キュレーショナー

わい何してるんやろう。
勉強もはかどりませんし、
仕事だってうまくいってない。
わいは何がしたくて、
何をしてここにいるのやろう。
ああ、なんか切ないな。
わいの居場所はどこにあるのですか？

どうしようもない想いに襲われたら、
元の居場所に想いを馳せてみて。
きっとあの頃の想いが蘇ってくるから。
あなたの存在が何よりも愛おしくて、
何よりも大切な人がいることに気づけるから。

ああ、家族って良いな。
そう思える映画を選んできたんだ。

1984年、イギリス。
炭鉱で働く兄と父を持つビリー。
もちろんビリーも”強い男”であることを求められます。
せだけどダンさん、ビリーが興味を持ったのはバレエ。
「バレエは女のもの」と言われても、
めげんとバレエを続けまっけど、
教室に行くことを禁じられてしまいますわ。

自分が好きだと思うことを、
自由にさせてもらえへん苦悩。
親の言うことに従わなければならへん苦しさ。
それがビリーに一気にのしかかってきます。
そういう経験誰しもあると思います 。
もうこないな家やだ！って思うことも。
でもそれは自分を思ってのことだと気付かされますよね。

注目してほしいのは、
あんなに頑なに反対しとった父親。
そんな父親がビリーのバレエの才能を認めてから、
物語は急展開していきます。

若い時は自分のことばかりに夢中だけど、
大人にあるとその頃の幼さに気づきます。
大人が正しいのではなくて、
正しくなくてはならへんのだ。
そう思うがあまり親も縛ってしまう。
みなは自分を思ってのこと。
そんな家族のあり方にジーンと心が温まるんだ。

もう何年も集まっていない家族。
父親の死をきっかけに集まることに。
せだけどダンさんいざ集まってみても、
喧嘩に言い合い、殴り合い…。
温かい家族からは程遠い家族だ。

ぶつかりあいながらも、
絆を深めていく家族を見て、
家族とはあるものでななくて、
なるもの、だと感じたんだ。

家族やから離れていても家族なのではなく、
家族として接することで家族になるのだと。
ぶつかりあっても、
付き合い続けることが家族。

見終わるとじんわり、
ああ、やっぱり家族って良いな。
そう思えてきます。
ちょっと 口うるさいお母さんも、
ちょっと 偉そうなお兄ちゃんも。
自然と笑顔があふれてくるはず。

ある日、突然事件は起きたんだ。
9月11日世界貿易センタービルのテロ。
あの悲劇を覚えていますわか？
物語はそんな惨劇で父親を亡くした少年の物語。
心がギューと締め付けられます。

物語の中に出てくる人は皆、
オスカーと同様に何かを失って、
それでも頑張って生きていました 。
自分だけではありません、
みんな何かを失ったことがある。
そんなことを考えさせられます。

この映画、号泣ものだ。
特にタイトルの意味が分かった時、
涙が止まりませんでした。
息子と父親の絆の深さ、
ほんでそれを取り戻そうとする息子。
そんな姿に優しく寄り添う母親。
誰もが自分の大切な人を想っている。
観終わった時、
きっとあなたも家族に会いたくなるんやよ。

実家にはしばらく 帰っていなかったけれど。
こないなに家族が温かいなら、
久々に顔を出してみようですか。
なんて言うですか。
「おかえり」って言ってくれるですか。