キュレーショナー

私の苗字どこから？日本人なら知っておきたい！苗字の歴史

苗字は、法律上では氏とされ、一般的には、姓とも呼ばれています。現代では、苗字は「どの家族にあなたは属していますか」ということを示すものとなっています。

苗字の元は、大化の改新以前、645年以前の氏・姓制度とされます。天皇家と豪族の間で主従関係を分けるためのものでした。ですから、字は同じですが、今と意味が違い、「氏」は祖先が同じ集団のことで、「姓」は職や家柄を示したものであったようです。

今のような「本人がどの家系や家族に属しているのか」を苗字で示すようになったのは、奈良平安時代とされます。血筋が繁栄し、それぞれを区別するために、出身地や管理する土地の名を苗字に使うようになったそうです。江戸時代前後では、公式には、武士や公家などの方が苗字を名のっていましたが、一般の農民などもお互いを区別するため、個人的に苗字はあったようです。

明治以降、正式に誰でも苗字を名のってよいことになりました。それまで苗字のなかった方は、神主さんやお坊さんにつけてもらったり、地名や屋号からつけたようです。それまでの苗字を変えた方もこの時いらっしゃったと言われ、現在にいたります。

そのため、血筋や家柄のはっきりした苗字もあれば、その辺りがあやふやだけど数の多い苗字、ほとんど出会わない珍しい苗字など、多種な苗字が存在します。日本では、約30万種近くの苗字があるとされます。その内全国100人以下の珍しい苗字は、約1万種だそうです。占いの世界では、苗字の画数が、その家系の動きや職などを示していると言われます。

全国に10人以下！？珍しすぎる苗字！

1.神社さんにあるものが由来の苗字？七五三田さん

「しちごさんた」と呼んでしまいそうな七五三田さんは、「しめた」さんと言う読み方の苗字です。今の千葉県南部の安房が生まれとされる伝統の苗字だそうです。最近では、千葉県の鴨川市でも見られる苗字のようですが、それでも全国10人以下とのことです。

語源は、神社さんに必ずある「しめ縄」が由来とされています。神道由来の苗字は割合多く、全国100人以上にはなりますが、似た苗字の「七五三」で「しめ」さんもいらっしゃるようです。全国100人以下ですと、「祭」さんといった方もいらっしゃるようです。

2．伝説の鳥？お寺さんが由来の鳳凰さん

鳳凰は「ほうおう」と呼びます。孔雀に似た伝説の霊鳥と同じ読み方です。熊本県下益城郡美里町にごく少数の苗字だそうですが、由来は、京都市宇治市にある藤原氏ゆかりの寺院の平等院鳳凰堂と言われています。

宗教にまつわる苗字、特に、仏教由来の苗字は、日本で少ない苗字の中に多くあるようです。誰でも苗字を使うよう公式になった際、苗字をもたなかったお坊さんなどが、仏教用語を苗字に用いたからだと言われます。全国で10人以下とまではいきませんが、例えば、仏さんもいらっしゃるようです。

3.城壁が由来？蓼丸さん

蓼丸の読み方は、「たでまる」です。「たで」は、野原などに建つ建物が語源だそうです。この名前は、城壁や堀が由来とされています。広島県に少数みられる苗字だそうです。ある女優さんの本姓としても知られています。中臣鎌足が天智天皇から賜った藤原氏の流れの東北地方南部の伊達氏と関係するとされています。

珍しい苗字には、天皇家や仕える主人との関係でついた苗字は多いようです。例えば、全国100人以下の珍しい苗字として確認されている「無敵」さんは、戦の功績で、主人から頂いた苗字だそうです。頂いた苗字とは少し違いますが、武田信玄に薬袋を届けた際、薬袋の中身を見ていないと信玄に伝えたことが由来となった、「御薬袋」さんで「みない」さんという方も全国で100人以下の確認をされています。

4.自然の美しさが由来？夜桜さん

夜桜は、「よざくら」と「よさくら」の2通りの読み方があるようです。桜から生まれた苗字は多数ありますが、夜桜さんは、長野県でのみしか確認されていないようです。夜に咲く桜の感動的な美しさから生まれたとされる苗字で、伝統的な苗字だそうです。

夜桜さん以外にも、自然のものから派生した珍しい名前は多いようです。例えば、全国で100人以下の確認をされている「雲母」さんです。読み方は「きらら」です。雲母と書いて「うんも」と呼ばれる鉱物の産地である静岡・北海道に多い苗字なのだそうです。

また、全国に100人以下で、鹿児島県が発祥とされる鰻(うなぎ)さんもいらっしゃいます。自然界で確認される生き物の名が苗字の方も確認されているようです。

5.日本食に度々登場！食べ物が由来の酢さん

酢さんは「す」さんです。今の富山県である越中で生まれた苗字とされます。現代では、富山県射水市で確認される苗字だそうです。

酢さんも、自然のものと言えばそうですが、人間の手が加わったものになり、その地の特有の食べ物が由来となっている苗字のようです。少数の苗字には、この由来の苗字は見られ、150人くらいにはなりますが「味噌(みそ)」さんもいらっしゃるようです。味噌さんも富山県で、富山県では、こういった食べ物由来の苗字は多く確認されるようではあります。

6.意外に珍しい！地名由来の東京さん

「東京」は、首都「東京(とうきょう)」と同じ読み方です。語源も日本の首都である「東京」とされます。しかし、この苗字が確認されるのは、大阪岸和田市や鹿児島県だそうです。

地名が苗字になることは多いようで、珍しくなさそうなイメージではあります。しかし、かつての日本の中心であった「京都(きょうと・みやこ)」さんも全国100人以下の確認だそうです。こちらは、今の福岡と大分あたりにあった豊前国京都郡(みやこぐん)が由来だそうで、由来は京都府ではないようです。

また、京都府京都市地名の「勘解由小路(かでのこうじ)」さんは、全国10人以下の苗字とされます。この方々は、山口県におられるようです。

7.季節や時期が由来！四月一日さん

字は簡単なのに、読めない苗字として有名で、なおかつ、少数なのは「四月一日」さんです。「わたぬき」さんと呼びます。寒さがゆるみ着物から綿を貫くを意味した、綿貫さんと語源は同じようです。今の千葉県北部の下総国葛飾郡が生まれとされ、桓武天皇子孫の千葉氏の苗字だそうですが、現在宮崎県でのみの確認だそうです。

同じような苗字で、「八月一日」で「ほずみ」「はっさく」「やぶみ」「ほづみ」と呼ばれる苗字の方もいらっしゃいます。こちらも全国100人以下になります。実った稲穂を摘んで贈っていた旧暦の8月1日が由来だそうです。

時期の由来とは少しずれますが、こういった連想ゲームのような苗字で、字は難しくはないのですが、読めない苗字は多いようです。例えば、全国100人以下になります「小鳥遊」さんは、「たかなし」さんと呼ばれます。小鳥が遊ぶのは、敵がおらず、小鳥の敵は鷹なので、「たかなし」さんだそうです。

わかってあげたい！珍しすぎる苗字をもつ方のあるある

珍しすぎて一度じゃすまない！あと何回言えばいいの！？

珍しい名前と言うと、字が難しい方、字は簡単なのに読みが難しい方、字も読みも簡単だけど滅多に聞かない方といらっしゃいます。初対面で名前を聞かれて、答えるのが一度で済まないのが、珍しい苗字の方です。必ず説明を入れなければならないそうです。

初対面だけではありません。注文や予約などでの電話の際、名前の確認で何度も聞き返されることも多いようです。あれほど電話で言ったのに来たものを見ると、苗字が間違っているなんてこともあるそうです。

また、やはり珍しくあまり聞かない苗字のため、名のった後の相手の反応に傷つく方もおられるそうです。特に子供の時などは、周りの子供さんも正直ですので辛い思いをしている方も多いようです。そのため、思い切って戸籍から苗字を変える方もいらっしゃいます。

苗字を変えたい場合は、本籍の姓をが変わるのは、養子縁組や婿入り・入籍時です。もしも、それ以外でどうしても変えたい場合は、手段として、「やむえない理由」で家庭裁判所に判定されれば、変更も可能のようです。その場合は、戸籍の筆頭の者か配偶者の家庭裁判所への手続きが必要です。

また、無制限な変更は難しく、旧姓や親族の氏などと同じ苗字だそうです。判定の期間は、家庭裁判所に手続きしてから約3ヶ月程とされます。

聞き取れず、聞き返すことは多少しかたのないことですが、生きてきた間、何度も聞かれていることはある程度考慮した上で、もう一度名前の確認をするようにした方がよいかもしれません。また、名前を聞いたときのご自身の反応には注意をしましょう。

探しても探しても？珍しすぎて見つからない！

日本では、あらゆる場面で必要とされるのが印鑑です。全国30人以下の稀少苗字ともなると、ほとんど見つからないようです。100円ショップなどで、簡易のシャチハタは取り扱っていますが、とても手に入らないのが珍しい苗字の方の印鑑です。

はんこ屋さんで作ってもらうのが、一番手っ取り早いようではあります。なかなか見つからないので、前もって何本か用意しておいた方がよさそうです。

また、印鑑同様見つからないのが、パソコンなどの文字変換です。字が難しい方は勿論ながら、簡単な字の方も、その読み方では出てこないということが起きるようです。こちらも急ぎの時のために、前もって予測変換に登録しておくなど対策がいるようです。

私が最後？悩みます！日本で少ない苗字が変わること

珍しい苗字で苦労していて一般的な苗字になりたいと、結婚して苗字を変わることを積極的に受け入れる方もいらっしゃいます。しかし、苗字が変わることを悩む方も多いのが、旧姓が珍しい方には多いようです。

例えば、珍しい苗字の方は女系家族の方も多いと言われるそうです。女系家族というのは、家系に女性が多くなる家系のことです。つまり、苗字を継ぐ男性がいらっしゃらない、もしくは少ない家系の方です。

また、最近では、女性の一人っ子の方も多いでしょう。すると、結婚して苗字が変わることで、家系が途絶えてしまうという方がいらっしゃいます。そのためご本人のみならず、先祖さんのこともあり、家族全体で悩まれることも多いようで、婿入りを考える場合もあるようです。

まだまだある！由来も不明！日本で少ない10人以下の苗字！

全国10人以下の確認の少数の苗字は、何と言っても人数が少ないので、由来が不明となってしまっている苗字が多いのが実情のようです。字も読みもさほど難しくなく、なんとなく意味は伝わるのは、「鮫(さめ)」さんや「草笛(くさぶえ)」さんです。しかし、由来などの詳細は不明とされます。

また、読み方を勘違いしてしまいそうな、神秘的な苗字もあるようです。「霊」で「みたま」さんや、「十六夜」で「いざよい」さんです。こういった苗字もまた、由来不明とされる全国10人以下の少数苗字です。ご本人や家族が苦労してしまうのも納得な、日本で一番少ない苗字では？とされる苗字は、案外多いようです。