ニコチン依存症ってなに?本当にカラダに悪いの?母乳にも出る!?5つの害とニコレットガムの使用方法などを紹介

どうしても止められないたばこ…その正体はニコチンだった!
分煙化も進み、カフェなどでも全席禁煙だったりと、喫煙者の肩身が狭くなってきているかと思います。いざ禁煙しようと思っても、なかなか止めることができないたばこ、なぜ吸いたくなってしまうのでしょうか。今回はたばこに含まれている、ニコチンという成分について、どういった作用があるのかに焦点をあわせていきたいと思います。
ニコチンって何?
ニコチンとは一体どんなものなのでしょうか。たばこと聞くと必ずセットでついてくるニコチン、いろいろな働きがあります。ここではニコチンの疑問について解決していきたいと思います。
ニコチンはアルカロイドの一種である有害物質
ニコチンは、アルカロイドの一種で有毒性のあるものです。ニコチアナに代表される、タバコの葉に含まれる天然の物質で、神経毒性を持っています。それはとても即効性がある毒性で、青酸カリの倍以上にもなります。依存性も非常に高く、ヘロインやコカインと同等とも言われています。
ニコチンの毒性は、大人で約0.5mg~1.0mgの致死量と言われています。これをたばこに換算すると、大人で約2,3本の量を直接摂取した場合になります。乳幼児ですと、致死量はたばこ0.5本~1本程度になるため、たばこの管理には細心の注意が必要になります。
たばこの起源は、タバコの葉を筒状に巻いた葉巻と言われており、現在一般的な紙で巻いたものとは別のものになります。葉巻は、肺まで吸い込むことはしない、口だけで楽しむ嗜好品で、肺がんのリスクは紙たばこよりも低いとされていますが、ニコチンの摂取に関しては、直に口の粘膜から吸い込むことになるので、むしろ多いと言われています。
たばこの歴史
たばこの歴史は、古代の中米からと言われていて、当時は部族間での儀式などに用いたとされています。これを筒状に巻いたものが葉巻、たばこの葉を棒状に巻いたものがヨーロッパに持ち込まれ、徐々に味の違いや香りを変化させていったものです。
たばこの葉には、タールと言われるものも含まれており、たばこを吸った時の茶褐色に色づくものがそれです。葉を燃やすことによりできる油がタールになります。タールは、タバコ葉だけにできるものではなく、蚊取り線香やナス科の植物などでも燃やした際にできます。
日本にたばこが持ち込まれたのは、南蛮貿易のころと言われており、ヨーロッパからの貿易と伝えられています。ただ、諸説言われており、天文年にポルトガルから伝えられた、慶長年にポルトガルやスペインなど、南蛮から来たと言われる2つが有力とされています。
1965年には、電子たばこの特許をアメリカのハーバード・A,ギルバートという人物が取得し、電気の力で加熱することにより、ニコチンがなくてもたばこの風味を楽しめる、代替え品として発表され、現在では日本でも販売されています。
タバコ葉を燃やすことがないためタールが発生しません。電子たばことニコチン入りリキッドも、様々な種類が販売されています。
ニコチンの依存症について
ニコチンには、依存性があるとお伝えしましたが、どれぐらいのものなのでしょうか。一般的な比較と、ニコチン依存症になるまでの流れについて説明します。
依存の比較
ニコチンの依存性は、非常に高いものですが、意外と知られていないものです。どれぐらいなのか比較としては、ニコチン>ヘロイン>コカイン>アルコール>カフェインの順に、依存性が高いとされています。
日本では、禁止されている麻薬類よりも依存性が高いことに、驚いた人もいるのではないでしょうか。これだけ依存性が高いものなので、禁煙が難しくなってきてしまうのも、ご理解いただけたのではないでしょうか。
アルコール中毒患者などは、日本でも一般的に治療がなされていますが、そういった依存性がある物質のなかでも、ニコチンの依存性の高さは格上です。そのため、たくさんの人が禁煙を試みては挫折してしまうといったケースが多いようです。
ニコチン依存症になるまで
たばこを吸うとニコチンの依存症になります。特に脳内のa4βニコチン受容体とニコチンが結合し、ドパミンなどの脳内神経伝達物質の分泌量が増えます。ドパミンが放出されることにより、たばこを吸うことで脳が快感であると満足感を認識するのです。
体内のニコチン量が減ると離脱症状が起き、ドパミンが減ってしまうので、これをまた得るためにたばこを吸うという行為に至るわけです。離脱症状としては、イライラ感、焦燥感などが挙げられます。そわそわして落ち着きがなく、早くたばこを吸いたいという思念でいっぱいになってしまうのです。
ニコチンの依存症になるまでの流れを簡単に説明すると、たばこを吸いニコチンを摂取することによって、脳内の快感物資が放出され、それが切れてしまうとまた脳内分泌をするために、ニコチンを摂取するということです。
ニコチンが切れると現れる症状
ニコチンが切れるとどのような症状が出るのでしょうか。実際に禁煙をした人には、体験談としてあるかと思いますが、主にイライラや不安感、集中力が途切れるといったことが起こってきます。これはすべてニコチンにより、脳内分泌がされていた物質が、不足してしまうため起こることです。
特に女性は、ニコチンへの依存が男性より高いとも言われており、ニコチンの依存を、まるで恋人をなくしたような不安感に捉えてしまうこともあるようです。また、興奮作用のある分泌物がストップしたために起こる集中力のとぎれは、仕事中などに影響が出てきてしまうこともあるのではないでしょうか。
ニコチンが切れると、全体的に落ち着きがなくなってしまうことが多いため、もしも禁煙をはじめる際は、大きなイベント毎や、会社での仕事など、ストレスが大きくかかる時に合わせてしまわないようにすることが懸命のようです。ストレスが大きくかかる際に、ニコチンの依存によるストレスが重なってしまうことは避けましょう。
ニコチンの害について・5つ
ニコチンはどうもからだに悪い影響が多くみられるようですが、どのような害があるのでしょうか。からだに現れるニコチンの害についてまとめてみました。
1.心臓や血管への影響
ニコチンを摂取すると血管が収縮し、からだの隅々まで届けられる酸素が行き渡りにくくなります。そのため血圧、体温が下がるといった身体症状が出てきます。血圧や体温が下がってしまうことと、ニコチンによる血行不良により、冷え性や便秘といった弊害もでてきてしまうようです。
また、心臓への負担も血圧、体温が下がることで出てきてしまいます。心臓への負担が大きくなると、動悸などの症状が出てきたりする場合もあります。血管への影響による血行不良のための弊害なども見過ごすことは出来ません。
2.動脈硬化への影響
たばこを吸うことにより、活性酸素が血液中に増加します。活性酸素の働きで血管細胞に傷がつき、悪玉コレステロールが酸化し増加します。悪玉コレステロールが増加してしまうと、善玉コレステロールが減少してしまいます。善玉コレステロールは、動脈硬化を防ぐ働きを持っているため、喫煙は動脈硬化への影響が出てきてしまうのです。
また、ニコチンには副腎を刺激し、カイコールアミンというホルモンが分泌されるのを促進します。カイコールアミンは血液を固まりやすくし、ドロドロにさせる働きがあるため、血管が詰まってしまう動脈硬化への影響が出てくるのです。
3.老化現象
ニコチンの影響は、血管などだけではありません。女性は、特に気になる老化現象への影響も考えられています。ニコチンの摂取により、女性ホルモンの分泌を低下させてしまうことになるため、生理不順などの不調、女性らしいからだつきや健やかな肌への影響も出てきます。
ニコチンには、女性ホルモンである、エストロゲンの分泌を低下させてしまう働きがあるため起こる現象ですが、体内がニコチンの処理に追われ、子宮の活動を妨害してしまうことで、生理不順などが起こりやすくなるようです。エストロゲンには、髪や肌を美しく保つ働きがあるため、ニコチンでこの働きが減少してしまうのはとても恐ろしいことです。
更にニコチンを摂取することで、大量のビタミンCが消費され、それによりコラーゲン生成を妨げてしまうので、肌のハリやシワなどにも深く関わってきます。たばこの煙から、肌の毛穴に直接タールがたまって黒ずみになってしまうこともあります。肌年齢に大きく影響があると言えるでしょう。
また血行不良による新陳代謝が悪くなり、冷え性やむくみなどが出てくることもあります。冷え性による便秘や、顔色の悪さなど、たばこは美しく健やかにありたい女性には、大敵と言ってもよいのではないでしょうか。
4.妊婦、赤ちゃんへの影響
ニコチンには赤ちゃん、妊婦にも影響があります。ニコチンが、血管の酸素を届ける役割を抑えてしまうことについては述べましたが、それにより体内にいる赤ちゃんへの酸素不足が生じてしまいます。たばこを吸うことで、体内に一酸化炭素が発生しますが、胎盤を通じて一酸化炭素も赤ちゃんに送り届けられるため、赤ちゃんは酸欠状態に陥ってしまうこともあります。
妊婦の体内にいる際に、十分に酸素や栄養を受け取れなかったことにより、未熟児や障害児となってしまう可能性もあります。喫煙をしていたり、周りの人の喫煙による受動喫煙で、母乳がニコチン入りとなってしまうため、赤ちゃんにもニコチンの離脱症状のようなものが起こります。これがニコチン切れのための夜泣きなどに繋がってしまうのです。
自分が吸っていなくても、周りにいる人が吸っていれば、母子共々ニコチンにさらされていることになりますので、パートナーの喫煙や外出先でも注意が必要です。赤ちゃんにとっては、栄養満点のはずの母乳が、ニコチン入りになってしまうとは、とても恐ろしいことだとは思いませんか。
5.腎臓への影響
最近の研究の結果で、腎臓の腎細胞にもニコチン受容体があることがわかってきました。これは、腎臓でニコチンを受け取ってしまうということになり、腎臓の負担が懸念されています。ニコチンによって上がった血圧を正常に保とうと、腎臓がいつもより働きを活発化させるので、これも負担となってきてしまいます。
また、腎臓はニコチンの毒を8割無毒化させますが、全ては無毒化できないため、2割が体内に留まることになります。このため、体内からニコチンが抜けきるまでに時間が数週間かかるのです。解毒を受け持つ腎臓に悪影響を及ぼすことにより、腎臓病への影響も出てきます。
ニコチンに依存しているのかを判断するテスト
ニコチンに依存しているのかを簡単に調べられるテストがあります。心配だと思う人には、ぜひやっていただきたいものになります。ネットなどでも調べることができるので、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。
ニコチン依存症テスト
ニコチン依存症テストとは、禁煙をする際に医師が診断のめやすに使うもので、どういった項目があるかというと、「自分が思っている以上に多くたばこを吸ってしまう」「禁煙や減煙に挑戦したときにできなかったことはあるか」「禁煙や減煙の際にイライラしてしまったり落ち着かないことはあるか」といったようなもののテストです。
回答は、はい・いいえのみの簡単なもので「はい」を選んだ数が5個以上あると、ニコチン依存症であると診断できる内容になっています。今現在禁煙している人も、このテストを行うことにより、自分がニコチン依存症だったかどうかが簡単に診断できます。また、精神医学的観点からも、薬物依存の診断として用いられることがあります。
他の質問項目には、たばこを吸うことにより健康的に問題が起きたり、精神的にも問題が起きているか知った上で吸っていたかどうかや、たばこが吸えない環境に置かれる仕事や、友人などとの付き合いを避けたことがあるかといったような項目があります。興味のある人は、ぜひやってみるのもよいのではないでしょうか。
ニコチンパッチとは?
ニコチンパッチというものをご存知でしょうか。ここではニコチンパッチについて触れさせていただきたいと思います。
ニコチンパッチの概要
ニコチンパッチは朝起きてから肌に貼り、夜寝る際にはがす、禁煙を助けるアイテムになります。特徴としては、ニコチンが含まれるシート状の、皮膚に貼り付けるシールのようなものです。成分にはニコチンが含まれており、喫煙によるニコチン吸収を止めるためのものです。
効能としては、ニコチンが摂取できないことによる、イライラ感などの離脱症状を抑えて、禁煙することができるように作られており、禁煙を助ける手段として認められています。医師から処方されるものと、市販で購入できるタイプとあり、市販のものはニコチン含有量が少ないパッチになりますが、入手しやすいのが特徴です。
禁煙の最中のイライラなどを和らげてくれる働きがあるので、パッチ使用中にはもちろん喫煙してはいけませんが、徐々に減らしていくことにより禁煙の成功への手助けをしてくれます。使用期間は約8週間が一般的で、最初の6週間はニコチン含有量の多いもの、次の2週間が少ないものを使用します。
ニコレットガムとは?
噛んで禁煙を助ける手段としてニコレットガムというものもあります。どのようなものになるのでしょうか。
ニコレットガムの概要
第2類医薬品に指定されている、ニコレットガムというものもあります。これは、たばこを吸いたい時に、代わりにニコチンが放出されるガムを噛んで、禁煙を助けようという製品の特徴があります。たばこを吸えないことによる口寂しさも紛らわすことができます。
ニコレットガムにもニコチンパッチ同様、ニコチンが成分として含まれているので、禁煙目的以外で非喫煙者が噛むのは、非常に好ましくないものになります。
効能としては、吸いたくなった時の代わりに噛むものなので、たばこを吸いたい時と同じようにニコチンを摂取でき、自分で噛む量を増減できるため調節が可能です。使用期間は約3カ月がめどとされています。様々なフレーバーも出ているため、自分の好きな味のものを選ぶことができるのも特徴です。
ニコレットガムの使用方法
手軽に利用できるニコレットガムの使用方法については、注意点などがあるため、細かく挙げていきたいと思います。
ニコレットガムの使用方法・用法用量
ニコレットガムの用法用量、使用方法はとてもシンプルです。たばこが吸いたくなった時に、たばこの代わりに噛むだけです。1日の使用量は最大24個となっており、どれぐらいの量のたばこを吸っていたかによって細かく変わってきます。
たばこを吸う量が20本以下だった人の場合は、一日にだいたい4個~6個というふうに、禁煙する量に置き換えてガムを噛むものになります。このガムを噛む量を徐々に減らしていき、禁煙を助ける手段として用いられます。
子供が簡単に開けることができないように、アルミシート入りのガムをフィルムで更に蓋をしてあるため、取り出し方は1個をアルミシートから切り離し、フィルムをはがし、アルミシートをやぶってガムを押し出すといった手順が必要になります。
噛み方は、たばこが吸いたくなった際に、1回1個を30分~60分かけて噛むといった使用方法になり、ゆっくりとしたものになります。ぴりっとした刺激を感じはじめるのが、だいたい15回噛んでからとなっています。歯茎と頬の内側にしばらく入れることと、噛むことを30分~60分繰り返します。
普通のガムを噛むこと自体が難しい入れ歯使用者などには、十分な効果が期待出来ないため、あまり利用はすすめられていません。
使用上の注意点、使用してはいけない
ニコチンを含むガムになりますので、使用上の注意点もあります。たばこを吸っていない人や、授乳中の人などがそうです。たばこを吸っていない人が、ニコレットガムを噛むことにより、ニコチン摂取をしてしまうのは全く意味がない行動なので控えてください。
授乳中の人も、ニコチン摂取につながるので使用してはいけません。更にうつ病の人、あごの顎関節に障害がある人も、使用は控えるようにといった注意が必要です。
ニコレットガム使用直後のたばこや、6カ月以上の使用は控えるように記載されており、正しく守ってはじめて禁煙への一歩が踏み出せます。ニコレットガムで、ニコチンを既に摂取しているため、再度たばこを吸ってしまっては全く意味がなく、また3カ月が使用目安とされているため、それを超える長期間の使用もおすすめできません。
使用上の注意点 相談して使用したほうが良い人
次に挙げるような人は、医師へ相談した上で使用したほうが良いとされています。現在医師や歯科医師からの治療を受けている人、他の薬を服用中の人、年齢が高齢または20歳未満の人、薬でアレルギーが出たことのある人、のどや口内炎など口の中などに炎症や痛みがある人などが挙げられます。
また、医師から心臓疾患や脳血管障害をはじめとした、各種の病気の診断を受けている人も、使用には相談が必要になります。手頃に手に入れることができるガムなので忘れがちですが、ニコチンが含まれている禁煙を手助けするガムだということを、念頭に置くことが必要です。
使用後、中止したほうが良い症状
使用後に次のような症状が見られた場合は、使用を中止したほうが良いとされています。吐き気や嘔吐、めまいや頭痛、動悸、口内炎やのどの痛み、胸焼けや食欲不振の症状が出た際は、直ちに中止が必要です。また増強が見られた時は中止します。
決められた用量を超えての使用や、子供などが誤飲した際には、急性ニコチン中毒の可能性が出てくるため、直ちに医師への相談が必要です。用量を超えて使用すると、はきけや唾液の増加、腹痛や下痢、頭痛やめまい、味覚障害や全身脱力といった症状が現れますので、こういった症状が出た時には、すぐに医師に相談してください。
また、3カ月を超えての使用は、ニコチン依存が、たばこからガムへ移行してしまう可能性があるので使用を中止してください。
保管方法と取り扱い方
ニコチンを含んだ製品になるため、保管する環境にも細心の注意が必要です。直射日光が当たる場所は、ガムがシートに付着する可能性がありますので避け、涼しく湿気の少ないところに保管してください。また、小児には簡単に開けられないように包装されていますが、誤飲の危険性などがあるため、手の届くところに置かないように注意しましょう。
また、他の容器に入れ替えたりしてしまうと誤飲、誤用の原因になってしまったり、品質が変わってしまう恐れがあるため、入れ替えなどはせず保管しましょう。口に含むものですので、使用期限を過ぎてしまった商品は使用せず、噛み終わったガムも、小児の手の届かない場所へ捨てるなどの配慮が必要です。
ニコレットガムの購入について
先に紹介したニコレットガムの購入について述べたいと思います。
ニコレット・ニコレット(クールミント・アイスミント・フルーティミント)
ニコレットガムのニコレットには、味の種類が全部で4種類あります。通常のニコレット、ニコレット(クールミント・アイスミント・フルーティミント)の4種類で、価格はミントタイプ3種類が12個入りから1,200円、24個入り2,300円、48個入り4,400円、96個入り7,600円です。
通常のニコレットの価格は24個入りからで2,100円、48個入り3,950円、96個入り6,900円となっています。好評の口コミでは、ニコレットでたばこを吸うことを抑えることができ、禁煙できたというものが見受けられます。
ただし、中には6カ月を超えて使用しないという項目を守ることが難しく、ニコレットでのニコチン依存症になってしまっているというケースもあるようです。
ニコチンは本当に体に悪い!?
ニコチンは本当に体に健康被害のみをもたらすものなのでしょうか。
有害なのはタールであってニコチンではない
ニコチンについてはイギリスで物議をかもしており、ニコチンは、本当に健康被害のみを誘発するものなのかと、議論されているといいます。興味深い意見もあり、精神科医マイク・ラッセル氏の説によれば、「ニコチンを求めてたばこを吸い、タールにより死亡する」という見解です。
ニコチンの効能にアルツハイマー病を予防する好影響などがあるとも言われ、実はニコチンではなく、たばこに含まれるタールが、健康被害を出しているのではないかという説です。
VAPE(電子たばこ)が欧米でブーム
電子たばこが今注目されている理由として、タールを排除し、喫煙行為だけを取り入れる仕組みになっていることが挙げられます。吸うと蒸気の煙が出る仕組みになっていますが、副流煙の心配はありません。種類によってはニコチンを含まないものもあり、フレーバーなどのバリエーションも豊富です。
スウェーデンは、先進国のなかで一番喫煙者が少ないとも言われていますが、スヌースなどのたばこが流行っていることでも有名です。スヌースや電子たばこ利用者の多いスウェーデンの、喫煙者による肺がんや心臓疾患の発生率は、ヨーロッパ諸国の中でも低いと言われています。
電子たばこは、よくスヌースと比べられることもありますが、スヌースはまた違った無煙たばこで、歯茎に挟んでニコチンを摂取する、口の中に入れるタイプになります。口に入れて歯茎から直接浸透させるものなので煙は一切出ません。
まとめ
今回はたばこの成分であるニコチンについて、深く掘り下げてきましたがいかがでしたでしょうか。ニコチンには、脳のニコチン受容体と結合して、ドパミンなど伝達物質を分泌させたり、アルツハイマー病の予防になったりと、必ずしも悪影響ばかりではないようでした。
しかし、依存性が高いことは間違いないので、たばこが止められないと悩んでいるあなたも、もしかするとニコチン依存症なのかもしれません。たばこにはニコチン以外にたくさんの有害物質が含まれていると有名ですが、それらをわざわざ吸ってしまう喫煙行為はニコチンの依存症によって引き起こされているものだとわかりました。
今回ご紹介したニコチンパッチやニコレットガムなどと合わせて、今後ニコチンとどう付き合っていくかのヒントになれば幸いです。