胆嚢肥大の原因はがん?予防は糖分を控えて食物繊維をバランスよく♡

なぜ胆嚢が肥大するの?症状や病気と治療法
胆嚢というのは、肝臓と重なるようにしてある消化器官の一つで、肝臓で作られた胆汁を溜めておくところです。胆汁によって体内に入ってきた脂肪が分解されるので、とても重要な臓器の一つといえます。
胆嚢が肥大しているということは、何らかの炎症が起きているということです。重要な症状の一つであり、隠れている病気を突き止めるための、体からの大切なサインです。胆嚢が肥大する原因や考えられる病気、その治療法、胆嚢の肥大を防ぐために、気をつけた方がいいことなどについてまとめました。
胆嚢といっても、どこにあってどんな働きを担っているのか、はっきりとわかっている人は少ないかもしれませんが、ぜひこの機会に、胆嚢の病気や症状について知っておいてください。
いろいろある胆嚢の病気について
胆嚢というと、結石を思い浮かべる人も多いのではないかと思いますが、実は胆嚢の病気というのは、たくさんあるんです。どのような病気はどんな症状が出るか、そして、治療法についてなどを紹介しましょう。
胆嚢に石ができる:胆嚢結石
胆汁が何かの原因によって、胆嚢の中で詰まってしまうと、固まりになって胆石になります。胆のう結石と呼ばれますが、 胆石ができた場所によって、総胆管結石(そうたんかんけっせき)や、肝内結石(かんないけっせき)という病名になったりもします。
原因として考えられるのは、油っぽい食事を摂りすぎることや細菌への感染などがあります。ほとんどの場合が無症状で、約2割の人は上腹部の違和感や腹部膨満感などを覚えることもあります。
胆石を放っておくとがん化したりするので、きちんと治療しなければいけません。大きくなければ薬で溶かしたり、大きい場合には手術で取り除いたりします。
胆管にできる胆管結石
石が胆管にできると胆管結石、または総胆管結石と呼ばれます。コレステロールが固まりとなって、結晶のようになるのが結石ですが、無症状で自覚がない場合もよくあります。しかし、この結晶が胆管に詰まった場合には、みぞおちのあたりや、やや少し右側などが痛む場合があります。
結石が胆管をふさいで、さらに感染を起こしてしまうと、急性胆管炎になる場合があり、寒気がしたり発熱や、黄疸が出る場合があります。胆管結石も外科的治療で取り除くことが行われますが、最近では内視鏡などを使った手術で、比較的負担の少ない方法が取られることが多いです。
強い痛みが出る急性胆嚢炎
胆石が胆嚢の出口をふさいでしまうと、胆汁の流れが滞ってしまい、胆嚢が肥大したり炎症を起こして、急性胆嚢炎になります。右側の上腹部や右の肋骨下あたりに、強い痛みを感じます。また、その他にも吐き気や、嘔吐や発熱などもあります。
急性胆嚢炎は、強い痛みがあるということもありますが、すぐに適切な治療が必要になります。最悪の場合は、死に至ることもあります。
慢性胆嚢炎:胆嚢の壁が厚くなる
慢性胆嚢炎は、基本的に急性胆嚢炎と同じような症状を発生します。急性胆嚢炎から移行する場合と、最初から慢性として胆石が胆嚢壁を刺激して、炎症を繰り返す場合があります。継続的な刺激によって、胆嚢の壁が厚くなります。
急性胆嚢炎よりも痛みが比較的弱いですが、放っておくと胆嚢の壁がだんだん厚くなって、変形したり大きさが小さくなっていって、胆嚢自体の働きが悪くなったりできなくなってしまったりします。
血液検査では異常が見つからないので、エコーなどの画像診断によって、胆嚢のサイズや形、胆嚢壁の変化を調べて診断します。
慢性胆嚢炎の場合は、様子を見てすぐに治療をしない場合もありますが、症状がある場合や胆嚢癌の疑いがある場合、磁器様胆嚢を合併している場合などは、胆石を取り除く手術をします。
症状のほとんどない胆嚢繊維症
胆嚢腺筋症は、胆嚢壁が慢性的な炎症を起こして肥厚化した状態をいいます。胆石が関係している場合もありますが、基本的には良性の腫瘍の一種とされています。
特に、症状が現れていない場合には、治療は行わず経過観察になりますが、胆石症を合併している場合や、筋腫と悪性腫瘍の判別が難しい場合などには、外科的治療が行われます。
良性の胆嚢ポリープ:超音波で見つかる
胆嚢内にできた良性の腫瘍を、胆嚢ポリープといいます。症状がやはりほとんどないので、超音波などで見つかるケースが多い病気です。
基本的に良性のために、経過観察のみで治療を行わないことがほとんどですが、稀に悪性、がんの場合がありますから、胆嚢ポリープが見つかった場合は、精密検査をしたほうがいいでしょう。
摘出手術が必要なケースは、胆のうポリープが10mm以上の大きさであるものや、経過観察中に大きくなってきているもの、大小にかかわらずポリープの茎が幅広いものと、がん化しているものです。
胆管癌:黄疸が出る
胆管にできた悪性の腫瘍を、胆管癌といいます。症状としては、胆汁の流れが悪くなるために、黄疸が出ます。また、みぞおちのあたりや、右の脇腹周辺に痛みを感じます。さらに、癌が進行していくと、体重減少や発熱、食欲不振、全身倦怠感などが現れます。
胆管癌の診断は、まず超音波検査を行い、その後CTやMRIなどで詳しく調べていきます。治療法は、切除可能であれば、病原を切除する手術が行われます。胆管のどの場所に癌があるかによって、周りの肝臓や十二指腸なども一緒に切除されることがあります。
胆嚢が肥大化する原因について
それでは、なぜ胆嚢が肥大化してしまうのでしょうか。病気の症状の一つとして、胆嚢が肥大します。考えられる病気をまとめてあります。
胆嚢炎や胆管癌、繊維症の症状
胆嚢の病気、胆嚢炎や胆管癌、繊維症になっている場合、症状として胆嚢が肥大します。
肝炎や肝硬変、腹水の貯留による
肝臓の異常によっても、胆嚢が肥大化する場合があります。いずれも、その他の自覚症状があるないに関わらず、胆嚢が肥大しているかどうかは、超音波で確認することができます。
胆嚢の病気の予防や改善に良い食事
胆嚢の病気は、自覚症状があまりないものが多いです。ですから、日頃から病気の予防や改善に、効果的な食事を心がけるようにしましょう。
脂肪分の摂りすぎは注意!
胆石は、コレステロールをもとに作られます。そのために、油っぽい食事を多く摂りすぎることは、胆嚢が肥大したり、胆石を作る原因になります。また、体内に入ってきた脂質を分解するための、胆汁の中にコレステロールが多すぎると、コレステロールが溶けずに固まってしまいます。
近年は、胆石ができてしまう人が増えていますが、これは、食生活が欧米化し、脂質の摂りすぎが原因であるといわれています。外食が多い人はなるべく、脂肪分が少ない食事を心がけるようにしましょう。
糖分を控えめにしましょう
砂糖やブドウ糖などの糖質も、胆石を作る成分が含まれていると考えられているので、摂りすぎないようにしましょう。
食物繊維をバランス良く摂りましょう
食物繊維を多く含む野菜や海藻類などをバランス良く摂取することは、コレステロールからできる胆石の予防に役立ちます。ただし、野菜を数多く摂る時に、マヨネーズやドレッシング、また、天ぷらなど油の多い食べ方で食べると、意味がなくなってしまいます。
ノンオイルのドレッシングや、加熱して食べる時には、蒸したり煮たりするなどして、脂質が多くならないようにしましょう。
胆嚢肥大は無症状が多い・定期的な検査を
現代、昔に比べ増えてきたといわれている胆石は、脂肪分の多い食事や、糖質の摂りすぎなどが原因といわれています。洋食を食べることが多かったり、甘いものが好きな人は気をつける必要があります。
また、胆嚢が何らかの病気や炎症のために、肥大していても初期の場合は、あまり自覚症状がないことがほとんどです。日頃の食生活に気を配りながら、定期健診などで超音波検査を受けて、胆嚢に異常がないか気をつけるようにしましょう。