過呼吸とは?実は運動や泣く事も発作の原因だった!正しい対処法を徹底解説します!
過呼吸とは?
呼吸が乱れ苦しくなる状態のこと
過呼吸症候群(別名:過換気症候群)とは、ストレスや外的要因などが原因で呼吸が乱れ苦しくなり、普段通り息をすることが困難になってしまう状態のことを指します。息苦しさから普段よりも呼吸が大きくなり、それにより血液中の二酸化炭素濃度が低くなることで、さまざな症状を引き起こすようです。
男性や高齢者でも発症することはありますが、若い女性に見られることの多い症状だそうです。
過呼吸の症状とは?
1.息苦しさとそれに伴う動悸や頻脈
突然、あるいは段々と呼吸が苦しくなってきます。それに伴い、胸の苦しさを覚えたり、脈拍が速くなるのを感じるのがこの病気です。「このままでは死んでしまうのでは」という不安に駆られることにより余計に苦しい状態が続きますが、10分~30分ほどで症状がおさまるのが一般的と言われています。
2.めまい、手足のしびれ
うまく呼吸をすることができなくなった結果、体内の二酸化炭素濃度が通常時よりも低くなってしまいます。そのため、めまいを感じたり、手足や口の周りのしびれを感じることもあります。実際に指先などがけいれんすることもあるようです。
3失神や呼吸が止まることも
症状がひどい場合には、失神を起こしたり呼吸が止まってしまうこともあると言われています。ただし、本人は「このまま死んでしまうのでは」という不安に思うほどの症状にもかかわらず、過呼吸により死亡したり、後遺症が残ることはあまりないと言われています。ただ、決して安心できる病気ではありませんので、注意する必要があります。
過呼吸の原因とは?
1.心理的ストレス
常日頃から不安を抱えている人に過呼吸発作が起きるケースが多いようです。過呼吸発作はパニック障害の一種の症状として現れることも多く、慢性的に不安や不満、怒りや精神的に緊張している状態が続いている人への発症が多く見られるといわれています。
また、過度の疲労や十分な睡眠が取れていない状態など、生活が不規則になっている場合や風邪などの体調不良による発熱から誘発されることもあるようです。
2.運動などによる呼吸の乱れ
マラソンをはじめとした運動やスポーツなどが、過呼吸発作の引き金となることもあるようです。例えばマラソンのゴール直前に、最後のひと踏ん張りと意識的にスピードを速めた場合、ゴールした瞬間に過呼吸発作が起きてしまうケースも珍しくないといいます。
また、スポーツ意外にも、遊び心から意識的に数分間ほど呼吸を速めてみた場合にも、過呼吸発作が起きてしまうこともあるとのことです。
つまり日常のふとしたシーンで過呼吸発作が起こりうるといいうことです。日ごろから注意することは難しいかとは思いますが、あまり不用意に息を止めるなどはしないほうが良いかもしれませんね。
3.泣く
過呼吸発作が起こりやすい状態のひとつに、「泣く」という行為を挙げることができます。恐怖を感じてしまったり不安なことがあった場合に激しく泣いてしまうと、その行為が引き金となり過呼吸発作が誘発されてしまうケースが多いようです。
泣くことによって過呼吸発作が誘発される原因には2つあるとされています。
まず1つ目に、泣いている際に気分が落ち着いている人間はほぼいないだろうという点が挙げられます。過呼吸というのものは元来、「不安な気持ち」「緊張や恐怖感」、これらが突然襲ってきた際に、精神的なストレスが大きくなることで引き起こされてしまいます。泣いている状態というのは、それが良い涙であっても、悲しさや悔しさによる涙であっても、精神的に負荷の高い状態であることが多いようです。
2つ目に、激しく泣くことによって呼吸が荒くなってしまい、呼吸を司る中枢神経への刺激が高まってしまう点が挙げられます。泣いている際に呼吸が乱れない方というのはそう多くはないでしょう。呼吸が乱れると、呼吸中枢神経への刺激が強くなり、呼吸器系の自律神経のバランスが崩れてしまうことに繋がります。その結果呼吸をうまくコントロールすることが出来なくなり、過呼吸発作が起きてしまうようです。
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過呼吸の治療方法
一度過呼吸発作を経験した方は、二度とあんな苦しい気持ちはごめんだと思われることでしょう。それと同時に、また発作が起きてしまったらどうしようという不安に駆られることと思います。
以下では、過呼吸症候群の治療方法について詳しくご紹介します。過呼吸発作に悩まされている方は、是非参考にしてみてください。
1.心療内科の受診
過呼吸症候群の原因のほとんどが、何かしらの精神的ストレスであると言われています。そのストレスを自分でコントロールすることが出来ればいいのですが、過呼吸発作を起こしてしまうような方は、普段から強い不安や緊張などのストレス下にさらされているケースが多いようです。
ですので、まずは一度気軽に心療内科を受診してみましょう。医師より過呼吸症候群の説明を受け、なぜ発作が起きてしまうのかの原因や、自分の症状を理解することが安心へ繋がることにもなります。
2.抗不安薬の服薬
心療内科を受診すると、一般的に抗不安薬(不安を抑える薬)を処方されることが多いようです。治療・予防としての毎日の服薬の他、発作が起きた際、もしくは発作が起きそうだと思ったタイミングで服薬することが可能な、頓服として飲む抗不安薬を処方してもらえる事もあります。
過呼吸発作を繰り返してしまう人には「また発作が起きてしまったらどうしよう」という不安と緊張が更なるストレスとなってしまい、その結果として発作が引き起こされやすい状態になってしまうといった悪循環に陥ってしまっているケースも多いようです。しかしこの頓服を持ち歩くことで、「もしも発作が起きてしまっても薬を飲めば大丈夫」という安心感を手に入れることができるため、過呼吸発作の頻度も減る傾向にあるということです。
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3.他の病気がないかの検査
過呼吸発作を頻繁に繰り返してしまう人は、うつ病やパニック障害、強迫神経症など、そもそもで心理的な病にかかっている可能性があります。病院を受診することで、過呼吸症候群についての説明を受けるだけではなく、必要であれば他の病気が潜んでいないかの検査をすることもできます。もしも他の精神的な疾患が認められた場合には、その病気の症状などを説明してもらえることで安心感を手に入れることができる上、その病気に対しての治療も並行して進めることが可能です。
4.カウンセリングを受ける
常日頃から強い不安や緊張、不満等を抱えている人は、カウンセリングを受けることにより、症状の改善を期待することもできます。
カウンセリングを通して自分の感情を言葉として発することで、ストレスの発散にもなります。自分が一体何に不安や緊張、不満を抱えているのか、自分が精神的にストレスを抱えている部分は一体どこなのか、そしてその原因は何なのかをカウンセラーと一緒に探っていくことも可能です。
自分なりのリラックス方法を見つける
好きな音楽を聴いてみたり、腹式呼吸や自律訓練法を病院で習得するなどして、自分なりのリラックス方法を見つけることも効果があるようです。
過呼吸が起きた際の対策
1.ゆっくりと呼吸をする
過呼吸の発作が起きてしまった時には、出来るだけ呼吸を整えることが大切です。そのために、発作が起きてしまった際には、ゆっくりと呼吸することを心がけましょう。
発作が起きてしまっている時には、呼吸がうまくできないように感じてしまい、酸素が足りない感覚になることがあります。しかし実際には呼吸はきちんと出来ていて、酸素の量は十分に足りているか、もしくは多すぎて二酸化炭素が足りなくなっているケースがほとんどです。
呼吸の際には口をすぼめるようにして息を吐き出します。息を吸い込む際には、鼻から吸うように心がけましょう。深呼吸をする必要はなく、浅くでもいいので、ゆっくりと呼吸する事が大切なようです。浅い呼吸を意識したほうが、体内の酸素と二酸化炭素のバランスが適正な状態に戻ることにも繋がるとのことです。息を吸った時に、一度軽く息を止めることが出来ればなお良いと言われています。
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2.処方してもらった頓服薬を飲む
病院を受診した際に処方してもらった頓服薬を飲むこともひとつの方法です。一般的に不安な気持ちを和らげる作用のある薬が処方されるため、気持ちが落ち着いていくにつれ、発作の沈静化に繋がる効果が期待できます。
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3.抗不安剤の注射
上記の方法を試してみても発作がおさまらない場合には、病院へ行きましょう。病院では抗不安剤の注射を打ってくれるそうで、これで治るケースが多いようです。
ただし、発作が起きるたびに病院に赴いて注射を打ってもらうのは簡単なことではありません。さらには、注射に頼ってばかりだと、いつまで経っても自力で発作をおさめるコツを掴むことが出来なくなってしまいます。発作を頻繁に繰り返す方の場合は、普段から病院へ通って精神的な治療を受けたり、発作が起きそうだと思った時点であらかじめ頓服を服用するなど、過呼吸発作と上手に付き合っていくコツをつかむ事が重要だと言われています。
4.紙袋再呼吸法(ペーパーバック法)
以前は広く用いられていた方法ですが、この方法を用いることにより、逆に窒息状態に陥って死亡してしまったという症例があるため、近年ではあまり推奨はされていないようです。しかしながら、以前からこの方法に慣れ親しんでいる方など、今でもこの方法を用いている方もいるそうです。
やり方としては、紙袋に口をあて、そこへ吐いた息をまた吸うという方法です。昔のテレビドラマなどで見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしもこの方法を用いるのであれば、窒息状態にならないよう、空気の通り道を作ることがポイントのようです。例えば、紙袋に口をあてる際には、密閉状態にならないように少し隙間を作っておく、もしくは紙袋の端を少し切り、密閉状態にならないようにするなどの工夫が必要です。
発作に備えて安心できる方法を見つけておこう
いかがだったでしょうか。
過呼吸の発作は、強い不安や緊張感が元になるケースが多いようです。
実際に過呼吸発作が起きてしまうと非常に苦しく、通常通りに呼吸をしようとしてもうまくいかず、パニックに陥った結果更に呼吸が乱れてしまうということも少なくはありません。発作により胸も苦しくなってしまうと、「このまま死んでしまうのではないか」という不安に駆られ、更にパニックが加速する方もいらっしゃるでしょう。
ですが過呼吸発作が起きた時には、「過呼吸で死ぬことはない」ということを思い出してください。そしてできるだけ、出来る範囲でいいので呼吸をゆっくりするよう心がけてみましょう。発作が起きやすい状態が事前に自分でわかるようになれば、不安を抑える頓服薬を服用することで、未然に過呼吸発作が起きるのを予防することも出来るようです。
過呼吸発作に苦しんでいる方は、一人で悩まずに、是非一度病院を受診してみましょう。それがあなたの不安を払拭する、ひいては過呼吸発作が起こらなくなるための第一歩です。
ぜひ、この記事の内容を頭の片隅において、万が一があった際に思い出してみてくださいね。