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ハンチントン病ってどんな病気?8つの症状と5つの診断・治療方法とは?日常生活で出来るケアなど詳しく解説します!

ハンチントン病について

「ハンチントン病」という病気をご存知ですか?あまり聞きなれない言葉だと思います。ハンチントン舞踏病とも呼ばれる、遺伝に関する病気です。まずハンチントン病の概要についてご紹介します。

ハンチントン病は、常染色体優性遺伝という遺伝によって発病する病気で、脳の尾状核と線条体という部位が変性してしまうことによって様々な症状が出現する病気です。発症すると徐々に進行する舞踏運動といわれる異常運動(不随意運動)と、認知症や精神症状が特徴で、35~50歳で発症する人が多く、脳の尾状核という部分がとくに障害されるのだそうです。

常染色体優性遺伝というのは、両親のどちらかが病気であれば、その子どもは50%の確率で同じ染色体の表現型を示し、病気になる可能性があるということだそうです。

ハンチントン病の症状

では、ハンチントン病にはどんな症状が出るのでしょうか?詳しく見てみましょう。

不随意運動

ハンチントン病の患者さんは、40歳前後に不随意運動が現れることで発症して、ゆるやかに進行していくのだそう。不随意運動というのは、自分が動かそうと思っていないのに勝手に動いてしまう、目的のない運動のことで、ハンチントン病の場合は、初めは手足に現れ、次第に顔面や首にも現れるそうです。

顔をしかめたり肩をすくめるといった動作が素早く起こり、落ち着きがないようにみえるのだそう。安静に横になっている時よりも歩く時や何か動こうとしたり、緊張した時に強くなるのが特徴とのことです。

そして、ハンチントン病の患者さんに特徴的にみられるこの不随意運動は、まるで踊っているように見えることがあるため、ハンチントン舞踏病と呼ばれることも多いようです。

ただし、不随意運動は病気がなくとも日常的に見られる運動です。その原因もさまざまで、まぶたがビクビクする眼瞼れん縮(がんけんれんしゅく)や、コップを持ったり、人前で字を書く時に手が震えるなどの本態性振戦(ほんたいせいしんせん)などが見られることがあり、これらはあまり心配はいらない病気のことが多いそう。気になる方は病院でみてもらいましょう。

パーキンソニズム パーキンソン症状

ハンチントン病を若いうちに発症した場合には、上記のような舞踏運動(不随意運動)よりも、固縮型といわれるパーキンソン症状が強く現れることがあるそうです。パーキンソン病という病気は聞いたことがあるでしょうか?原因不明の脳の病気です。

パーキンソン病では、体の震えや、体の動きが少なくなったり、遅くなったりする無動、体が固くなる筋固縮という症状が現れるのだそうです。この、パーキンソン病と似たような症状のことを「パーキンソン症状」や「パーキンソニズム」と呼ぶのだということです。

眼球の運動障害

ハンチントン病では、眼の動きに障害が出ることがあるそうです。人間はの眼は、急激な周辺の視覚や聴覚、または意図して方向を変化させたことなどを刺激として、見ようとする対象物に素早く視線を向ける運動を行っており、速く動くこの眼の動きを「衝動性眼球運動」というのだそうです。

ハンチントン病では不随意運動の一つとして、意図せずこの衝動性眼球運動が起こるため、刺激がなくとも素早く眼が動きます。さらに、視線をゆっくりと動かして物を見ようとしたり、眼を水平に動かして視線を合わせるような眼球運動が困難となるのだそうです。

嚥下障害

ハンチントン病が進行すると、飲み込みが悪くなることがあるそうです。人間が食物を飲み込むときに無意識に行っている体の働きをを嚥下運動といいます。

嚥下運動は、「口腔準備期(咀嚼期)」という食物を口の中で処理して、必要なら噛み砕いてして飲み込みやすい形(食塊)に変える時期、「口腔期」という舌を使って食物を喉の方に送り込む時期、「咽頭期」という飲み込むための反射が誘発されてから食塊が咽頭を通過するまでの時期、「食道期」という食道の運きによって食塊を胃に送りこむまでの時期、の4つの時期に分けられるのだそうです。

これらすべての運動がタイミング良く起こることで、食物が気管に入らず、上手く胃に送り込まれるようにできているのだそう。しかし、この運動が障害されたり、飲み込むタイミングがずれたりすると、気管に食物が入ってしまいます。これを「誤嚥」といいます。

ハンチントン病では、この嚥下運動に大切な舌や頬、喉といった筋肉にも不随意運動が起きることがあり、結果として誤嚥を引き起こします。誤嚥が起こると窒息や誤嚥性肺炎を起こす恐れがあり、死に至ることもあります。

性格の変化・精神症状

ハンチントン病によって脳の変性が進むと、性格が変化するなどの精神症状も見られることが多いそうです。初期ではあまり目立ちませんが、だんだんと興奮やイライラ、不機嫌になりやすくなったりと、感情のコントロールが困難になるのだそう。

これらの症状は、20歳以下で発症する若年性ハンチントン病により顕著に現れるそうです。日常生活への関心もなくなってしまうこともあり、さらに、衝動を抑えられなくなったり、怒りっぽい、急に落ち込む、物事の分別がつかなくなる、などの症状もみられることがあるのだそうです。さらに進行すると、重いのうつ病となって自殺を図ることも起こるそうです。

認知症

ハンチントン病が進行すると、認知症になることが多いそうです。ハンチントン病により知的機能が低下し、記銘力や判断力、学習機能などが起こります。思考の柔軟性や構築障害がみられ、注意力や論理性も低下するのだそう。行動が無責任になったり、目的なく歩き回る(徘徊)こともみられるようになるのだとか。

病状が進行すると、重度の認知症が生じ、寝たきりになるのだそうです。脳の機能障害がさらに進行することによって 眼は動かしても、身動きひとつしない、言葉も発さないという状態にまでなる可能性があるのだそうです。

ハンチントン病の検査と診断方法

頭部のCT、MRI

ハンチントン病の診断には、頭部のCT検査やMRI検査などの画像検査が用いられます。ハンチントン病では、脳の尾状核と呼ばれる部位の萎縮や、側脳室と呼ばれる部位の拡大が見られ、病気の進行とともに脳萎縮が高度となります。

CT検査やMRI検査を行って、特徴的な脳の変性を調べるとともに、他の神経疾患またはパーキンソン病や統合失調症などといった他の精神疾患の可能性を否定するそうです。

遺伝子診断

ハンチントン病は遺伝子によって起こる病気ですから、ハンチントン病であると確定診断するには、遺伝子検査を行う必要があります。冒頭でもご説明したとおり、ハンチントン病は常染色体優性遺伝で、両親のどちらかから異常な遺伝子を一つ受け継ぐだけで発症します。ハンチントン病の人のほとんどは、この異常遺伝子(原因遺伝子)を一つだけもっているのだそうです。

ハンチントン病の原因と治療方法

遺伝による原因

ハンチントン病の原因が遺伝にあることはすでにご説明しました。少し難しい話になりますが、ここで詳しく解説します。遺伝子解析が進み、ハンチントン病の原因遺伝子が第4染色体という部位にある遺伝子であることが分かっています。第4染色体のDNAの一部の核酸の塩基配列に異常があるのだそうです。

この原因遺伝子では、普通では12~30回程度繰り返されている、シトシン=C、アデニン=A、グアニン=Gの3つの塩基配列が、36~121回程度も繰り返されて伸長しているのだそう。この繰り返される回数とハンチントン病の症状には関連があって、回数が多いほうが若いうちに発症し、重篤なのだそうです。

また、遺伝が何度も起こり世代を経るごとに、繰り返しの数は増加する傾向があり、さらに原因遺伝子が父親から遺伝するときのほうが繰り返しの数が増大するのだそう。つまり、遺伝が繰り返されてハンチントン病の方が何世代にも渡って発症している家系で、さらに父親から原因遺伝子が遺伝している患者さんは、より若いうちに発症し、重篤な経過をたどる傾向にあるということです。

薬物治療

ハンチントン病そのものを治せる治療法は現在のところなく、不随意運動や精神症状の対症療法を行います。鎮静薬や抗精神病薬、降圧薬などの薬剤は、症状を軽減し行動をコントロールするのに役立つため、処方されることが多いようです。ちなみに、ハンチントン病は厚生労働省の定めた「指定難病」にあたりますので、治療費は公費から助成されます。

リハビリテーション

ハンチントン病では、病気の進行にしたがって積極的に体を動かさなくなってしまうことが多いのだそう。また、精神症状や認知機能の低下も現れるため、リハビリテーションによって運動機能低下や精神症状の改善を目指すこともあるそうです。
ただし、ハンチントン病の歩行障害は麻痺などと違ってリハビリテーションを行った結果、とても良くなるというようなことは期待できないということです。

ハンチントン病の管理方法

体力の消耗を予防

ハンチントン病では激しい不随意運動が起こるため、意図せず体力を消耗してしまいます。ですから、なるべく体を休ませることが必要です。特にハンチントン病の不随意運動は、動こうとしたり緊張したときに出現しやすいため、休んでいるときに大きな音が聞こえるなどの刺激を受けないようにして、なるべく落ち着いてゆっくりとした休息をとることが大切になります。

誤嚥を予防

ハンチントン病の死因の一つに、窒息が挙げられます。前述したとおり、不随意運動によって誤嚥が起こりやすいことが原因です。家族は食事の形態(後述)や一度にたくさん提供しないように注意したり、患者さんが食事を摂っている時は目を離さないなどの配慮が必要になります。

感染症の予防

ハンチントン病の死因の一つに感染症が挙げられます。ハンチントン病では前述したとおり、精神症状や認知症といった症状が出現します。これにより、トイレを失敗したり、トイレや着替えや入浴などにも関心がなくなることが多いため、感染症にかかりやすくなるのだそうです。そのため、清潔を保ち、感染症を予防することが大切になります。

また、不随意運動によって転びやすくなったり、怪我をしやすくなります。傷からの菌の進入も感染症の原因になりますので、居住スペースの環境を整えたり(後述)、家の中・外問わず、段差に気をつけるなどの介助も必要になります。

日常生活でできるケア

食べ物を細かく切る

ハンチントン病では誤嚥が起こりやすいため、食事の形態に配慮が必要です。食事を細かく切ったり、ペースト状にするなどはその一つです。また、認知機能の低下により、食事への関心が低くなることもあるそうです。その結果、ハンチントン病の死因の一つには低栄養が挙げられます。

周りの家族をはじめとする介護者は、患者さんが好きな料理や食材を提供するように心がけることが大切です。また、食事を忘れたり食べることを拒否しても、少しずつでも摂取できるように食事の形態や内容を工夫したり、どうしても食べないときは早めに病院を受診して点滴などによって栄養補給できるよう、注意しておく必要があります。

清潔を保つ

ハンチントン病では感染症予防が大切だと前述しました。そのため、患者さんの周りを清潔に保つことが大切です。トイレを失敗することもあるため、床をすぐに消毒したり、着替えを行うなどして清潔にしましょう。

必要ならばオムツを用意することも清潔に繋がります。オムツを使用する場合は患者さんの気持ちに十分に配慮することと、オムツの中を清潔に保つよう、こまめな交換や入浴が必要です。着替えや入浴自体にも関心を示さなくなることがありますので、周りの人が介助して清潔を保てるよう注意しましょう。

衣食住の設備を整える

ハンチントン病では運動機能にも障害がでます。丈夫な人が何とも思わないようなことでも不自由に感じることも多いでしょう。ですから、日常生活がうまく送れるように設備を整えることも大切です。衣服も着替えやすいものを用意したり、浴室やトイレを介護用変えたりするだけで、生活しやすくなります。

また、不随意運動によって転んだり、怪我をすることも多いため、なるべく広い空間で生活できるよう、居住スペースに置く物を少なくしたり、段差を極力なくすることも大切です。

まとめ

ハンチントン病について、ご理解いただけたでしょうか?治療法がなく、徐々に進行して様々な機能が失われていくこの病気では、周りの人の介助が大きな助けとなります。

ハンチントン病の患者さんがいかに安全に、快適に過ごせるか、QOL(生活の質)を向上させるかが介助者への課題といえるでしょう。正しい理解のもと、ハンチントン病の患者さんが安心して過ごせるような環境づくりを心がけましょう。

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