単純接触効果って何?恋愛や仕事に活かせる心理法則!今日から使える10のテクニックを徹底解説します!
そもそも「単純接触効果」とは?
1960年代にロバート・ザイアンスというアメリカの社会心理学者(出身はポーランド)が「単純接触効果」を提示し、論文として発表しました。これは、「ある刺激、例えば音や光、写真に何度も何度もさらされることで、好意を抱きやすくなる」というものです。ザイアンスの法則と呼ばれることもあります。
単純接触効果の例~CMからイギリス王室まで~
テレビのCMや広告
2015年下半期から2016年の上半期にかけて、よく耳に残るCMと言えば何でしょうか?個人的に、私は「グラブってる?」ではないかと思います。このCMはよく「単純接触効果」を理解しています。
なぜならば、CM出演者が、セリフで「グラブってる?」と言うのはもちろん、黒背景に白文字で「グラブってる?」の文字を映し出す時間があります。聴覚に訴えかけた後、視覚にも訴えかけてくる、という2段階の「単純接触効果」を利用しているのです。
では、次の例はどうでしょうか?あなたの周りに、やたら臭いものが好きな人はいませんか?以前、テレビで見させていただきましたが、元AKB48の大島優子さんが、臭いものの熱狂的なファンのようです。
無理やりすぎない?という方もいらっしゃるかと思いますが、これにもやはり「単純接触効果」が関与している可能性が高いです。臭いものをたくさん嗅いでいるうちに、気が付けばその臭いが好きになっている状態です。
毎日会う相手と恋愛に発展しやすい?
2011年4月29日に世界的な出来事があったことを、みなさんは覚えていますでしょうか?2011年と言いますと、なでしこジャパン、こと、サッカー女子日本代表がワールドカップで初優勝を果たした年です。これも世界的な出来事でしたが、今回の話題にしたいのはこちらです。
「ウィリアム王子とキャサリン・ミドルトンの婚礼」です。
思い出しましたか?お二人の出会いは、大学でのことだそうです。ファッションショーに参加した、キャサリン妃にウィリアム王子が一目惚れしたそうです。しかし、この一目惚れは偶然じゃなかったのです。ここに「単純接触効果」が大きな役割を果たしていました。
キャサリン妃は実は9歳の時にウィリアム王子に1回会っています。その時から、ウィリアム王子のことがずっと好きで、大学もウィリアム王子と同じところを、あえて選びました。大学での彼女の過ごし方こそ、「単純接触効果」なのです。
彼女は、講義を受ける際、必ずウィリアム王子の対角線に座ることにしていました。これはなぜだか分かりますか?普通なら隣の席を選ぶ人が多いのではないでしょうか?では、隣に座ってみましょう。実際に講義を受けると分かりますが、隣の席など目に入らないのです。
先程の話に戻りますが、キャサリン妃はウィリアム王子の対角線に座ることで、何度も何度もウィリアム王子の視界に入ることで、好意を抱かれやすい状況を作り出し、見事結婚まで漕ぎ着けた、ということになります。
また、遠距離恋愛中の浮気に関しても、「単純接触効果」が関与しています。遠距離恋愛となりますと、自分の彼氏、あるいは彼女になかなか会えないですよね?しかし、会社や職場には毎日行かなければなりません。会いたいからといって休むなんてできません。すると、どうでしょう?嫌でも毎日顔を合わせなければならない人が出てきますよね?
職場の同僚、上司などです。単純接触効果は人に会った回数に比例して大きくなりますから、毎日会えば会うほど、好意が生じやすくなります。その結果、浮気をしやすくなってしまうという原理です。
同じクラスの子を好きになるというのも、この効果が働いていると言えそうですね。
恋愛で活かす方法!
せっかく「単純接触効果」という武器を手に入れても、使えないんじゃ、宝の持ち腐れになってしまいます。せっかくなら、恋愛にどう活かすか考えてみましょう。
チラッとでも相手の視界に入る
先程、「単純接触効果」は会った回数に比例するということを説明させていただきました。大事なことは、会っている時間には比例しないということです。ですから、チラッとでも相手の視界にお邪魔させてもらうことで、効果を発揮します。
しかし、1回だけではもちろん得られるものは少ないでしょう。ですから、地道に何度も何度も、相手の邪魔にならない程度に、視界に入るようにしましょう。
短い挨拶をする
続いて、何回も相手の視界に入ることを繰り返していると、徐々に相手も好意を抱いてくるようになるでしょう。しかし、ただ、視界に入るだけで、何もしないというのは、あまりに不自然すぎます。
そこで、短くて構わないので、挨拶をするようにしましょう。挨拶から、話が広がる場合もありますよね?また、声を出すことによって、相手の聴覚への刺激も生み出せるため、「単純接触効果」が増強する可能性が高いです。
1日中追いかけるよりも、日に数回会う方が効果的?
1日中、「あの人のそばで視界に入ろう。」というのは得策とは言えません。なぜならば、「単純接触効果」は、接触する時間にはあまり関係がないからです。また、長く接すれば接するほど、嫌われるチャンスが増えてしまいます。これでは、逆効果ですよね?ですから、1日のうちで短い時間で構わないので、数回会う方がおススメであると言えます。
会話の中に自分の名前を出してもらう
今までは、自分の力でなんとか「単純接触効果」を引き起こせる方法を紹介してきましたが、もっと効果をアップさせるためには、友達に頼むなどして協力してもらうことが必要です。会話の中に自分の名前を出してもらうことによって、自分がその場にいなくても、「単純接触効果」を引き起こすことができます。
これは、非常に便利なテクニックでありまして、自分から積極的に動くものではない(陰では友達に積極的に働きかけることが必要ですが…)ので、相手に悪い印象を与えない、という点で優れています。
メールやLINEで短い文章を何度もやり取りする
メールをプライベートで使っている人は、スマートフォンの普及により減少しています。主流になってきたのは、LINEなどのアプリケーションでしょうか。これも長い文章で送るのはあまり意味がありません。短い文章で、回数を重ねるというのが重要です。
「単純接触効果」にとって、回数というのは、人間でいう心臓のようなものです。ただ、特にLINEですが、あまり細かく文章を区切りすぎると、相手側に「新着メッセージ12」などと表示され、めんどくさがられる恐れがありますので、普通より、心持ち短い程度にしておくのが好ましいでしょう。
デートは時間の長さよりも頻度を高くする
デートにおいてもやはり、頻度、すなわち回数が重要になってきます。どんなに親友でも長くいれば長くいた分だけ、嫌なところが見えてきますよね?
長時間、デートをするということは、相手の欠点を見つける時間を増やしている、といっても過言ではありません。回数を重ねることで、お互いの気持ちが長続きする可能性が高くなるでしょう。ですから、長時間一緒にいなければならない旅行には、少し注意が必要です。
番外編:合コン偏
突然ですが、あなたは今、自分の所属する集団、あるいはグループから浮いていませんか?「実は私、ちょっとみんなとズレていて…」という、そんな方々は、必ず読むようにしてください。
想像してください。今日は、合コンの日です。場所は良いとして、4対4にしましょうか。あなたはいま、浮いています。なぜなら、他の3人はどちらかと言いますと、きれい系、なのに、あなただけは、お姉ギャル系です。さて、予定通り浮いてしまいました…と。これでは手遅れです。
問題なのは、手遅れで済めばよい、ということです。「単純接触効果」の観点から考えますと、手遅れだけでなく、他の人をよく見せてしまう、とっておきのカモになるというのが大問題です。
合コンは「単純接触効果」の宝庫と言ってもいいかもしれません。聴覚、嗅覚、味覚、視覚、ほとんどを使いますよね?もちろん、服装もその中に含まれるのです。
ある集団内で浮いている人が30%未満(もちろん存在しない場合でも可)存在すると、「単純接触効果」は増加する、と言われています。浮いている人がいることによって、その集団の核となる性質を際立たせてしまうんですね。これには注意が必要です。
合コンをする場合は、自分と同じ系統の服装の人とするのが無難ですね。
「単純接触効果」を仕事に活かす方法
メールや電話で連絡を取る
人生には良い時があれば、当然悪い時もあります。営業職は時代にも左右されますが、「単純接触効果」を使うことで営業の成功率を挙げられるかもしれません。訪問回数を増やすということですが、よほど遠くない限り、十分行動を起こすことは可能だと思います。
実際に何度もあきらめずに営業先に顔を出し、契約にたどり着いた、取引を成功させた、という話を耳にします。しかし、出来るだけ短い時間にしましょう。あまり興味のないことを長々話されるほど苦痛なものはありません。ですから、短時間で済ませるようにすると、相手も興味を持ってくれるかもしれませんよ。
訪問回数を増やす
これも有効な方法です。恋愛とは異なり、こちらは短い文章にする必要はないと考えられますが、やはり出来るだけ簡潔なものが望ましいでしょう。経験があるかもしれませんが、グッと来ないメールは読まずに捨てられてしまいます。これは、絶対に避けなければなりません。簡潔な内容で、かつ分かりやすい電話、メールによって、今後の企業の明暗が分かれるかもしれません。
一番伝えたい主張を繰り返す
毎年、1月中頃にはセンター試験がありますよね?国語という科目は非常に難しいのですが、論説文の問題が出題されます。そこでかならずある設問が「筆者の主張はなにか?」や「この文章で筆者が言いたかったことを選べ。」というものです。では、受験生はどのようにして答えを導くのでしょうか。
これは、予備校時代の話ですが、先生に「繰り返されているところに注目しなさい。」と言われた記憶があります。ものを書くという仕事、すなわち執筆業の方は、一番伝えたいことを繰り返し、読者に「単純接触効果」を引き起こせるでしょう。その際、くどくならないようにするのが腕の見せ所です。
気を付けたい!「単純接触効果」の注意点とは?
今まで、さんざん「単純接触効果」と言ってきましたが、あくまで好かれてもいない状態、いわばまっさらな状態で行うことで、力を発揮するものです。相手がこちらに興味を持っていない状態で行えば、問題ないのですが、次に紹介する場合は気を付けた方がよいかもしれません。
相手がこちらのことを嫌っている場合
相手に嫌われているにもかかわらず、その相手に「単純接触効果」をかますことは、当たり前ですが、全くの逆効果です。考えてみてください。毎日、嫌いな方に挨拶をされる(まぁ、このぐらいで大の大人は嫌がりませんが…)ならまだしも、電話がかかってくる、ときたら不快なことこの上ありません。
営業や会社の取引となるともっと話は複雑になります。なぜかと言うと、取引は基本的に会社と会社で行うものだからです。個人と個人ではありません。必ず、会社というものが存在します。ですから、いくらあなたが営業を成功させるために奮闘しても、会社間の関係があまり良いものでなければ、これまた逆効果となってしまいます。
第一印象が悪いと逆効果になる
「単純接触効果」は基本的に嫌われてしまったら、終わり、と考えた方がいいと思います。第一印象が大事、とはよく言われますが、ここで悪いイメージを相手に持たれてしまったら、なかなか評価を回復するのには、時間がかかります。ですから、「初」とつくもの(初対面、初デート、など)には注意した方がよいでしょう。
しつこすぎると嫌われる
いくら視界に入れ、挨拶をしろ、と言われたからといって、相手に不快感を与えてはいけません。一歩間違えればストーカー扱いされるかもしれません。ですから、相手が自分に対して好意を持っていないと感じたら、スッと手を引きましょう。引き際も重要です。これ以上嫌われないようにしましょう。
最後に…
このまとめでは「単純接触効果」について説明してまいりました。
「単純接触効果」は、私たちの身の回りに溢れていますし、すぐに実行できる簡単なテクニックと言ってしまえば、テクニックです。
しかし、その使いやすさゆえに、誰にでも通じるかと言われたらそうではありません。使ってもいい相手と使うのが望ましくない相手とを、しっかり見極めて、少しでも多くの幸せをつかんでいって欲しい、と思っております。
くれぐれも、自分のことを嫌っている人には使用しないようにしてくださいね!