"自己顕示欲"をコントロールするには?人間関係を壊さないコツを教えます♪
「自己顕示欲」とはなにか?
『自己顕示欲』とは、自分の存在を多くの人にアピールしたいという欲求のことをいいます。自分を良く見せたい、褒められたい、特別になりたい。そう強く願うことを「自己顕示欲」と呼びます。類義語には「自己主張」があるが、「自己顕示欲」の方が欲求が明らかで、好ましくない意味の使い方をされるようです。
自己主張または自己アピールは、周囲とコミュニケーションをとり、生きてく上で必要不可欠なものです。「試験でいい点を取りたい」「昇進したい」「社会に貢献したい」などの欲求も、元々は自己顕示欲からきているようです。
その欲求を適度に持つことは、社会生活を円滑にする助けになりますが、行き過ぎると周りからうとまれてしまうものです。自己顕示欲の強い人は、一般的に「目立ちたがり屋」と言われる。この欲求が強くなりすぎると、「周囲に迷惑行為をしてまで目立とうとする」など行き過ぎた行為を始めてしまう場合があります。
最近飲食店などで、あっと驚くような写真や動画をとるために迷惑行為をしたという報道を次々と目にしました。これは自己顕示欲いよる行き過ぎた行為の一つの例といえるでしょう。では近年このような自己顕示欲が強い人が目立つようになった理由を考えてみましょう。
近年自己顕示欲が強い人が目立つ理由
1:SNS、ネットの普及
以前から高級ブランド、高級車、豪邸などを所有し、それを見せびらかすことによって自己顕示欲を表す人はいました。
しかし、最近ではブログやtwitter、FacebookなどのSNSの普及によって個人が「社会に自己アピール」をする手段が大幅に増えています。
さらにニコニコ動画やYutubeなどの動画サイトはよりリアリティーを待って自己アピールをすることを可能にさせています。「動画を人に見せたい」「沢山のヒットを貰いたい」「こんな存在、考えがあるのだとアピールしたい」などという投稿者の自己顕示欲を発揮する場であるといえます。
それらを用いて自己顕示欲を満たす人が目立ってきています。また、そのようにして自己顕示欲を満たすことに快感を覚えて、その行為がエスカレートしていくことも要因として考えられます。
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2:甘やかされて育った
近年過保護な親が増えていると言われています。両親に甘やかされて育った人は、自分の主張が何でも受け入れられる「思い通りの環境」で生活してきた傾向にあります。このような人は、一歩社会に出て、自分の意見を否定する人や環境に直面したとき「自分が大切にされていない」と考えます。
その結果、自己顕示欲を満たしたいという渇望を感じ、ますます自己顕示欲が強くなるのです。自分の存在意義を認めろるようにというサインを懸命に発するのです。
また、甘やかす親は子供を不必要に褒め過ぎてしまいます。中には,子どもの自尊心を高めようとして,特に褒める理由もないのに褒めてばかりいる親もいます。それで子供は自分は特別扱いされていると思いこんでしまい、実際に社会に出てそうでないことを感じると、耐えられない空虚感を感じてしまうのです。
その結果、その子は当然受けるべきと考える評価を社会からも求めるようになるのです。
3:幼少期の心身の虐待
幼少期に親、兄弟、保護者から『無視・拒絶・暴力』など心身の虐待を受けた子どもは『自己顕示欲』が強くなることがあります。例えば子供の頃親から十分に愛情を受けていない人や関心や興味を持ってもらえなかった人は、自己顕示欲が強くなる傾向にあります。
これは両親から受けた自分に対する否定を周りの評価によって覆そうとする心理が関係しているようです。
さらに中には、子供の実績によって自分の自尊心を満たそうとする親もいます。成績やスポーツの実績などの付加価値がないと親の評価を受けれなかった人も自己顕示欲が強化される傾向にあります。
このような人は、自分に付加価値がなければ評価されないと思い込んでいるため、学歴、年収、持ち物、スキルなどを通して自己主張しようとする傾向があります。そのため、自己顕示欲を強く表すことがあります。
このように、近年自己顕示欲が強い人が目立つ理由を考えることができました。ではこれから「自己顕示欲」の強い人の特徴を調べてみましょう。
「自己顕示欲」の強い人の特徴
1:自分の話ばかり
自分の話ばかりをしたがる人はどこにでもいますね。
会話はいつも「私は~」で始まり、人の話題であっても、最終的に自分の話題にすり替えたりします。こちらが質問を投げかけると、延々と自分の話をし、質問を投げ返してくることは滅多にありません。
そのため、会話が続かなくなります。自己顕示欲の強い人に対して相手は褒めたり、傷つけないように気を遣ってあげなければならず、疲れてしまいます。そうすると、結局なんとなく人から敬遠されて、仲の良い友達のいない人になってしまいがちなのです。
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2:SNSで充実した自分を演出
注目と賞賛を求め続けていた人たちが得た最強の武器がSNSといっても過言ではないでしょう。
facebookなどを自己アピールの恰好のツールと考えています。
投稿されている記事を読んでみると、どれもこれもほぼ自慢ばかり・・・。SNSなどで、いいねやコメントの数が人気のバロメーターだと思っています。
それで注目を集めるために、キャラ弁を披露したり、毎日ブログの更新をしたりと努力をおしみません。見ている側からすると、そのマメさを見習いたいと思いながらも、自慢が過ぎるとげんなりしてしまうのです。
3:ネットでの顔出しや名前の公表
SNSやネットは、自己顕示欲の強い人にとっては、最高の自己アピールの場所です。さらに、最近ではニコニコ動画やYouTubeなどのネットサービスを利用し、自分の姿や生活などを出して動画投稿することが手軽になり、一般的になってきています。顔や自分の名前をさらけ出し、自分の存在を世間に提示したがるのが、自己顕示欲の強い人の特徴です。
そして、それに対する視聴者からの反応を、必要以上に気にします。中には、自分に対する注目度が低くなると、わざと過激なアピールをして、自分を宣伝しようとする人までいます。自己顕示欲の強い人は、「自分が注目を集めている」ということが、最大の生き甲斐なのです。
動画の再生回数や評価に過敏で、良い評価が付くと大変喜びしますが、批判的な評価にはムキになって怒ったり、過度に落ち込んだりする傾向があるようです。
注目されようとわざとネットを炎上させたり、必死になる人も大勢います。これには、「自分はこんなに凄いんだ」、「なんとしてでも多くの人に見てもらいたい!」というような、強い自己顕示欲が関係しているようです。
プライドが高い
また、自己顕示欲の強い人は自分に対して絶対的な自信を持っています。しかもその自信は根拠のない自信なのです。
しかし、その「根拠のない自信」があまりにも強いため、どこへいっても「自分が中心であって当然」「もっとちやほやされたい」と思っています。「何様なの?」という印象を与える、他人へのダメだし発言などが目立つ人もいます。
その思い込みの激しさゆえに、自分を否定する人に対しては攻撃的になることも珍しくありません。プライドは高くても健全な自尊心を持っていないので、プライドが傷付けられると過敏に反応しがちです。
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空気を読まない
自己顕示欲の強い人の多くは、場の空気を読もうとしないようです。
自己顕示欲の強い人は、空気が読めない、または、空気を読むことを意識的に避けている特徴があるようです。
また、他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしないのです。 これは自己の才能を愛し、他人の魅力に関心を抱かないだけでなく、自分の能力や努力を賞賛しない他人を排除しようとする心理があるからです。自分をアピールする場所において「場の空気は障害」になり得るからです。
自己顕示欲が強い人にとって他人が抱く様々な感情は邪魔なことだと捉えることがあるようです。
それで、あえてその「邪魔なこと」を無視して、自分の満足を得ることを考えるのです。
また、他者と対等な人間関係を結ぶことをのぞまないので、他人の意見に容易に共感しません。その結果「空気を読まない」人になりがちです。これはその人の生きてきた環境に影響されます。
周囲の空気を読まなくても、自分の好き勝手をすることが許されてきた人は、社会に出てからも空気を読む習慣がないでしょう。また、「自分は主役であること」が何よりも重要と思って育った人は、空気が読めても、意図的に無視するようです。
6:構ってほしい
『自己顕示欲』が強い人は人から構って欲しいと望む人が多いようです。これには、たくさんの人数でいる中でも「自分の存在を示したい」という心理が関係しています。
このようなタイプは、「より多くの人に構ってもらいたい」「自分をアピールしたい」と思っているので、すぐに群れたがり、その中でも自分に注目を集めたがるという特徴があります。
自己顕示欲の強い人は、実際は寂しがりやで自身がなかったりします。絶えず自分が注目され、関心をしめされたいと思っているため、周りの注意を引くような話題や外見を意識し、流行の先端を追い求めることによって、周りから気にかけてもらおうと努めます。
人から必要とされたり構ってもらったりすることで、満足感や自尊心を得ようとします。また周りから認められることで自分の居場所を作ろうとする人も多いようです。
7:アドバイスを聞かない
普通、人は誰かに注意をされると反省するものですが、『自己顕示欲』が強い人は他の人からのアドバイスを聞きたがらないようです。
自己顕示欲が強い人は、自分が正しいと思い込んでいるので、人のアドバイスよりも自分の考えが正しいと考えるのです。自分の能力や実績を賞賛しない人は受け付けません。
また、自分が特別であり、特別な人にしか理解されない、と信じているので簡単にアドバイスを聞きいれません。 その結果その人は注意しても直さず、それどころか注意をされたことに文句を言い始めたりして、周りはやりずらさを感じてしまうのです。
8:外見を気にし過ぎる
適度に自分の身だしなみを気遣う事はとても大切なことです。しかし、『自己顕示欲』の強い人の中には、自分の見た目を異常に気にする人がいます。人と話している時まで鏡で自分の顔をチェックしたり、人前に出る時に同じ服を着たがらず毎回新調したりするなど、恰好を気にし過ぎてしまうのです。
また、コスプレをしたり、過度な肌の露出をしたりして奇抜な格好をするのももっと多くの人に注目されたいという心理の現れであり、自己顕示欲の強い人といえます。
これは、子供の頃に優れた容姿を大人から過度に称賛されたことが要因になっている場合があります。その頃得ていたような容姿に対する称賛を、引き続き周囲から求めようとするのです。このような訳で、自己顕示欲の強い人の多くは、自分の見た目に執着するのです。
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9:他人を利用しようとする
『自己顕示欲』の強い人の多くは、自分の目的を果たすためなら、平気で他人を利用しようとします。例えば、自分のトークで笑いをとろうとして、他の人の失敗を人前でむやみに話したり、下ネタの対象にしたりします。
自分の評価を上げたり成功したいがために、ステイタスを持った人や人脈のある人を友達に持とうとしますが、自分に用が無くなればその人との縁を勝手に切ってしまいます。
自分のためなら他人が、どんな思いをしてもお構いなしということなのです。
10:コンプレックスが強い
『自己顕示欲』の強い人は積極的で外交的な印象がありますが、実は意外にコンプレックス(劣等感)を抱えているようです。人より秀でていたいと思い、自分を人と比べれば比べる程、自分の限界や弱さを知ることになります。ですが、それでももっと人に認めてもらおうとして、コンプレックスの克服のために努力する人も少なくないようです。
たとえば、太りやすいとか目が一重などというコンプレックスであれば必死で努力して克服しようとします。しかし、本人が気にしているいることを人に指摘されると、激怒したり、ひどく落ち込みます。彼らの自尊心はもろく壊れやすいのです。
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11:親切がわざとらしい
『自己顕示欲』が強い人の中には、何をするのにも周りへのアピール感がある人、親切がわざとらしい人がいます。これは、周りから褒められたり認められたりされたいからわざと人に親切にするという心理が関係しています。
例えば、多くの男性のいるところで、やたら手作りお菓子を配って料理上手をアピールしている女子がいるかもしれません。このような場合、異性には好まれても同性にはあまり好まれないかもしれません。
12:教えたがり
『自己顕示欲』の強い人は、人に教えたりアドバイスしたりすることを好みます。
人の助けになるためというよりも、「人に教えることによって優位になりたい」「自分の意見の正しさを人に認めさせたい」という気持ちの方が大きいようです。
そしてその人たちは、自分の意見の正しさに自信があるため、それを人から否定されたりすると過敏に反応することもあるようです。
つまり、自己顕示欲の強い人は、人助けよりも、自己アピールするために、人に対して何かを教えたがるのです。
13:他人より秀でようとする
『自己顕示欲』が強い人は、人からの高い評価を求めるため、他人より秀でようと努力する人が多いようです。人より秀でようとする分野は様々です。それは、仕事の成功であったり、お金持ちになることであったり、特技をマスターすることであったり、容姿を磨くことであったりするでしょう。
その強い欲求が向上心となって現れて、ある分野でかなりの努力を傾けます。その努力に相まって、多くの場合、実績が伴ってきます。それ故にその人はますます虚栄心が強くなり、自己主張が強くなります。そのような人は、優秀で羨望されているかもしれませんが、どこか人を寄せ付けないところがあり、内心で孤独感や空虚感と闘っていたりするものです。
14:他人を批判、見下そうとする
『自己顕示欲』の強い人は、自分が優位になりたいがために、他人のあら探し、見下そうとする傾向があります。自分が人より上であるために、人を低めるのです。
自分と他人を比較したとき、自分より優れている人がいると強く嫉妬します。その嫉妬の気持ちから相手を批判するのです。また、他人が自分に嫉妬していると思い込んで、人を見下すこともあります。
さらに、そうした人は自分より劣っている人を探そうとます。そんな人にあうと、見下したり、高慢な態度をとります。ネットを使用していると時々『荒らし』を好む人に会うことがあります。特に根拠もなく、批判したり見下したりしてきますが、その根底の心理にはこのような自己顕示欲が根ざしていることがあります。
そのような心理の裏を返せば「劣等感の表れ」です。実際は他人を下げても自分が上になるわけではありません。そのような人を誰も認めてくれませんので、彼らの劣等感が晴らされることは決して無いのです。
15:仲間外れを恐れている
『自己顕示欲』の強い人は「他人から注目されることで、自分に目を向けてほしい」という欲求を抱いています。つまり、人に「構ってほしい」という気持ちがあるため、必死に自己アピールするのです。いわば「寂しがり屋」なのです。そのため、仲間外れにされることを極度恐れているのです。
仲間外れにされるなら自分が構ってもらえなくなります。さらには、自分を評価されるどころか否定されることになるのでひどく傷付きます。ゆえにそれを嫌悪しているのです。
そのため、必死に周囲から受け入れられようと努力し自分の居場所を確保しようと努めるのです。
自己顕示欲が強すぎると起こり得る結果
1:一人ぼっちになる
先ほど考えたように、『自己顕示欲』が強い人は、仲間外れを恐れますが、実際は一人ぼっちになってしまいやすいようです。それはなぜなのでしょうか?
たとえばいつでもどこでも「自分を見て!」というメッセージを出している人は、他の人を疲れさしてしまうでしょう。そのような自己主張は多くの場合自己中心的な印象を与え、人から敬遠されがちです。
そうしたタイプの人は、人によい印象を与え、称賛を得ることを求め続けますが、誠実な友情関係を作ることには関心を持たないようです。自分にとって益がある人や、利用できる人を友達に持とうとします。それで、多くの場合、本当の友人がいないのです。
2:挫折感・燃え尽き感
『自己顕示欲』の強い人はしばしば、自分の願望が満たされず、またその努力が報われないため、燃え尽き感を感じやすいようです。それまで、皆から認められようと人生で頑張ってきても、その欲求が満たされないことがわかってくると、むなしさを感じるのです。
自分が多くの人に認められていないのは、まだ努力が足りないからだと考えます。このようなタイプは完全主義に陥り、非現実的な目標を定めがちです。たとえば、資格をとっていい仕事について更にもっとお金を儲ければ、もっと認められると考えます。または、女性の場合、もっと美貌を磨いて、皆の憧れるような結婚をしたいと考えるかもしれません。
しかし、現実はそんなに簡単ではありませんし、そこから本当に満足感が得られるとも限りません。「頑張ってもどうせ認めてもらえない」「努力しても無駄だ」と考えて、気力が薄れてきてしまうのです。
ですからその結果多くの場合、挫折感や燃え尽き感を感じてしまうようです。
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3:恋愛が上手くいかない
『自己顕示欲』が強い人は、自分の外見や能力に自信がある人が多いですが、恋愛が上手くいかないことを悩んでいる人は少なくないようです。そんな人にとって好きな人の自分に対する評価は何よりも重要なはずです。ですから好きな人から愛されることや高く評価されること、構ってもらうことを強く望んでいます。
ですが、今は本当の意味で愛されることを望んでいる人が増えています。相手に要求ばかりしている人は、相手に愛を示すことができておらず、重く感じられてしまいます。また彼らは理想的な愛や成功の空想にとらわれがちですが、実際は完璧な人などどこにもいません。実際には誰でも弱さがありますが、彼らはそれを許すことを難しく感じるようです。
また、どんな恋愛でも傷付け合うことは避けれませんが、彼らは壊れやすい自尊心を抱えているため、容易に深く傷付いてしまいます。一度拒否されたと感じてしまうと、それ以上相手と向き合うことが出来なくなってしまうのです。さらに自分から関係を修復する行動をとることが難しくなってきます。
そもそも人は素の状態が出せ合えている時に本当に楽しいと感じたり、安心感を抱けるものです。しかし、自己顕示欲が強い人は、しばしば自分をよくみせようとしますので、素の状態を出すのを難しく感じます。それで、本当に好きになってもらうのが難しい場合があります。
このように強すぎる自己顕示欲は恋愛を難しくさせてしまうのです。
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4:盗難・犯罪の被害
『自己顕示欲』が強い人はしばしば裕福な生活や持ち物を見せびらかす傾向があります。所有物を見せびらかす人は、それを失う危険を冒すことになりかねません。
それを見て感銘を受けた人たちが、さらにそれを欲するようになることもあり得ます。高価な装飾品やブランドを身に着けたり、多額の現金を所有している様子を示すなら、望まない注意も引くことになるのです。
時々芸能人が盗難に遭ったニュースを耳にしますが、このような要因が関係していることもあるでしょう。
さらに、SMSで自分の私生活を公開しているなら、危険が伴います。例えば、ストーカーのような人から注目されることもあります。その人が今何処で何をしているかが簡単に分かってしまうので、犯罪者にとって狙いやすくなることがあります。
このように自己顕示が過ぎると犯罪に巻き込まれる危険性が高まることがあることも覚えておきたいですね。
5:自己愛性パーソナリティ障害
自己愛性パーソナリティ障害というのは『自己顕示欲』や自己愛が、あまりに過度になって、対人関係や日常生活に支障が出てしまう障害と言われています。
ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込んでしまうのです。
この障害のは以下のガイドラインを基準に診断されます。
成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される。
1.自分が重要であるという誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)
2.限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
3.自分が “特別” であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人達(または団体)だけが理解しうる、または関係があるべきだ、と信じている。
4.過剰な賛美を求める。
5.特権意識(つまり、特別有利な取り計らい、または自分が期待すれば相手が自動的に従うことを理由もなく期待する)
6.対人関係で相手を不当に利用する(すなわち、自分自身の目的を達成するために他人を利用する)。
7.共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
8.しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
9.尊大で傲慢な行動、または態度— アメリカ精神医学会、DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル[9]
出典: ja.wikipedia.org
自己愛性パーソナリティ障害は自己愛や自己顕示欲が過度であり、精神が不安定になりがちなため、他の精神疾患も併用しやすくなります。
6:その他の精神疾患
自己顕示欲が強すぎると、様々な精神疾患や心の症状を伴ってしまう場合があります。自分を特別と思い、自分を主役にした誇大妄想にふけったりしますが、世間がそんな自分を受け入れないとわかると、『ひきこもり』になったり、妄想の世界で主役になろうとしたりもします。
そして他人から否定されたり、特別視してくれなかったというだけで、すぐに傷付き、激怒したり、時には自殺を謀ることさえあるようです。中には、思い通りにならないことに落ち込み、うつ病やパニック障害になったりする人もいるようです。
このように自己顕示欲が強くなりすぎることには危険が伴います。では、どうすればこの欲求を上手にコントロールできるのでしょうか。その方法を考えていきましょう。
自己顕示欲をコントロールするには
1:冷静に自己分析する
若い時は特に自意識が強く、自己顕示欲も強くなりがちです。しかし、社会に出ると、いやでも上下関係を学ばなければならなくなります。自己顕示欲の強い人は社会に適用するために、少し苦労しながら自分を合わせることを学ばなければならないかもしれません。
多くの人はそこで、様々な能力がある人を目にしたり、挫折を経験したりして、自分が特別な人間ではないことに気付いていきます。そうです、特別な人がいるわけではなく、みんな一人ひとり価値があるのです。自分を特別に主張する必要は無いのです。そのように、冷静に自己分析すると、自分に対してバランスの取れた見方をしやすくなるでしょう。
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2:他の人の長所に目を留める
自己顕示欲の強い人はいつも自分の事ばかり考えているようです。自分の価値を他の人の評価によって決めるなら、波によるかのように流されることになり、本人もしんどいでしょう。自分の事ばかり気にするよりも、他の人の事を考える方が気持ちが楽になるようです。
また、人はお互いに認め合って生きていくことを求めます。ですから、先に自分が他の人を認めるなら、相手もきっとあなたの事を評価してくれるでしょう。そのために、他の人の好いところを意識的に探すようにしましょう。
3:持ち物を見せびらかさない
芸能人などで、セレブな生活をテーマにブログを書いたりする人がいますね。確かに、セレブで優雅な生活を覗いてみたいという気持ちにかられて多くの人に支持されるかもしれません。
しかし、あなたの持ち物に惹かれている人と友達になりたいでしょうか?それともあなた自身に惹かれている人と友達になりたいでしょうか?もし友達が前者なら、持ち物が耐えてしまっても友達でいてくれるでしょうか?
逆にあなた自身を見てくれる友達を持つなら、その友情は持ち物の有無に左右されずに深まっていくはずです。
4:周りと比べない
周りと自分を比べて焦っていませんか?
競争社会の中で無意識に周りと自分を比較して自分の評価を決めてしまいがちです。しかし、様々な人がいるので、様々な能力を持った人がいるのは当然のことです。
一つ一つの事を周りと比較して一喜一憂するならきりがありませんね。あなたにはあなたの良いところがあります。なので周りと比較したり、特別目立とうとしたりする必要があるでしょうか?
むしろ、少し前の自分と今の自分を比べましょう。例えば、英語の勉強なら周りと比べたら、上手い人と競ったらきりがありませんが、半年前の自分と比べるなら適度な自尊心が持てるのではないでしょうか?
5:人の気持ちに配慮する
『自己顕示欲』をコントロールする時に大切なのは、周りの人の気持ちに配慮することです。発言する前に少し考える習慣は役にたちます。
たとえば、twitterでつぶやく前に、「この発言は読んだ人にどんな印象を与えるか」「話し方が上からになっていないか」「自慢に聞こえないか」などと考えます。このように、他の人の気持ちを考えながら自分の意見を発信していくなら、多くの人に好印象を与え共感を呼ぶことでしょう。
まとめ
日常生活の中で無意識に自己主張の気持ちが強くなっていることに気付くことがありますね。芸能人や政治家などで自己顕示欲が強く、それがモチベーションになって、メディアに頻繁に現れているタイプの人も多く目にしますね。
その影響を受けてしまうこともあります。ですが、自己顕示欲を満たすために奮闘し続けるのは、本当に骨の折れる生き方なのではないでしょうか?
なぜなら自己顕示欲が強い人は、何よりも人から認められることを求めますが、誰からも認められる人になることはまず不可能だからです。他人のニーズに振り回されて、流され続けることになります。
確かに、人は認め合って生きることを必要としますが、たとえ少人数であっても、本当に信頼できる仲間や家族がいれば、その必要を満たすことができるはずです。
また、自己顕示欲が強い人はしばしば相応しい自尊心が欠如しています。自尊心が弱いため、他の人の評価によってそれを強めようとするなら、それはむなしい努力に終わってしまいます。多くの人の価値観に自分を任せるようなのもで、振り回されてしまうだけでしょう。
それで、相応しい自尊心を持つには、ありのままの自分を受け入れることが必要です。先ほども考えたように、自分自身について冷静に分析することが役立ちます。自分の長所と短所を知って、長所を伸ばし短所を改善する努力をしましょう。
そうするなら、人柄を評価され、あなたのことをよく知った上で大切にしてくれる人が現れてくるはずです。そのようにして、心のバランスをとれるようになるなら、きっと生きるのがずっと楽になることでしょう。
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