【ザクロの育て方完全ガイド】ザクロ植え付けのシーズンっていつなの?水やりや肥料・手入れの方法など徹底解説!

ザクロの特徴・由来を知ろう
ザクロとは?
ザクロはミソハギ科ザクロ属の落葉小高木です。中東の地中海沿岸が原産で、日本には平安時代に中国を経由して伝来したといわれています。
花を鑑賞して楽しむほか、果実は食用としてそのまま食べたり、ジュースやシロップなどに加工されることもあります。なお、ザクロはザクロ科に分類されることもあります。
ザクロの育成難易度
暑さ、寒さ、乾燥に強いのが特徴で、日本では東北地方から沖縄まで広い範囲で栽培が可能です。
比較的丈夫な植物ですが、剪定のタイミングによっては冬枯れしてしまったり、花がつかなくなってしまうことがあるため、難易度は中級向けといったところです。
ザクロの耐寒性
元々中東という厚い地域で栽培されていたザクロはあまりにも寒いと冬を越せなくなることがありますが、寒冷地で育てる場合は、一度根付くとその後も越冬できます。
また、ザクロには日当たりのよい場所を好むという特徴もあります。
ザクロの植え付けの方法
種蒔きの方法とは?
ザクロの育て方としては種から、苗植えの2通りあります。苗植えが一般的ですが、種からでも育てることができます。
種蒔きの時期は3月から4月。種は市販もされていますが、果実を食べた後の種から育てることもできます。食べた後の種を蒔く場合はよく洗って果肉をきれいに落としておきましょう。成長したら倒れないように支柱で支えます。
苗植えの方法とは?
ザクロの苗木の植え付けの時期は12月から2月の間です。苗木はホームセンターなどで購入できます。
庭植えでも鉢植えの場合でも日当たりのよい場所を選んで植えます。植え付けたら高さを50cmほどになるようにカットし、まっすぐに育つように支柱を立てておきましょう。
ザクロの水やりの方法や肥料について
上手に育てるための水やりの方法とは?
鉢植えの場合は土の表面が乾いてきたらやや多めに水を与えます。水が多すぎても根腐れを起こしますので注意しましょう。
庭植えの場合は最初の2週間は水をたっぷり与え、苗木が根付くまでは土が乾いたら水やりを続けます。根付いた後は極度に乾燥した天気が続く場合を除き、基本的に水やりの必要はありません。
苗木の生長を促すには、枝が育つ夏にたっぷり水やりすることが重要です。逆に落葉期を迎える秋から冬にかけては水量は控えめに。
よく育つための肥料のポイント
肥料を与える時期は3月、7月、10月です。ザクロは肥料を好む性質があり、与えすぎても根腐れになることはありません。
芽が出る時期の3月には速効性のある肥料を与え、花が終わった7月と果実を収穫した後の10月には有機性か速効性のある肥料を与えます。肥料は窒素を含んだものを避け、苗木の根元に蒔くようにしてください。
ザクロを育てる際におすすめの用土
土質はあまり選びませんが、赤玉土と腐葉土を混ぜたものを使って
ザクロは水はけがよく弱酸性の土を好みます。庭植えの場合は特別に用意する必要はありませんが、市販の用土なら赤玉土7、腐葉土3の比率で混ぜたものがよいとされています。
ザクロを育てる際の日常のお手入れのポイント
1.伸びてくるひこばえや不要な枝はこまめに切る
ザクロを育てていると根元のほうからひこばえがどんどん出てきます。ひこばえが出てくるとザクロの木の幹の成長を妨げますので、見つけたらこまめに処理していきましょう。
また、ザクロの枝は横に広がる習性があり、不要な枝が伸びやすいので、これらも見つけ次第取り除くことが大切です。
2.剪定はなるべく落葉期に。それ以外の時期は放任で
ザクロに関しては剪定は落葉期だけでかまいません。春から夏にかけて新しい枝が伸び、花芽ができてくるため、剪定すると細い枝が出やすくなるのです。
また、花芽は前年の枝の先端のあたりに付くので、剪定によって誤って花芽を切り落としてしまうことにもなりかねません。
3.収穫は10月頃。果実が裂けてきたらタイミングです
実がなるタイプのザクロは初夏から梅雨のころに花をつけ、早ければ9月下旬から収穫できます。実が赤茶から赤紫に色づき、裂けてきたときがタイミング。裂けた部分が雨に当たると腐ってしまうため、ビニール袋などをかぶせておくのが無難です。
ザクロは自分の花粉で受粉するので人工授粉は特に必要ありませんが、開花が梅雨の時期にあたるため、大雨のときには花粉が流れ出してしまうことがあります。庭植えのものは雨よけを施し、鉢植えのものは雨のかからない場所に移動させましょう。
ザクロの日当たり・置き場所に注意
ザクロは日当たりのよい場所が好み。寒冷地での育て方は鉢植えで
ザクロは日光を好むため、庭植えするときは日当たりのよい場所に植えましょう。鉢植えのときも日当たりがよく、風通しのよい場所に置くようにしてください。日陰で育てると花が咲かなかったり、虫がつきやすくなることがあります。
本来暖かい地域で栽培される植物なので寒冷地での庭植えには適していません。特に寒い地域では鉢植えにし、冬は室内で越冬させます。但し北陸など日本海側の地域では一度環境に慣れてしまうと庭植えでも育つようになります。
ザクロの増やし方とは?
挿し木で増やす
挿し木はザクロのもっとも一般的な増やし方で、適した時期は3月中旬です。剪定した枝を土に挿しますが、鉢に用土を入れて挿すか、日当たりのよい場所の地面に直接挿します。
枝は15cmから20cmくらいの長さに切っておき、3時間ほど吸水させたものを全体の半分くらいの長さまで挿すようにします。
接ぎ木で増やす
ザクロは接ぎ木でも増やすことができます。休眠期にあたる2月中旬から3月下旬の間に、切っておいた枝で接ぎ木を行います。
ザクロの植え替えの方法
鉢植えのザクロは2年に1回を目安に植え替え。厳寒期は避けて
根が詰まるのを防ぎ、通気をよくするため、鉢植えのザクロは2年に1回は植え替えを行います。暖かい地域の植物のため厳寒期は避けてください。適した時期は3月下旬です。
植え付けのときと同様に、水はけがよく弱酸性の用土に植え替えましょう。日当たりのよい場所に鉢を置いておくこともお忘れなく。
ザクロの栽培で注意する病気や害虫は?
1.うどんこ病
基本的に病気や害虫の心配がないザクロですが、ごくまれに病気になってしまうことがあります。うどんこ病は葉や茎がうどん粉をまぶしたように白くなる症状が特徴で、うどん粉にたとえられているのはカビの一種です。
このカビが葉の表面に広がると光合成を妨げて生育不良を引き起こしてしまいます。乾燥によっておこる病気ですので水を与えたり、風通しをよくしておくことが予防策となります。
2.アブラムシ
気付くと葉の裏にびっしりと発生しているアブラムシ。排泄物によってさらにすす病を引き起こしてしまうので見つけ次第退治したいものです。
実がなるタイプのザクロには木酢液などで対処するのが理想です。花を楽しむ観賞用のザクロには農薬を散布してもよいでしょう。
3.カイガラムシ
その名の通り貝殻のような外見を持つ害虫です。この貝殻のような部分は農薬の成分を体内に浸透させにくくする特徴があります。アブラムシと同様、放っておくと排泄物を養分としてすす病の発生につながってしまうので早めの駆除が重要です。
付着しているのは足がなく移動が不可能なメスであるため、手っ取り早い防除方法は歯ブラシでこすり落としてしまうことです。葉にこびりついている場合はティッシュを使用しましょう。
まとめ
手間がかからず、病気や害虫の被害も少ないザクロは比較的育てやすい植物です。実がなるタイプのザクロは実をつけるようになるまで時間がかかりますが、観賞用のザクロは盆栽としても親しまれています。
たくさんの種子をつけることから多産、豊穣などの象徴とされ、縁起のよいザクロの栽培にぜひトライしてみてください。