お尻の筋肉が痛いのは腰痛の原因かも!毎日できる簡単ストレッチをご紹介

お尻の筋肉がこり固まって痛みが生じる!?
腰やお尻、太ももの裏側、ふくらはぎまで痛みやしびれを感じることがあります。
この症状が「坐骨神経痛」と言われるものです。
坐骨神経は、お尻から足先にかけてはしる人の神経の中で一番太くて長い神経で、この神経が
背骨~骨盤~お尻の筋肉のどこかで、圧迫されたりして出る症状と考えられています。
腰椎椎間板ヘルニアなどの疾患が原因の場合は、病院で適切な治療が必要ですが、明らかな疾患以外は、
日常生活や加齢、運動不足などが原因でお尻の筋肉がこり固まったり、関節のバランスが崩れたりして
生じている場合がほとんどです。
このような原因で生じる痛みの場合は、日常生活の見直し、ストレッチやトレーニングで改善できる
可能性があります。
まず、「坐骨神経痛」の症状が現れる疾患、原因についてご紹介します。
「坐骨神経痛」の原因
坐骨神経痛の原因は以下のようなものがると考えられています。
1.腰椎椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)
2.腰椎すべり症(ようついすべりしょう)
3.変形性腰椎症(へんけいせいようついしょう)
4.脊柱管狭窄症(せきちゅうかん きょうさくしょう)
5.梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)
6.仙腸関節障害(せんちょうかんせつしょうがい)
7.筋肉の緊張
それぞれの原因の症状や原因
1.腰椎椎間板ヘルニア
症状:腰やお尻に痛みがあり、脚までしびれや痛みが広がり、足に力が入りにくくなります。
原因:背骨をつなぎ、クッションの役目をしている椎間板の一部が出てきて神経を圧迫し症状が出ます。
加齢、長時間姿勢の悪い状態での作業、喫煙も原因とされています。
治療:コルセット、薬物療法、神経周辺の痛みや炎症を抑える神経ブロック注射で痛みをやわらげます。
痛みが改善されない場合は、手術になることもあります。
2.腰椎すべり症
症状:腰を反った時に痛みが強く出ます。腰が痛い場合とお尻、太ももが痛い場合があります。
原因:先天性のもの以外は加齢、若者の場合は、ジャンプなどの運動、怪我が原因です。
きれいに並んでいるはずの背骨の関節が壊れたり、椎間板の異常などで骨がずれてしまう状態です。
治療:コルセット、薬物療法、神経周辺の痛みや炎症を抑える神経ブロック注射で痛みをやわらげます。
痛みが改善されない場合は、手術になることもあります。
3.変形性腰椎症
症状:無症状のことが多いですが、変形が進むと、腰のこわばりや鈍痛が生じるようになります。
原因:加齢により、椎間板や関節、靭帯が劣化することによって腰痛が起こります。
治療:痛みがある場合は、コルセット、薬物療法、腰痛体操などを行います。
4.脊柱管狭窄症
症状:背骨の神経が通るトンネルである脊柱管が狭くなり、内部の神経が圧迫されて、
脚に痛みやしびれが出る状態です。
歩くと太ももやふくらはぎにしびれ、痛みが出て長い距離をあるくことができなくなります。
原因:加齢、重いものを持つ仕事の影響などで背骨が変形したり、椎間板が膨らんだりして
脊柱管を狭くなり、神経が圧迫を受けて発症します。
治療:日常生活で正しい姿勢を保つ事が重要です。コルセット、薬物療法で痛みをやわらげます。
歩行が困難な場合は、手術を行うこともあります。
5.梨状筋症候群
症状:梨状筋は骨盤の後ろ側の仙骨と大腿骨をつなぐ、深い部分にある筋肉(インナーマッスル)です。
お尻の上の方、外側のくぼみ周辺に鈍痛、しびれが出ます。
原因:仕事や運動でストレスが加わり発症することが多いようです。
こり固まった状態をそのままにしておくと慢性化してしまいます。
6.仙腸関節障害
症状:仙腸関節は骨盤の骨の関節であり、背骨のバランスをとっています。
片側のお尻の痛み、脚の痛み、しびれがみられます。
原因:運動不足や姿勢が悪い状態を続けることで痛みが発生します。
7.筋肉の緊張
症状:お尻や太ももの筋肉のがこって痛みやしびれが発生します。
原因:立ちっぱなし、座りっぱなしの状態、脚を組むくせなどの生活習慣で腰の筋肉が緊張、疲労し
硬くなり痛みやこりが引き起こされます。 妊娠による体重増加、ホルモンバランスの乱れが
原因の場合、近年、精神的ストレスも関係があるといわれています。
※いずれも自己判断はせず、必ず病院を受診して、医師の診断をあおぎましょう。
お尻の筋肉の簡単なストレッチ方法
ストレッチの前に ~どちら側のお尻がこっている?~
チェック方法はとても簡単です。
1.仰向けになって、脚の力を抜きます
2.ハの字になっている足先を見ます
3.左右比べて足先がより外側に向いているのはどちらかチェックします
より足先が外側に向いている側の方が梨状筋などのお尻の筋肉が硬くなっている可能性があるので、
重点的にストレッチをしましょう。
梨状筋のストレッチ ~テニスボール編~
テニスボール1個で簡単に梨状筋が伸ばされ、血行がよくなり痛みが和らぎます。
1.仰向けに寝た状態でひざを立てます。
2.お尻のえくぼができる部分(仙骨の横)にボールが当たるようにします。
3.ボールを少し動かして痛みのツボのような箇所を探ってください。
4.ツボが見つかったら、腰を左右に動かしてマッサージしてください。
椅子に座って行うこともできます。1回30秒程度でOKですので、空いた時間に試してみてください。
梨状筋のストレッチ ~もう少し本格的編~
3種類のストレッチで梨状筋を伸ばします。それぞれ左右20~40秒を目安に行いましょう。
1.仰向けになり、右膝を右手で持ち、左手は右足首を待ちます。
膝を右肩の方へ引き上げます。お尻が床から浮かないように気を付けてください。
2.右足を組むようにして左足にかけ、左膝の裏で手を組みます。背中が浮かないように
背中が浮かないように気を付けてください。
3.左膝を外側90度に曲げて倒し、右足を後ろに下げて座ります。
両ひじを体の前で床につき上半身を前へ倒します。左のお尻が伸びるのを感じてください。
仙腸関節のストレッチ ~テニスボール編~
2つのテニスボールをガムテープ等でひとつに固定します。
尾骨の上が仙腸関節になります。そこにひとつに固定したテニスボールを当てて、
1〜3分仰向けに寝るだけです。1日2回行いましょう。
ハムストリングをほぐすストレッチ
・ハムストリングのストレッチ
ハムストリングスは股関節と膝関節を結ぶ太もも裏の筋肉群で、正しい姿勢をとるためにも
重要な部分です。
1.床に座って脚を伸ばします。伸ばした足のつま先に同じ側の手をかけます。
2.その腕の下から反対側の手を交差させて、足の外側をつかみます。
3.腰を立て、お腹から床につける意識で前屈し、自然に呼吸して30秒、左右行います。
同じくハムストリングスのストレッチを立ったまま行う「くの字ストレッチ」です。
1.少しお尻を突出し、足の付け根から伸ばすように意識して左足を前にだし、つま先をあげます。
2.背筋はのばしたまま、両手は両手は左太ももの上において、お尻を少し後ろに突き出し
上体を前に倒します。脚の付け根の隙間に物をはさむような意識でもも裏全体をのばして
10秒キープしてください。左右行います。
My ASICS エクササイズ:太もも裏側 (ハムストリング)の ストレッチ(立位)
内転筋のストレッチ
・内転筋のストレッチ
内転筋は太ももの内側の筋肉で、脚を閉じる、骨盤を正しい位置に保つ役割です。
硬くなりやすい筋肉ですので、はじめは無理をせず行ってみてください。
力士のしこを踏むように、両足を大きく開いてひざを曲げ、手をひざに置きます。肩を片方ずつ内側に
入れて上体をひねります。左右20~40秒行いましょう。
ストレッチング 内転筋(0:40から)
まとめ
腰痛をお持ちの方は非常に多いですが、いざ受診してみると明らかな異常がみられなかったという経験を持ちの方もいらっしゃると思います。治療が必要でない腰痛の場合は、加齢、運動、日常生活での姿勢、体の使い方の癖などが原因で発症し、その状態を放置していると、こり固まり、慢性化してしまいます。お尻の筋肉は腰や脚へつながる筋肉群があり、それらをほぐすことで痛みが改善する可能性があります。
隙間時間で行える簡単なストレッチですので、毎日お風呂上りなどに行ってみてください!