく感じやすいそうです。また、苦しい痛みだけでなく吐き気をともなうこともあるとされます。状態が軽い場合には絶飲・絶食で症状が軽くなるそうですが、ひどい場合には命にかかわるともいわれています。
逆に慢性化すると背中の痛みはそれほどつよくないそうですが、食欲が出ない、排便の不安定といった症状のようで、その分早期に発見することが難しいといわれます。長くつづくお腹や背中の痛み、あるいは違和感が発見の手がかりともいわれていて、このような症状があれば膵臓の病気を疑い、受診したほうがよいとされています。
膵炎は、進行すれば吐き気や便の異常(下痢、柔らかすぎる便、悪臭のする便)、体重の減少などになり、少しずつ膵臓癌になっていくといわれています。
3、胃炎
胃炎というと、一般に胃の粘膜に炎症(えんしょう)がおこることとされます。さらに皮ふや粘膜がただれて破壊された状態が潰瘍(かいよう)とされています。潰瘍のほうがダメージが深いようです。このような胃がダメージを受ける病気があると背中の痛みがでることがあるとされます。
胃の場所は、背骨の胸の下の方にあって腰よりも少し上で、少し左にあるとされ、個人差があるそうですが痛みが背中の左の方に感じることがあるそうです。胃の障害ということでは、胃炎などもありますが、特に胃潰瘍でこの場所の痛みがおこりやすいといわれています。詳細は次の胃潰瘍の項目でまとめたいと思います。
4、胃潰瘍
くり返しになりますが、胃の場所は、背骨の胸の高さの下の方から腰のあたりで、少し左にあることが多いといわれています。そのため、胃潰瘍ではこのあたりの背中の痛みとして感じることがあるのだそうです。食べものを消化するはずの消化液が、自分の胃の壁を攻撃してしまうことが痛みの原因とされます。
近年では、ピロリ菌という細菌や消炎鎮痛剤などの薬によっておこると考えられているようです。主な症状はお腹がへっているときの痛みといわれているのですが、症状が重くなると背中の痛みが出ることがあるそうです。
放置しておくと、口から血を吐いたり、胃に穴が開いたり、胃の入り口がふさがって、食事が胃のなかに入らなくなることもあるといわれています。そのため、早期の診断と治療が大切であるといわれる病気です。
5、胃がん
胃の粘膜ががんの病変をきたしてしまう病気とされます。早い段階では症状がみられないこともあるといわれますが、進行するとみぞおちあたりを中心とした腹痛、そして背中の痛みがあらわれるといいます。さらに吐き気や胸やけといった症状もみられるようです。
進行すれば腸や膵臓といった周辺の内臓にまで病変が広まることもあるようです。近年は、胃がんで死亡する人は少なくなっているそうですが、特に40歳以降で胃がんになるケースがふえているといいます。
6、狭心症
心臓は心筋という筋肉が伸縮し、からだに血液を送るはたらきをすることは周知のとおりだと思います。この心筋も当然のことながら酸素が必要です。心筋に酸素を送るはたらきをしているのが冠動脈(かんどうみゃく)といわれる血管です。
狭心症(きょうしんしょう)とは、この冠動脈を流れる血液のとおりがわるくなって心筋に酸素が送れなくなった状態とされます。原因は動脈硬化によるものといわれますが、血管の状態がわるくなることで心筋の酸素が不足し、痛みが出るといわれています。
狭心症になると胸がしめつけられる感じが数分から30分、長い場合には1時間近くつづくといいます。そして心臓の病気で特徴的なものに「放散痛(ほうさんつう)」というものがあるそうです。これは、痛みの刺激が心臓だけにとどまらずに、周辺に散らばるように広がることとされます。狭心症や心筋梗塞(しんきんこうそく)などの心臓の病気でみられるようです。
この痛みの部位は左肩、左腕、左手、左あごといった左側に集中していることでも知られているといいます。狭心症では左肩や背中の痛みは、単なる肩こりとも思われることがあるそうで、自己判断はせずに早めの受診がすすめられる症状でもあるといわれます。
7、心筋梗塞
狭心症のところでも述べましたが、心臓の病気による痛みの部位は左肩、左腕、左手、左あごといった左側に感じることが多いようです。狭心症が心臓の血管の血流がわるくなる病気とすれば、心筋梗塞はさらに狭心症がすすんだ状態ということができるようです。
30分以上にわたり血流がとまってしまい、心臓の筋肉が壊れて心臓が破壊されていく状態が心筋梗塞とされています。心筋梗塞でも心臓の痛みがあるほか、痛みが広い半に広がって感じる放散痛があるといわれ、左肩や背中の痛みなどがあるそうです。
近年では、痛みがまったくないタイプの心筋梗塞などもみられ、状態が重くなるまで気づかれないケースもふえているそうです。
病院にいったほうがいいの?
痛みがあれば必ず病気であると判断するのは素人判断では難しいこともあると思います。また、痛みの場所だけで病気を断定することは医療の専門家ですら容易なことではないそうです。背中が痛いからといって肩こりとも限らず、ほかのさまざまな病気でも背中の痛みがおこるだけに、病院にいってしらべてもらうのに越したことはないといえそうです。
なにもなければ、それはそれで安心できると思います。
背中の真ん中が痛いときに考えられる病気
1、胆のう炎
胆のう炎とは、肝臓のうしろのあたりにある胆のうという場所に炎症がおこる病気とされます。胆のう炎では、胆のうに石ができてしまう胆石症を合併していることが多いといわれ、胆のう炎は、この石による刺激と胆のうから分泌される消化液によって炎症がおきたり、さらに細菌などが感染することで炎症がひどくなることが病気の原因となるようです。
胆のう炎は、胆のうの場所からも背中の真ん中あたりの痛みを感じることがあるといいます。ただ、真ん中に限らず左右に広く感じられることもあるようです。そのほかにも発熱や、吐き気、皮ふや粘膜が黄色くなる黄疸(おうだん)とよばれる症状がみられることもあるといいます。
2、胆石症
胆のうと肝臓でつくられた消化液をとどめておく臓器ですが、その胆のうやとおり道である胆管に石ができてしまう病気とされます。無症状であることも多いそうですが、場合によってはさまざまな症状があらわれるようです。特徴的な症状として、食後のお腹付近の痛みや不快感、背中の痛み、右肩の痛みなどがあるといわれます。
胆のうなどの痛みは背中でも真ん中あたりに感じられることもあり、場合によっては左右に広く感じられることもあるそうです。胆石症は近年増加している傾向があるそうで、日本人の10人に1人は胆石症にかかっているといわれています。
3、十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍とは、胃潰瘍と並んでよくしられた病気のひとつといわれています。近年は、ヘリコバクター・ピロリ菌による感染が関わっていることが多といわれています。胃液のなかの塩酸や消化酵素により胃を保護している粘膜がダメージを受けることが原因のようです。
症状は腹痛が中心だといわれれますが、背中の中央そして左右に広がる痛みもあるようです。
背中の肩甲骨が痛いときに考えられる病気
1、肩こり
肩こりはよく聞く症状のひとつではないでしょうか。肩こりのほとんどは首の後ろから肩甲骨の間に症状があらわれることが多いといいます。病気やケガがによっておこることもあれば、ストレスなどによる場合も多いようで、その原因はさまざまのようです。
肩甲骨をおおう僧帽筋に痛みを感じることからはじり、肩甲骨の内側が硬くなった感じを受けることが多いそうです。ひどくなると頭痛や腕の痛みにまで広がる場合もあるといわれています。
2、骨盤のゆがみ
「骨盤のゆがみ」とは少し抽象的な表現かもしれませんが、例えば左右や前後の傾きのバランスが崩れた状態も骨盤のゆがみといわれるようです。原因はさまざまだとおもいますが、左右の脚の長さがちがう場合などもあるようです。
骨盤は人間の重心がある場所でもあるといわれますが、からだの全身のゆがみとなってあらわれ、首や腰などにストレスがかかるといいます。骨盤のゆがみが原因で、首の筋肉の痛み、肩こり、背中の痛み、外反母趾(がいはんぼし)などをおこすといわれています。
3、胸郭出口症候群
胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)という病気は、聞きなれない方もいると思います。腕の付け根あたりの筋肉や鎖骨の下には、運動や感覚に関わる神経が束のようにまとまって走行しているといいます。その部分に何らかの問題がおきて、神経や血管が圧迫されるとさまざまな痛みが腕の動かしづらさなどの症状がでるといいます。
胸郭出口症候群では、腕をあげるような動作をすると、痛みが肩や腕、肩甲骨のあたりに痛みがでることが多いといわれます。しびれや痛み、重だるさだけでなく、さらには握力が低下したり、マヒしたりすることもあり、ひどくなると筋肉がやせ細ってしまうことも場合によってはあるといいます。
背中の右側が痛いときに考えられる病気
1、肝臓がん
肝臓がんは、文字どおり肝臓ががん化する病気とされます。原因の多くはほかの臓器ががん化し、そこから移る場合が多いようです。初期の段階では症状があらわれにくく、がんが大きくなるとさまざまな症状が出るといいます。
肝臓がんでみられる症状として、右側のお腹の不快感、右側の肩甲骨や背中の痛み、疲れやすい、吐き気、食欲が出ないといった症状がみられ、からだが徐々に衰弱していくといわれています。女性よりも男性に多いのも特徴だそうです。
2、肝炎
肝臓は、消化や解毒といった大切なはたらきをしている臓器として知られています。この肝臓は、痛みを感じる神経がないので、病気になってもかなり進行しないと症状があらわれないのだそうです。このため「沈黙の臓器」ともよばれているといいます。
肝炎にもいろいろな種類があるとされ、A型・B型・C型肝炎として知られているウイルス性の肝炎、飲酒などが原因となるアルコール性肝炎などがあるようです。肝臓は右側にあることから、症状が進行すれば、黄疸や、吐き気、お腹の痛みなど、そして場合によっては、痛みが右側にあらわれることもあるといわれています。
3、胆嚢炎
胆嚢炎は「背中の真ん中が痛い」の見出しでも出てきた病気ですが、胆のうは肝臓の裏側にある臓器であり、そこに病変がおこるとおなかの右側に痛みを感じることが多いそうです。また、痛みが右肩や背中に広がることも特徴であるといわれています。時には胸の痛みを感じ、冷や汗、寒気、吐き気がみられることもあるそうです。
背中の痛みと吐き気を併発するときの原因とは?
吐き気を催しやすい?
これまでみてきた背中の痛みをおこす病気を振り返ってみると、背中の痛みをおこす病気には吐き気をともなうものも少ないくないようです。肝臓の病気、膵臓の病気、胆のうや胆管の病気には、病状の進行などもよると思いますが、吐き気をともなうことが多いようです。
また、背中の痛みと肩こりの関連もありましたが、単に肩こりと思っていても、肩こりをおこす原因によっては、頭痛や吐き気、あるいは実際に吐いてしまうといった症状をともなうこともあるといいます。
吐き気と一緒に起こる症状は?
先ほど、背中の痛みと吐き気の関係をみましたが、ほかにはどのような症状があるのでしょうか。肩こりなど以外に、背中の痛みをおこす内臓の病気などをみてみると、もちろん原因によってもちがいがあるといえますが、食欲の低下、頻繁に下痢をおこす、腹痛、発熱、寒気、体重の減少といった症状がみられるようです。
息苦しいときは?
先ほどご紹介した下痢や腹痛などは、消化器の臓器の症状と重なっているようです。ただ、背中の痛みをおこす病気には、心臓などの病気もあったかと思います。心臓の病気の症状には胸や背中の痛み、苦しさ、息切れや息苦しさといったものがあるそうです。そのほかにも、動悸やめまい、むくみといったこともみられるといいます。
背中の痛み!病院「何科」!?
これまでみてきただけでも「背中が痛い」だけで、受診する診療科を特定するのは難しいようにも感じませんか?それもそのはずで、背中の痛みの原因がいったい何でおきているかわからないと受診する病院もわからないと思います。
まずは、お近くの病院やクリニックを受診してみてはいかがでしょうか。そちらで治療ができるものであるのか、ないのかを判断してもらえますし、考えられる原因から診療科を専門的な視点で紹介してもらうこともできると思います。また大きい病院でなければできない、精密検査などが必要な場合でも、適切な病院を紹介してもらうこともできると思います。
背中が痛い時の対処法
1、冷やして炎症を抑える
一般に、肩こりなどで筋肉が炎症をおこしている場合で、特に急性期とよばれるような痛みがはじまったばかりの時期には、冷湿布などで冷やすことがすすめられることもあるようです。温めると逆に炎症をひどくすることもあるとさ、この場合には冷湿布だけでなく氷枕などで直接冷やすのもよいそうです。
ただ原因がわからないのにむやみに冷やすのもすすめされないといいます。逆に冷えることで血行がわるくなり症状がひどくなることもあるといわれています。冷やすべきかどうかは、症状をおこしている原因や時期なども関係していることから、専門家の意見を参考にする方が正しいといえそうです。
2、体を温める
からだをあたためると筋肉の血行を促進して、痛みを和らげたりする効果があるといわれています。もちろん、痛みの原因がなんであるのかを知っておくことが大切といわれていますが、あたたかい蒸しタオルなどを使って患部をあたためるのはひとつの方法といわれます。
ただし、心臓に異常がある場合には注意が必要なこともあるとされていますので、かかりつけの病院などがある方は聞いておく方がよいといえます。
3、マッサージを受ける
マッサージには筋肉をやわらかくほぐし、血流をよくしたり、筋肉の疲労をとったりすることで、痛みやむくみの改善をはかることができるといわれています。また心のストレスもほぐす効果があるといわれていて、胃腸の調子を整えてくれることもあるそうです。
マッサージはまちの治療院のほか、病院などでもすすめているところもあるようです。ただ筋肉に問題があったとしても、経過が長い場合や症状がつよい場合は、効果が得られなかったりすることもあるようです。また、あまりに痛みがひどい場合などは別の病気が隠れていることもあるとされ、そういった場合は適切な診断を受けることが大切であるといわれています。
4、市販の薬を使う
場合によっては、症状の様子をみたいときなど、あるいはすでに専門家に相談しているといったときで、市販薬の使用に支障がなければ手軽に購入できる薬はとても便利だと思います。ただ、むやみな市販薬の使用はすすめられないようです。
今までに経験のない背中の痛み、はじめて感じる痛みといったときは速やかな受診がすすめられるということには注意しておきたいです。
5、病院の診察を受ける
もっとも確実な方法ではないでしょうか。治療するにもまずは、しっかりと原因をみつけることが近道だといえます。背中の痛みは、心臓やほかの内臓の病気による可能性もあるので、きちんと受診するのはとても大切なことだといえそうです。
背中の痛みを予防する方法とは?
1、姿勢に気をつける
背中の痛みと背中の筋肉の関係は深いといわれています。背中の筋肉に無理な負担や筋肉が緊張した状態が長くつづいていると、痛みが出やすいといいます。さらに治療されずにいることで習慣化されてくるといわれます。これらの原因としていわれているのが、運動不足と姿勢とされています。
運動不足により筋力が低下すれば背中や首、腰などに痛みが出やすいそうです。また、姿勢のよくない状態が長くつづくと、皮ふや筋肉の血管が圧迫されて血行の不良が生じて、肩や背中の筋肉が凝りやすくなり、痛みの原因になると考えられています。
2、肩と背中の筋肉を鍛える
運動不足による筋力の低下が、背中や首、さらに腰の痛みなどに関係があるといこうとでした。からだを動かす機会の少ない人は、背筋の力も弱いのでちょっとした運動などでも痛みが出やすいといわれています。また姿勢の維持などにはただでさえ肩や背中、腰の筋肉がはたらいているといいます。
運動不足によって筋肉が弱くなれば、姿勢の不良などにもつながって痛みが出やすくなるといわれているのです。
3、定期的にストレッチをする
一般にストレッチには、筋肉をほどよく引きのばすことで、筋肉がやわらかくなり、血行を改善したりするので痛みを和らげる効果があるといわれています。背中の痛みの予防においても、軽めの運動やストレッチの習慣をつけることがよいといわれます。
ただ、原因がよくわからないのに長く苦しんでいる背中の痛みの場合、運動などがすすめられない背中の痛みなどもあるようです。痛みが広い範囲に広がったり、しびれなどをともなうような時には自分勝手な判断でストレッチや体操をすることはすすめられないこともあるので注意が必要です。
4、運動をする
軽い運動、定期的な運動の習慣はもちろん背中の痛みを予防する意味でも効果的な方法だといわれています。ただ、痛みがつよい場合、あるいは運動によって痛みがひどくなる場合、さらにしびれや尿漏れといった重い症状が重なる場合には、中止して受診することが大切といえます。
5、食生活を改善
背中の痛みと内臓の病気の関連があることはすでにまとめましたが、胃腸の病気は現代社会に特徴的な病気であるともいわれていて、疲労やストレスのほか、喫煙、大量の飲酒や刺激のつよすぎる食事も原因といわれています。
また、肝臓の病気にも食生活などが関係しているといわれています。食生活を見直し、改善することは大切な予防方法だといえそうです。
6、冷えの予防
冷えを代表する病気として冷え性が知られています。冷え性の代表的な症状として、手足の冷え、肩こり、腰痛、頭痛、胃腸障害などがあるといわれています。血管や血液の問題で、血液の流れが悪くなることによりおこることが原因であるようです。
ほかにも運動不足、体を冷やす、食事といった生活習慣によるものや、自律神経失調による冷えから生じるもの、また病気などに合併しておこるケースもあるといわれています。冷えによる血行の障害は背中の痛みの原因として考えられているようです。
冷え性などがあったりする場合は、その改善を、そして背中を直接クーラーなどで冷やしすぎないといった対応をするなど、冷え予防への取り組みは、背中の痛みの予防法としても効果があるといえそうです。
まとめ
背中の痛みに関するまとめでした。一言に「背中が痛い」といってもその原因や症状はさまざまです。一般に「背中が痛い」というと、背中の筋肉や骨の異常を考えてしまいがちだと思います。しかし、じつは背中の痛みにはたくさんの内臓の病気が隠れているということは、意外に思う方も少なくないのではないでしょうか。
内臓の病気が背中の痛みをおこすことがあると知っているだけでも、重大な病気を早期発見するカギになると思います。痛みは人によっても感じ方がちがうといわれているので、ちょっとの痛みなら我慢することもあるかもしれません。
ただ、内臓の病気にはひどくなるまで症状があらわれないものもあるそうなので、少しでも違和感を覚えたら、ひとまず病院にいくのは正しい対応だと思います。